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#マンガ
『カルマティックあげるよ』のはじめに
私たちは、この狭い島国の中でぼちぼち日々を過ごす、ごくごく一般的なカーストに属する人畜無害で牧歌的な人間です。
しかし今までの自身の半生を振り返ってみると、常識では考えられないような、不思議で奇っ怪で、因果な出来事がたくさんありました。自分の身から出たハプニングもあれば、他人が起こしたトラブルに巻き込まれることもあったし、移動の最中に意図せず不可思議な光景を見かけたりなど、そのケースは様々です。い
線香にまつわる不思議な話(カルマティックあげるよ ♯127)
まだしんしんと雪が降る大学2年の1月はじめのことだった。
私は日常生活のなかで、ある違和感を覚えていた。
部屋の中はもちろん、外の廊下でも、つまりはアパートの敷地内で四六時中、線香の臭いがしていることに気が付いたのである。
それは古着屋などで焚かれているお洒落な香りとは程遠く、まぎれもなく仏壇仏具のソレであった。
そうまるで、お寺にいるみたいな。
最初は正月休みで、周辺のどこかの民家では親戚が集い
歯医者の異常な愛情 その1(カルマティックあげるよ ♯8)
社会で生きていると、数えきれないほど多くの人々との出会いがある。
親友になる人との出会い、恋人となる人との出会い、仕事上での重要なお客との出会い、自分の子供との出会い、孫との出会い。
人生という道は素敵な出会いで溢れている。
しかし、中には自分が望まない、恐ろしい思いをする出会いだって時にはある。
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それは北京オリンピック開催を数年後に控えたある年
歯医者の異常な愛情 その2 (カルマティックあげるよ ♯9)
かかりつけの歯医者さんとお茶の約束をした私。
約束当日、のどかな日曜の昼下がり、バイクをふかせて待ち合わせ場所の店へと辿り着く。
昭和の時代からありそうな、古く懐かしい雰囲気が漂う洋食屋である。
今まで前を通ったことは幾度となくあるが、中に入ったことはない。
店の開拓も含めてお茶会が楽しみだ。
待ち合わせ時間の14時になった。
店の前でぼんやり待っていると、道の向こうから中年の男性が歩いて近づ
歯医者の異常な愛情 その3(カルマティックあげるよ ♯10)
私は通行人でまあまあ賑わう、繁華街に建つ百貨店付近のベンチに腰を下ろしていた。
時刻はとうに18時半に差し掛かっていたが、7月の夕暮れ時の空はまだ明るかった。
あの歯医者と別れた後、逃げるようにバイクを走らせ、ひとまず気分を落ち着かせる為にここまで来ていた。
所詮中規模の地方都市の繁華街なので大したことのない賑わいぶりであるが、買い物を楽しむ家族やカップルの声が飛び交い、様々な人々が交差する場所
歯医者の異常な愛情 その4 (カルマティックあげるよ ♯11)
例の歯科医が待ち受ける医院に、再び足を運ぶ決心をした私。
重たい入り口のドアを押し開け、平静を装いながら中に入る。
靴がぽつぽつと置かれた寂しげなシューズラック、無機質なベンチソファーが置かれた人気の少ない待合室、マスクをかけた中年女性の歯科助手が待機する受付カウンター。
何の変哲もない、どこの町にもありそうな小さな歯医者さんといった光景だ。
しかし、先日の出来事から院長の素顔を知ってしまった以