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Human Resource Logistics(HRL)

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『 海外事業要員確保は兵站(Logistics)である 』 これは最近私が見つけたメタファーです。 noteでは前向きにLogisticsを進める、特に中堅中小企業の事例をご紹…
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#採用

人材紹介コンサルタントの専門性とは

人材紹介コンサルタントの専門性とは

 労働市場の流動性が高まり、より豊富な経験や高度なスキルを有する人材の採用(転職)が増えることで、それを仲介する人材紹介コンサルタントにもビジネスや製品、各技術分野に関する知識が一層求められています。

 登録人材(求職者)の経験や強みを適切にヒアリングし理解する上で、同じ(近い)分野で働いた経験をもつコンサルタントは適任といえます。
 また取引先企業との関係においても、人材の需要家である事業部門

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人材紹介は成功報酬、という常識を疑ってみる

人材紹介は成功報酬、という常識を疑ってみる

 私が属している人材紹介業(登録型)は、成功報酬型の料金体系で、求人を行なう企業(クライアント)に対して推薦した候補者が入社した時点で手数料(売上)が発生します。

 募集広告を掲載した時点で料金が発生する求人広告や、候補者の探索を開始する時点で着手金が発生するサーチ型(リテーナー型)の人材紹介と比較すると、"入社"と"支払い"の前後関係だけを単純に比較した場合は確かに"後払い"と言えます。

 

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本を書いてみた(中)

本を書いてみた(中)

 6月28日、初の単著となる『海外事業を加速する 中途採用の成功法則』が発売されることになりました。既にAmazonでは予約販売が始まっていますので、もしよければ表紙だけでもご覧ください。

 前回の「本を書いてみた(上)」では、出版の動機や背景についてお伝えしました。

 ただ実際に出版をしようとすると、その作業は大変なものです。共著での出版経験はあったため、ある程度その大変さは分かっていたつも

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貴方は"採用力"ある?ない?

貴方は"採用力"ある?ない?

"大辞職時代"といわれ労働市場の流動化が進むなか、益々重要性を増す人材採用。
企業としての採用力もさることながら、あなた個人(ビジネスパーソン)としての採用力はいかがですか?
そんなことをお尋ねする3問の簡単なアンケートです。
ぜひご協力ください!

アンケートにご協力ください🙇‍♂️

アンケートにご協力ください🙇‍♂️

"大辞職時代"といわれ労働市場の流動化が進むなか、益々重要性を増す人材採用。
企業としての採用力もさることながら、あなた個人(ビジネスパーソン)としての採用力はいかがですか?
そんなことをお尋ねする3問の簡単なアンケートです。
ぜひご協力ください!

日本を愛する外国人がなぜ日本企業で活躍できないのか?

日本を愛する外国人がなぜ日本企業で活躍できないのか?

九門大士氏 著『日本を愛する外国人がなぜ日本企業で活躍できないのか? ー外国人エリート留学生の知られざる本音』(日経BP)

 コロナの渦中、2020年9月に出版された本書では、今後も日本企業が国際競争に勝ち抜くために外国人材を雇用する必要性は益々高まるであろうとの前提のもと、日本に学び、その後も日本に残って就業したいと望む外国人留学生の3割はその願い(就職)が叶わず帰国していくという現実に深く

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今さら"35歳"を持ち出す無意味

今さら"35歳"を持ち出す無意味

かつて、35歳を超えると転職市場で得られる選択肢の数が急激に減少することが『35歳転職限界説』なる定説として語られていました。

“失われた10年”を終え、「転職」や「中途採用」がある程度市民権を得た2000年代においても、私たち人材紹介会社が取引先から預かる求人の多くは、「35歳未満」と明記されたものでした。(2007年に行なわれた雇用対策法の改正により求人の年齢制限は禁止されました)

では、

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ビジョンを語って反応を見る・・・それは面接ではありません

ビジョンを語って反応を見る・・・それは面接ではありません

 ダイヤモンド・オンラインから『実績が超優秀でも組織を壊す「要注意人材」を、面接でどう見抜くか』。「これは良い人材だ」と思って採用したはずの人が組織に馴染めずさまざまな問題を引き起こし、業績に貢献するどころか成長の足かせになってしまう。そんな失敗をしないために経営者が気を付けることとは。

 筆者は、採用時に候補者の過去の実績に惑わされ、”カルチャーフィット”を見抜く目に欠けているケースが少なくな

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技術的にプロフェッショナルで文化的にセンシティブな人材

技術的にプロフェッショナルで文化的にセンシティブな人材

    修士論文執筆もいよいよ佳境に入り、今日も朝から参考文献、「アジア日系企業における異文化コミュニケーション」(片岡・三輪 編著,1997年)。中国、韓国、マレーシア、フィリピンの日系現地子会社における丹念な調査に基く、読み応えのある一冊です。

    第6章「異文化ビジネス・コラボレーションの実態分析」で本章の筆者である河合・Jaffeは、日本企業が現地子会社に対して技術移転を行なう際の困

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新規求人数は回復も・・・

新規求人数は回復も・・・

 新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大に伴い、現在様々な国で入国制限やビザ発給の制限が実施されています。
 その影響から、各国企業の人材採用も計画の変更を余儀なくされています。

 私が勤めるジェイエイシーリクルートメントの海外各拠点が、現地の最新情報を配信しました。

  4ー6月には大幅に減少した新規求人数も7ー9月は中国、ASEANで新規求人数に回復が見られました。では各社は、これ

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海外拠点の経営を担う人材の採用の難しさ

   自身の論文に引用しようと考えている論文『海外拠点の経営を担う人材の採用プロセス』(中村天江氏、2013年)。

   海外事業展開を行なう日本企業にとって、海外拠点に赴任してその経営を担う人材の確保は古くて新しい課題です。

   本稿は、海外拠点の経営人材として中途採用された人材と採用企業を仲介した人材紹介会社のコンサルタントに対して行なった13件のケースインタビュー結果をグラウンデッドセ

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ご視聴ありがとうございました 〜東京商工会議所セミナー

ご視聴ありがとうございました 〜東京商工会議所セミナー

  本日は東京商工会議所主催イベント「アジアの人材市場、アンダーコロナの現地事情」にパネルディスカッションのモデレーターとして登壇させていただきました。

  商工会加入企業の進出先として最も多い中国、タイ、ベトナムから当社の現地拠点長がオンラインで参加。現在の人材市場や日本企業の事業活動状況について話してくれました。

  オンラインということで自宅やオフィスから参加していただける気軽さからか、

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過去の不況期と大きく異なること・・・

  約4ヶ月ぶりの出張。東海地区の2県を回って金融機関や当社のコンサルタントとの意見交換を行なってきました。
  東京とは違い日々の新規感染者はほとんどいませんが、主に地元中小企業が被る経済的な痛手は相当なもので、多くの会社が“今を乗り切る”ために懸命な状況です。
  当社が行なった現状の中途採用募集に関するアンケートの結果によると、両県においてウイルス感染拡大前に計画していた中途採用募集をそのま

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人材紹介に明日はあるか②

人材紹介に明日はあるか②

スペックを下げる

  人材紹介会社のコンサルタントが、取引先企業から受けた求人の相談に対し、現実的に候補者を紹介し得る水準にまでその要件の緩和を求めることを言います。
特に新しい表現ではなく、私がこの業界に足を踏み入れた20年前には既に業界用語として定着していました。

  経験や能力、専門知識に加え、表立っては制限してはいけない年齢層など、企業が中途採用募集を行なう時には様々な要件が指定されま

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