マガジンのカバー画像

Beyond The Reading

131
本を読む先にあるものって、なんだろう。
運営しているクリエイター

#エッセイ

ベストエッセイ2021を、読んだ。

ベストエッセイ2021を、読んだ。

疲労回復にはエッセイが良い。などと「知ったフリ」で吹聴していたら、その通りとなった。肉体も精神も妙に緊張を強いられた数日、届いたばかりの最新刊を夢中になって読み耽った。

エッセイとは、特定の文学的形式を持たず、書き手の随想(思ったこと・感じたこと・考えたこと)を思うがままに書き記した文章のことである。 「随想録」ともいう。 ... エッセイが書かれた(エッセイのジャンルに区分される)書籍は、「エ

もっとみる
ベストエッセイ2014を、読んだ。

ベストエッセイ2014を、読んだ。

自動車の運転と、エッセイは似ていると思った。本人の素が出るからだ。

自分も気をつけるようにしているが、ハンドルと筆は握れば本性が出てしまう。皆様の身の回りにも、思い当たる人はいるだろうか。自分で何か特別な力を操作しているという錯覚をおぼえるのかもしれない。

先週あたりから読書が捗らなかった。手にしても気分が全く乗らない。選書に問題があったのか体調に問題があったのか釈然としないが、そういう日もあ

もっとみる
ニッポンの違和感、を読んだ。

ニッポンの違和感、を読んだ。

キッチュa.k.a.松尾貴史さんの著書を初めて拝読した。

自分自身では「松尾さん本当に久しぶりです..」という感じだ。子どもの頃、テレヴィでお見かけして面白い芸人さんというイメージが強かったが、既に松尾さんも61歳。世の中に色々と感じることがあるのだろう。

タイトルの通りに、彼が今の日本(大部分は日本政府)に覚えた違和感をエッセイ的にまとめたもの。胸のスク気持ちで読んだが、あまりにも現政府の情

もっとみる
毎日がこれっきり、を読んだ。

毎日がこれっきり、を読んだ。

ノンフィクションの次に好きなジャンルがエッセイだ。

まだまだエッセイ初心者(読み手のグレードがあるかどうかは不明だが)には、とりあえず筆者の日常を気さくに綴られていれば総じてエッセイなので、選定の基準は実質ない。

恐縮ながら有名なドラマ脚本家さんだということも存じ上げないまま、良い意味で先入観を伴わず読み進める。人生の伴侶であるご主人(夫)が車椅子の生活を強いられているなど、かなり赤裸々に日常

もっとみる
ベストエッセイ2012を、読んだ。

ベストエッセイ2012を、読んだ。

久々にベストエッセイシリーズを手にした。

過去にnoteでも何度か言及したが、思いのほか反応が高く人々のエッセイに対する興味関心を垣間見た気がする。

本著は2011年のエッセイをまとめたもの。10年前の大災害について言及しているエッセイが多いのかと思っていたら、想像以上に少なかった。

当時、世に放たれたエッセイの多くは震災や人生観にまつわる話題が多かっただろう。もしかすると編集部は哀悼集のよ

もっとみる
タクシーに、乗りたい。

タクシーに、乗りたい。

子どもの頃、将来なりたい職業にタクシーの運転手さんと書いた記憶がある。そういえば過去のnoteでも近しい話題が出していたのを思い出した。

数日前から手にしたこちらの作品を読み終えた。

はて、この本を選んだのは何故だっけ、と記憶を遡るが釈然としない。著者のプロフィールを拝見しノンフィクションという単語を見て合点がいき、そして苦笑いしてしまった。最近は健忘症に近い状況が頻発しつつある。

タクシー

もっとみる
多様性という、便利な言葉。

多様性という、便利な言葉。

昨夜から読み始めた本が、ものすごく、ものすごく面白い。

何が面白いかは実際に読んでもらいたいのだが、主に子どもを通じて筆者が体験した現代の多様性について綴られ、しかもそれは日本の外での出来事なので非常に面白い。3月から英会話を始めることも相まって、海外の文化や慣習を垣間見た気がする。

