記事一覧
「もっと“みんな”を探したい」松屋だからできる、多様性へのアプローチ
「松屋が現代日本の多様な“みんな”を学ぶ」というテーマで、様々な食卓を取材してきたこの企画。約1年半で29もの食卓におじゃましました。
連載のひと区切りとなる今回は、noteの運営を担当していた松屋フーズ社員の田中英介さんにインタビュー。週4日は食べるという松屋の牛めしを食べてもらいながら、共に取材をしてきたチームメンバーで「みんなの食卓」を振り返りました。
「みんなの食卓でありたい」をスロー
たどり着いたのは、家族で囲むまあるいテーブル。料理家・栗原友さんの「気負わない食卓」が教えてくれること
夕方5時。ちょっと早めの夕飯の、おいしそうな香りに誘われるようにお邪魔したのは、料理家・栗原友さんとご家族の食卓です。鮮魚店「クリトモ商店」も営むご夫婦ですが、店に立つのは主にパートナーの晃輔さん。太陽が上がるよりも前に始まる晃輔のお仕事のことを考えて、友さんと娘のあさちゃんも早めに夕飯を召し上がるのだとか。
まあるい大きなテーブルで食べる栗原さんの手料理。
ですが、料理家だからといって、気張
石橋を“飛び越えて”進んだ69年。生涯夢を追う、生姜料理専門店オーナー森島土紀子さんの食卓
独特の香りや辛みが特長で、様々な料理に使える万能調味料、生姜。身体を温める、免疫力を高めるなど、身体への効用が期待されることでも知られています。
今回取材をするのは、そんな生姜が大好きで、生姜とともに人生を歩んできたという森島土紀子(ときこ)さん。生姜料理専門店を経営し、生姜料理に関する講演や料理教室の主宰なども行ってきた土紀子さんは、“生姜の女神”と呼ばれています。
人生をかけて夢中になれる
“100点じゃないうつわ”で、幸せが二乗する。「暮らしの店 黄魚」店主、母娘ふたりの食卓
東京都渋谷区に、たしかなセレクトで人気を集めるうつわ屋さんがあります。「暮らしの店 黄魚(きお)」。店主の髙はしこごうさんが、仕入れから接客、SNSの運営に、商品の配送までひとりで切り盛りされている個人店です。
今回は、家庭でもうつわを楽しむこごうさんと、小学5年生の一人娘あみちゃん、2人の食卓におじゃましました。うつわを愛するこごうさんが考える「うつわの魅力」とは——。答えを聞くと、きっとその
「俺ら、売れていいでしょ!?」結成12年&同居13年コンビ・カナメストーンの自信は、“楽しい“であふれる食卓から
友だち歴21年、同居歴13年、芸歴12年——。
ボケ担当の山口誠さんとツッコミ担当の東峰零士さん、中学の同級生ふたりで結成されたカナメストーンは、現在東京のライブシーンを中心に活躍の場を広げるお笑いコンビです。さらに、幼馴染みならではの空気感が楽しいラジオ番組や、ふたりの趣味であるファッションをテーマにしたYouTube動画でも人気を集めています。
そんなおふたりの魅力はなんといってもその仲の
「変化することは怖くない」子ども食堂、間借りベジカレー店、二拠点生活……。池田園子さんがボーダーレスな挑戦を続ける理由
大人になると、変化を恐れてしまうことがある。それまで努力して積み上げてきた環境が壊れてしまうかも……と考えると、どうしても足がすくんでしまう。もちろん、それは決して悪いことではない。ただし、変化していくなかで得られるものがあるのもたしか。
今回取材した池田園子さんの日常には、この1年でさまざまな変化があった。子ども食堂や間借りカレー店のオープンに奮闘し、東京と大阪を行き来する二拠点生活もスタート。
僧侶の日常は、想像以上に自由で豊かだった——。令和初の寺院「なごみ庵」を設立した、浦上哲也さん、智子さんの“手作りの食卓”
神奈川県横浜市の住宅街に、「なごみ庵」という小さな寺院がある。「お寺」と聞くと、何百年という歴史を持つものを思い浮かべるだろう。しかしそこは、なんと令和元年に認定されたばかりの、新しい寺院だ。しかも住職を務める浦上哲也さんは一般家庭出身で、ひょんなことから仏門に入ったという。
さまざまなイベントを企画し、SNSでの情報発信にも精力的。最近はそんな僧侶も増えてきており、彼らは知られざる“僧侶の世界”
貧困当事者だって提供者に。「フードセーフティネットを作りたい」日本初のフードバンクが目指す、豊かな社会の在り方
「飽食の国」とも呼ばれる日本で、食べ物に困っている状態、いわゆる“飢餓状態”に陥る人の割合は決して少なくないという。特にこのコロナ禍において困窮し、「明日、食べるものがない」と途方に暮れる人が増えてしまったのは想像に難くないだろう。
