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ベストエッセイ2012を、読んだ。

久々にベストエッセイシリーズを手にした。

過去にnoteでも何度か言及したが、思いのほか反応が高く人々のエッセイに対する興味関心を垣間見た気がする。

本著は2011年のエッセイをまとめたもの。10年前の大災害について言及しているエッセイが多いのかと思っていたら、想像以上に少なかった。

当時、世に放たれたエッセイの多くは震災や人生観にまつわる話題が多かっただろう。もしかすると編集部は哀悼集のような編み方をしたくなかったのかもしれない。あえて、いつも通りのエッセイを選出したのだと思う。

帯に記された編纂委員の林真理子さんの言葉がシンプルで強く響く。

エッセイの底力、エッセイを読むことの楽しさが、この本に詰まっている。

なるほど。底力か。誰かの支えも必要だが、最終的には人は自らの力で立ち、前に進んでいくのだろう。

災害に関する話題は少ない、と述べた。ただ、やはり何点かは言及しているものがあり、特に鷲田清一さんのエッセイは溜飲が下がる。過酷な環境にいる人に、容易く頑張れと声をかける無神経な人たち。

自分がいつも思うのは、本当の優しさとは関わらないことなのでは、とさえ思う。そっと離れて見ている。そして助けを求められたら、そっと手を差し伸べる。それまではじっと待っていて何もしない。自分はそうして欲しい。

書から学ぶことが多い。みなさんも是非、本を読んでください。僭越ながら過去に読んだ本をリスト化していますので、参考いただけば幸いです。


読書好きが高じて書くことも好きになりました。Instagramのアカウントは、kentaro7826 です。引き続きよろしくお願い申し上げます。