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人材紹介業をアップデートする

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私が属する「人材紹介業」の未来について個人的見解をつぶやきます。
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#経営

続・人材紹介コンサルタントの専門性とは

続・人材紹介コンサルタントの専門性とは

 先の投稿はNoteと同時に投稿したLinkedin でも数多くの方々にご覧いただきました。
 "いいね"をして下さった皆さん、有難うございました。

 閲覧者の属性データを見てみると、人材コンサルタントの方はもちろん、人事部門でお仕事をしておられる方々にも多数ご覧いただいたようです。

 人材紹介のユーザーである人事の方々にとって、人材紹介サービスの品質はより重要な関心事であるはずです。

 コ

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人材紹介コンサルタントの専門性とは

人材紹介コンサルタントの専門性とは

 労働市場の流動性が高まり、より豊富な経験や高度なスキルを有する人材の採用(転職)が増えることで、それを仲介する人材紹介コンサルタントにもビジネスや製品、各技術分野に関する知識が一層求められています。

 登録人材(求職者)の経験や強みを適切にヒアリングし理解する上で、同じ(近い)分野で働いた経験をもつコンサルタントは適任といえます。
 また取引先企業との関係においても、人材の需要家である事業部門

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人材紹介は成功報酬、という常識を疑ってみる

人材紹介は成功報酬、という常識を疑ってみる

 私が属している人材紹介業(登録型)は、成功報酬型の料金体系で、求人を行なう企業(クライアント)に対して推薦した候補者が入社した時点で手数料(売上)が発生します。

 募集広告を掲載した時点で料金が発生する求人広告や、候補者の探索を開始する時点で着手金が発生するサーチ型(リテーナー型)の人材紹介と比較すると、"入社"と"支払い"の前後関係だけを単純に比較した場合は確かに"後払い"と言えます。

 

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本を書いてみた(上)

本を書いてみた(上)

 6月28日、初の単著となる『海外事業を加速する 中途採用の成功法則』が発売されることになりました。既にAmazonでは予約販売が始まっていますので、もしよければ表紙だけでもご覧ください。

 「大退職時代」と言われるように人材の流動化が加速する中、人材採用は企業(組織)にとっても個々のビジネスパーソンにとっても、一層重要になります。
 新卒で入社した会社で人事課に配属されて以来、33年以上にわた

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学ぶべきは「国語」

学ぶべきは「国語」

7/14(水)の日本経済新聞から、『「普段着の日本語」学ぼう 哲学者が説く 論理力の鍛え方』。

 SNSなどのソーシャルメディアを通じ、背景や前後の文脈が分からないままに断片的な言葉が流通し、広がっていくことで、言葉と言葉をつないで理解、議論する論理能力が低下していくことを危惧しています。

 そうした断片的な言葉は「共感」か「反発」のいずれかしか生み出しません。「共感」は人間が持つ大事な能力の

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ミドルマネジメントは、ルーターからリーダーへ

ミドルマネジメントは、ルーターからリーダーへ

ハーバードビジネスレビューから、『中間管理職が組織のつなぎ役を担う時代は終わりつつある』。

コロナ禍による働き方の変化は、ミドルマネジメントに対して"ルーター"ではなく、本来の"リーダー"としての役割を果たすことを求めるようになった、という内容のエッセイです。

 決められた場所、時間帯に集うメンバーを監視し、仕事量を把握する、というスタイルが通用しなくなり、一方で重要な情報や意思決定の共有は電

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日本語を正しく使おう

日本語を正しく使おう

人材紹介ビジネスの関係者が用いる言葉の中で、長く違和感を覚え続けている言葉(用語)について、ついに我慢できなくなり投稿してしまいました。

それは「母集団形成」という言葉です。

「特定の求人に対して応募者を集める(=応募者群を形成する)」ことを指して日常的に使われるのですが、その意味合いで使うべき用語は「応募集団形成」です。

そもそも「母集団」とは統計学の用語で、『調査や観察の対象とする集団全

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新しい顧客のつくりかた

新しい顧客のつくりかた

山脇秀樹氏著『新しい顧客のつくりかた』(東洋経済新報社)。
消費者の観察と丹念な洞察をもとに、デザイン思考によって商品に独自の世界観と意味をもたらす手法について、極めて具体的なユーザー像やその購買活動に関する事例を挙げて解説しています。