そんな人たちに対する「食の支援」をはじめとし、食にまつわるさまざまな問題解決に奮闘しているNPO法人がある。その名も「セカンドハーベスト・ジャパン」。
彼らは活動に賛
刺激を求めたのも今や昔。「いまは日常が大好き」ささいな幸せを愛おしむ剱樹人さん夫妻、その土台は家族3人の食卓に
今回取材をしたのは、ベーシスト・漫画家として活動する剱樹人さんのご家族。妻でコラムニスト・コメンテーターの犬山紙子さんと、4歳の娘さんと3人で暮らしていらっしゃいます。
剱さんは、犬山さんとともに暮らすようになった当初からずっと、主な家事を担っているそう。現在、日本の共働き家庭では、夫の家事・育児時間は妻の1割程度だとされています(*)から、それが逆転している剱さん夫婦は、少しめずらしい家族の形だ
ワンオペ育児を変えた「家族をひらく」暮らし方。徳瑠里香さんが楽しむ、多彩な食卓
「ワンオペ育児」。何らかの理由によりひとりで仕事、家事、育児のすべてをこなさなければならない状態を指す言葉です。インターネットを中心に、当事者たちがその大変さを伝える際に使われるようになり、2017年にはユーキャン新語・流行語大賞にもノミネートされるなど、広く浸透しています。さらに現在、働く母親の6割以上が「自分はワンオペ育児状態」だと感じている(*)といいます。
今回取材した徳瑠里香さんも、そん
ミシュランガイド東京で一つ星を獲得したシェフが、松屋のとりこになったわけ ——sio・鳥羽周作が受け継いだ「食卓」へのこだわり
なにもかもが「ふつうじゃない」と話題の、代々木上原に佇むフレンチレストラン、sio(シオ)。2018年の開業以来、その計算しつくされたコース展開から什器、おしぼり、音楽まで、徹底した美学に惚れ込むファンが続出。開業翌年の2019年には、ミシュランの一つ星を獲得しました。
オーナーシェフである鳥羽周作さんは、「サッカー選手、小学校の教員を経て32歳で飲食業界に転身」「料理歴8年で予約の取れないレス
母子家庭の子たちを笑顔に、お腹いっぱいにしたい。「子ども食堂」を切り盛りする石黒友子さんが考える、食卓の役割
さまざまな事情により、ご飯を充分に食べることができない子どもたちがいる。そんな子どもたちを少しでもサポートしたいという想いから、全国各地に生まれたのが「子ども食堂」と呼ばれるコミュニティだ。そこでは無料、あるいは低価格で食事が提供され、子どもたちが安心して過ごせる時間が流れている。
オフィス街として知られる東京・神保町にも、実は「子ども食堂」がある。それを運営する石黒友子さんは母子家庭で育ち、シン
「ご飯がおいしいってことを忘れてた」丸山桂里奈さん・本並健治さんがたどったアスリートの「食」事情
今回登場いただくのは、元なでしこジャパンの丸山桂里奈さんと、Jリーグ草創期から活躍した元日本代表選手の本並健治さん夫妻。19歳差という“年の差婚”でも話題を呼んだ元サッカー選手同士の結婚はこの9月で1周年を迎えました。
元アスリート同士のおふたりなので、「今でもストイックな食事管理」「プロテインやサプリにもこだわりあり」といった食生活を想像していましたが、現在の食卓はそうではないようで……。選手時
耳が聴こえなくても「賑やか」。手話と発話の飛び交う、さや佳さんの食卓。
障害のある人と、対等に接するとはどういうことなのか。多様性ある社会の実現が掲げられるいま、それは決して無視できない問いかけだ。けれど、明確に答えられる人がどれだけいるだろう。過剰にやさしくする、あるいは当たり障りないように関わる。どちらも違うような気がする。
今回お会いした安達さや佳さんは、耳の聴こえない女性。補聴器をつけてはいるが、外すとほとんど音が聴こえないという。一方、彼女のパートナーである
102名の“拡張家族”が住む! 価値観やバックボーンの異なる人たちが“交差”する、新しい食卓
「一家団欒」という言葉がある。でも、この「一家」とはなんだろう?
ここで言う「一家」とは「家族」のことを指す。つまり血縁や法律で結ばれている人たちのことだ。いま、この概念が少しずつ変化してきている。
それを体現するのが、共同コミュニティ「Cift」に住む人たちだ。渋谷、京都に拠点があり、総勢102名のメンバーがいる。彼らには血のつながりも法的な結びつきもない。けれど彼らは、「拡張家族」として暮