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童話

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にゃんこ星の伯爵のほら話

にゃんこ星の伯爵のほら話

にゃんこ星のほら話。

ワシだ男爵だ。男爵が弟子がエゲレスに留学するのを聞いて、見送るのでなく、出迎えたいと思って、数日前に行くことにした。

だとしても、ただ出迎えるのもつまらない。そうだ、ミサイルに乗ってエゲレスに行くことを思い立ったのだ。そこで、ある国の独裁者に不老不死の薬(偽薬)を作り、乗せて貰うことにした。独裁者をまんまとだまくらかした。ミサイルに乗って、エゲレスへ!

ミサイルに乗って

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治水ゲーム

治水ゲーム

洪水を治水して治めることができたら、王になれる。こんなゲームがアプリであればいいなと言う動機で書いた。(古代中国の伝説、禹王の話が元)
政治家を作るシュミレーションゲームとして。

洪水が頻発する地域。
農作物がだめになり干ばつになり、民は他に移住してゆく。
今まで何人もの、技師が試みたが失敗して、暴動されたり、
責任取らされて罰せられたりした。

それに対して、主人公は王の器になるべく、人をまと

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母系社会?

母系社会?

「fuck you! Ozymandias!」※1
女は怒りを込めて叫んだ
そして、女の下の口に、子種を入れた注射器をいれた。
ソファーの上で四つん這いになって。

この女は、男との恋に失望したようだ。
どこかで子種を買って、作ることにしたそうだ。
男と会うのがうざいから。

その後、女は子供を出産した。

相手は誰かわからない
父親は誰かわからない

しかし働きたいので、育てるために彼女は、

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いぬがロケットに

いぬがロケットに

昔、月の姫に片想いする王がいた

王は手紙を月に届けるために
月に行こうとしてたが
家臣に止められる

ある日、野良犬を拾い、
ロケットに改造することにした
もちろん、飼うことを条件に

犬は改造されて
胸にエンジン、前と後ろの足にブースターをつけられた。

王は犬に手紙を託して
ふろりだの発射台におくり

月に向けて発射、見送った

犬は月につく
姫を探したが、月の姫は
年老

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天球儀の夜に (童話)

天球儀の夜に (童話)

ある原野、一軒の家に老人が住む。机の上に真っ白な天球儀を眺めては、かたわらで紙に何かを書いている。
「これはこう。あれはー」
 ぼそぼそと、書いて読んでは独り言。
 ぼそぼそと、繰り返す毎日だ。

 ある日、誰かが持ってきたサクランボの木
の実から妖精が生れた。小人の少女の姿で。
 まだ誰も気づいていない。
 その数日後の夜、おかしな事が起きる。
「ワォーン!」
 家のどこからか犬の遠吠えがする。

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絵本 実験



 犬が走り、人間が剣を天にかざし、描いた円に向かって走り、向かう。犬は頭上の円に飛び込む。

 光の輪に入り、犬は鎧となり、人間の身にまとう。人間はgaroもどきになり、マヤのピラミッドに救う大蛇と戦う。
ピラミッドが大蛇の巣窟だ。その中に秘宝はあろうか?

ある夏の一日

ある夏の一日

knbラジオ「しげちゃんのお話ラジオ」の募集に出して採用された作品。

ある夏の一日

 夏。蝉が鳴き、日差しが強い。焦げそうだ。
「あつい。涼しくない!」
 トカゲは夏バテ中。姿は小さい二本足の恐竜はぼやいている。
 そんな時、空に何かを見つけた。
「アー! 魚が空に浮いている!」
 幻か? 空に空の生き物が飛んでいる。
「わぁー! のってみたいな」
 トカゲは丘の上に走ってゆく。さっきまでの夏

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首だけ

首だけ

新美南吉賞に出した作品。

ある所に昔、「首だけ」という者がいた。
彼は人間でない。球根が根を土にからませて体を作る植物人間である。
「体ができた。やっと土の中から出られる」
 土の体。それが作られる時、彼は植物となり、頭の球根の先から無数の蛇のツルを出し、虫や動物を食べている。
 元々、村の農作物につく害虫を食うために作られた。やがて知識を持つ内に体が大きくなり、村の大半の仕事をするようになった

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少女とカップ

少女とカップ

JX日本石油の童話賞に出した作品。

いとこの姪を意識して書いた。

少女とカップ

 ある骨董屋。机の上にカップを見ている小さな女の子がいる。
「何しているの?」
 店主が奥からやってきた。
「おじさん、これおもしろいね!」
女の子がカップに指を指す。
「どうおもしろいの?」
「それがね、それがね、混じり合っているの」
 のぞくと、青と赤のビー玉が水と火となり、反発している。
「ビー玉入れたのか

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太陽とトカゲ

太陽とトカゲ

JX日本石油童話賞に出した作品。

   トカゲと太陽

ある日、太陽から何か落ちてきた。場所はキャベツ畑。次の日、農夫が調べにやってきた。
「おかしいな。ここに落ちたのだが」
 探してみると、キャベツに変な生き物がいて、驚いた。
「見たことないのがいる!」
 中に恐竜によく似たトカゲが眠っている。大きさは小鳥くらいだ。
「ピキー、ピキー!」
 目覚めると、鳴きだす。トカゲは農夫にまとわりつく。農

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高雄の夜の思い出

高雄の夜の思い出

JX日本石油の童話賞に出した作品。

台湾での思い出を元にした。

高雄の夜の思い出

 青年が一人、夜のネオン街を歩く。
 ここは台湾の大きな町。屋台が並び、人々が行きかう。
「にぎやかだ」
 歩くと、いつのまにか寺にたどり着いつく。
「変な寺だ」
 柱は赤く、明るい看板がある。
 入ると、奥の祭壇は荘厳で金メッキに彩られている。
「×××、○○○?」
 寺の人が話かけてきた。
「ああ、ええと、

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人の皮をかぶった猫

人の皮をかぶった猫

人の皮をかぶった猫

「いらっしゃいませ!」
「○○さん、御指名です」
何か騒がしい。ここは鯖江のソープランド。
待合室に男が一人待っている。
背は小さく、どこかぎこちない。
「お客さん、準備できました」
受付の人が声をかけにきた。
男は部屋に案内される。
「初めて?」
 入ると、女が話しかけてくる。
 歳は二十くらい。キラキラしたドレスをまとっている。
「ああ、初めて」
「そう。ソファーに座って

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