かつて性能と品質で世界を凌駕した日本製品には、それらとは異なる新たな意味付けを行なうことによって再び世界を驚嘆させ得るポテンシャルがあるという前提で、その道筋を

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(新刊)考える経営学

(新刊)考える経営学

有斐閣ストゥディア社の新刊『考える経営学』。

前半で経営学や経営戦略論の基本的なフレームワークを「図」ではなく「ストーリー」で解り易く解説した後、後半ではマネジメントやリーダーシップ、組織変革など、人と組織にフォーカスして、組織心理学、組織行動論、人的資源管理論などのセオリーが簡単な例をもとに記されています。

第9章「よい出会いをどうデザインするか 〜採用と心理的契約」(服部泰宏氏著)

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日本を愛する外国人がなぜ日本企業で活躍できないのか?

日本を愛する外国人がなぜ日本企業で活躍できないのか?

九門大士氏 著『日本を愛する外国人がなぜ日本企業で活躍できないのか? ー外国人エリート留学生の知られざる本音』(日経BP)

 コロナの渦中、2020年9月に出版された本書では、今後も日本企業が国際競争に勝ち抜くために外国人材を雇用する必要性は益々高まるであろうとの前提のもと、日本に学び、その後も日本に残って就業したいと望む外国人留学生の3割はその願い(就職)が叶わず帰国していくという現実に深く

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“よそ者”דわか者”דバカ者”=イノベーション

“よそ者”דわか者”דバカ者”=イノベーション

昨夜(12/14)は、グローバル人財研究会・人材系スペシャリスト養成講座共催のオンラインイベント『第2回Premium研究会 〜人材系ビジネスと地方創生』を聴講しました。

講師は、数々の地域活性化プロジェクトに携わってこられた岩田佑介先生(立命館大学客員教授)。
岩田先生が携わってこられた様々な事例を通して、地域産業、地方経済の課題について知ることができました。そしてその

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マクドナルドで買えるものは・・・

マクドナルドで買えるものは・・・

ITmediaビジネスオンラインから、『サラダマックが大失敗した訳』。

 2006年に発売された「サラダマック」は、当時の健康ブームに乗ったタイムリーな企画で、尚且つ綿密なマーケティング調査に基いて開発・発売したものであるにも関わらずほとんど売れることなく”廃盤”になりました。

 記事は、「(健康的でないものよりは)健康的なものがいい」という一般的な感覚や、マクドナルド社のアンケートに対する「

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人材紹介に明日はあるか②

人材紹介に明日はあるか②

スペックを下げる

人材紹介会社のコンサルタントが、取引先企業から受けた求人の相談に対し、現実的に候補者を紹介し得る水準にまでその要件の緩和を求めることを言います。
特に新しい表現ではなく、私がこの業界に足を踏み入れた20年前には既に業界用語として定着していました。

経験や能力、専門知識に加え、表立っては制限してはいけない年齢層など、企業が中途採用募集を行なう時には様々な要件が指定されま

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人材紹介に明日はあるか

人材紹介に明日はあるか

コロナショックに伴う経済損失や人々の行動様式の変化から、世界の自動車販売数が減少しています。近年、グローバル市場の拡大に加え、国内景気の長期安定もあって堅調に業績を伸ばしていた完成車メーカーも厳しい状況に見舞われています。
この苦境をいかにして脱するのか、またこれを契機に一気に構造改革を進めて組織として生まれ変わるのか、或いはコロナ後の新たな社会に対して新たな存在価値を打ち出すのか、各社の

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