色々な考え方、生き方がある、それを総じて多様性と定義づけることが増えてきたように思う。久々にウィキペディアから

もっとみる
予想どおりに不合理。

予想どおりに不合理。

行動経済学が明かす、あなたがそれを選ぶわけ。

友人が熱心に読んでいるのを見かけて興味を持ち購入。行動経済学というジャンルは、聞いたことがあるようで、実は初めて触れる学問だったかもしれない。500ページ近くある分厚い文庫本だが、非常に読みやすかった。

相対性の真相、需要と供給の誤謬、ゼロコストのコスト、社会規範のコスト、無料のクッキーの力、性的興奮の影響、先延ばしの問題と自制心、高価な所有意識、

もっとみる

エベレストには登らない。

タイトルを見てピンときた人は、角幡唯介ファンだろう。ところで昨日にこの本を読み終えた。

勿論、彼の存在は承知していて、業界では物議を醸しているということもそれとなく知っていた。先日読んだトムラウシ山の大量遭難ドキュメントを読み終えて感じたのと同じく、登山の商業化については否定的なスタンスをとっている自分。読み始める前にも、なんとなくことの全容は想像していたが、見事に期待を裏切られた衝撃の内容だっ

もっとみる
読書の醍醐味。

読書の醍醐味。

今回の土日は、本当に久々に読書に集中できた。先週にタフな案件が複数あり、それらがひと段落したので休日らしい休日を過ごせた気がする。芳しくない空模様もあいまって、ほぼ自宅でのんびりとしていた。テレビゲームをしたり、子どもとワイワイやったり、お酒も美味しくいただいた。

今年は過去に読んだ本を再び手にする機会を意識して増やそうとしている、つまり再読だ。読書は2回目からが本番、これは人付き合いも同じだと

もっとみる
コロナ後の世界を語る、を読んだ。

コロナ後の世界を語る、を読んだ。

今週は3日連続で出社し、往復の通勤電車で読書に没頭した。標題の書籍を再読する。出版されたのは2020年の8月、この半年近い期間で世の中の様子も変化し、情報鮮度はやや落ちてしまう感もあったが、人類はウイルスとどう共存していくのか、などの普遍的な考察については素晴らしいの一言。

ワクチンの確保、最新の機器を駆使した医療行為、どこの誰に優先するのか。トリアージはあくまでも緊急時における対応であって、そ

もっとみる
本を読んで出会う、嬉しい出来事。

本を読んで出会う、嬉しい出来事。

今朝方にベスト・エッセイ2013を読み終えて199冊。ついに200冊まであと1冊。最後の1冊もエッセイになりそうだ。今年はノンフィクションよりも興味関心がエッセイに寄ったかもしれない。もちろん、2021年もノンフィクションは意欲的に読んでいくつもり。

ひょんなことからグループ会社のとある方が、熱心に読書をされていることを知り、毎度の如く前のめりで連絡を差し上げてみる。森博嗣さんのミステリィ作品が

もっとみる
ベストエッセイ2017を、読んだ。

ベストエッセイ2017を、読んだ。

今年読んだ本は今日で196冊。予定通りに2020年は200冊前後で終わるかどうか。200冊目を何にしようなんて、なんという贅沢な悩みだろうか。読んだ本をリスト化しているが、たまに見直していると自分のコンディションとうか、趣味嗜好が如実に現れているようで我ながら面白い。

たとえが適当ではないと怒られてしまうかもしれないが、本シリーズはデパートの地下食品売り場の試食コーナのようだ。日本食、中華料理、

もっとみる
旅の効用、人はなぜ移動するのか。

旅の効用、人はなぜ移動するのか。

読書は2回目からが本番と吹聴しているのだが、その通りにメルカリやAmazonで書籍を買い漁っている傍らで、過去に読んだ本をジャンジャン再読している。今回ご紹介する作品も同様に、2度目の味わいはこれまた格別。

六本木の文喫さんを取材させていただいた際に購入した、2冊のうちの1冊だった。内訳は以下の通り。

旅の効用とは言い得て妙、しかし流石。旅とは滋養である。家でじっとしていると、妙に遠くに出かけ

もっとみる