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歴史考察

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歴史について考察した記事をまとめています。
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#世界史

テストに出ない、出しづらい歴史 ~評価の是非~

テストに出ない、出しづらい歴史 ~評価の是非~

歴史を「評価」することについて書きます。

私は先日、歴史を四つに分けて
仮定して記事を書きました。

このうち、いわゆる「学校教育」で
中心に学ぶのは、下の二つ。
ナショナル・ヒストリーは
日本で言えば日本史です。
グルーバル・ヒストリーは
一国の枠に留まらない歴史で世界史。

…ただし「個人史」や「集団史」を
全く扱わないか、というとそうでもない。

例えば、学ぶ人本人、自分自身のことを、

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歴史の描き方、生まれ方 ~世界史の誕生~

歴史の描き方、生まれ方 ~世界史の誕生~

個人、集団、一国、世界の歴史とは?

この四つを仮定してみます。

パーソナル・ヒストリーは、
ある一個人の歴史。
自分のヒストリーならマイ・ヒストリー。
「個人史」「自分史」になります。

これが集団ならワンチーム・ヒストリー。
「ある集団」のヒストリー。
家族、会社、学校、市町村、コミュニティ…。
個人ではなくなっていきます。

さらに広げると「国」単位。
日本で言えば「日本史」ですね!
ナシ

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ニーダム・クエスチョンからの問いかけ

ニーダム・クエスチョンからの問いかけ

「漢字のバリアー」という言語障壁は、
日本だけで過ごしていては
分かりにくい感覚があります。

日本の小学校では、約千字を習う。
常用漢字まで入れると、約二千字。
これに加えて、ひらがな、カタカナ、
ローマ字、さらに英語などを身につけます。

ひるがえって、他の言語は?
「文字数自体」はさほど多くありません。
もちろん単語の綴りや文法の複雑さは
ありますけれども、文字の数は少ない。

漢字圏だけが

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銀の世界史

銀の世界史

「銀」は世界を支え、動かしてきました。

何と言っても「貨幣」として
古来から使われてきましたよね。
利用をされ始めた頃には、
金より銀のほうが価値が高かった、
とも言われています。
銀は自然銀としてそのまま
産出されることがまれであり、
より貴重な珍しい金属だった。

しかしだんだん銀鉱石からの産出量が
増えていって、金に第一位の座を
譲ることになりましたが、
それでも各文明では
「貴重なもの」

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50年ごとの世界史 ~近世から現代~

50年ごとの世界史 ~近世から現代~

本記事では50年ごとに「世界史」を
かいつまんで書いてみたい、と思います。
1600年「関ヶ原の戦い」の年から。

※それ以前の世界の各地域の歴史の記事は、
本記事の下部のリンクからぜひ!

では、早速。

◆1600年頃:欧州は戦国時代

ユーラシア大陸の「陸上」においては、
オスマン、サファヴィー、ムガル、
明・清など、巨大な帝国が繁栄していました。
西欧諸国は「海上から」
強い帝国の手が届き

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1924年(大正13年)の日本と世界

1924年(大正13年)の日本と世界

本記事では、百年前を振り返ってみます!

日本では「甲子」の年に当たりました。
「甲・乙・丙…」の十干と、
「ね・うし・とら」などの十二支、
これを組み合わせて、六十通り!

「甲」は十干の最初で、
「子」も十二子の最初。
六十年に一回やってくる
縁起の良い年でした。

そこで、1924年にできた新球場に
この「甲子」の名が当てられます。
ご存知『阪神甲子園球場』です。

日本の政治においては、

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マルグリット・ドートリッシュのキャリア

マルグリット・ドートリッシュのキャリア

あまり知名度はありませんが
世界史にとんでもなく大きな影響を
及ぼした人物がいます。

マルグリット・ドートリッシュ!

1480年〜1530年に活躍した女性。
ちょうど50年ほどの人生、
かなりの波瀾万丈なキャリアでした。

ブリュッセルで生まれました。
今で言えばベルギーの首都。
ネーデルラントと呼ばれる地域。
北はオランダ、南はベルギー、
あのあたりです。

父親はマクシミリアン1世!
神聖

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ヴェルサイユの太陽

ヴェルサイユの太陽

フランスで有名な国王、ルイ14世!
人呼んで「太陽王」!

フランス絶対王政の権化。
「朕は国家なり」という
言葉でも知られています。

『ヴェルサイユ宮殿』を作った男。
1638年に生まれて、
1715年に亡くなった。
日本で言えば、江戸時代ど真ん中。
江戸幕府の5代将軍、
『生類憐みの令』の「徳川綱吉」と
同じ頃の人(1646〜1709年)。

わずか四歳の時に国王に即位。
在位は何と「72年

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500年のトリミング ~四つの世界史~

500年のトリミング ~四つの世界史~

歴史は「ようかん」に似ています。

切り分けられるんですね、自在に。
例えば「戦後史」というように
1945年という境目で切り分けて、
どんな展開があったのか語っていく。

…しかし当然ながら、
日本で「戦後」と言えば「1945年以降」。
しかし第二次世界大戦に未参戦の国は、
1945年以降は「戦後ではない」。

このように、歴史を「物語る」人と、
その歴史を思い浮かべる「受け手」とでは
認識が異

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1000年の名医 ~イブン・シーナー~

1000年の名医 ~イブン・シーナー~

西暦1000年と言えば、日本では平安時代。

日本では「藤原道長」が活躍した頃です。
「トオイ ムかしの 道長摂政」の
ゴロ合わせで覚えたりしますが、
1016年に道長は摂政となり
「摂関政治」の最盛期を築いていく…。

その頃、世界では
何が起こっていたかと言いますと。

中国では「宋」という国が
北の遼という国に攻められて
和睦をしています。
お金を払って、安全保障を買う。
それだけの経済力が

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五つに分けた世界史、そして個人史

五つに分けた世界史、そして個人史

「世界史」と聞くと、あまりに範囲が広くて、
「どこから取り掛かればいいかわからない!」
と思われる、かもしれません。

「日本史」であれば「日本」の歴史です。
少なくとも「場所」は限定的。しかし
世界史は「世界」の全部が対象! うわあ。

「東洋、西洋、それ以外」という
古式ゆかしき分類だけでなく、
あらゆる地域区分が無限に考えられる。
かつ、時代区分も「それぞれの地域別」に
ユニークな歴史がある

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スエズ動乱と「現在の世界史」への実用

スエズ動乱と「現在の世界史」への実用

「世界史」を学ぶと大まかな世界の動きが
わかってきますよね。

15~6世紀からの「大航海時代」と
ポルトガル、スペインの拡大と支配。
17世紀は「オランダの時代」。
各国の世界各地での植民地争奪戦争を経て、
19世紀には「大英帝国の繁栄」へ。

しかし20世紀に入ると「世界大戦」が起き、
ヨーロッパ諸国が植民地や勢力を
失っていくのと引き換えに、

アメリカ合衆国とソ連の勢力が拡大、
いわゆる「

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草原の覇者の後継者たち

草原の覇者の後継者たち

モンゴルの英雄、チンギス・カン!

チンギス・ハン、ジンギス・カン、とも。
北海道で特に有名な羊肉料理を食べながら、
この草原の覇者について
思い出す人もいるのではないでしょうか?

「源義経」が、源頼朝の追手を逃れ大陸に渡って
チンギス・カンになったという珍説もあるほど。
そう考えると「元寇」も、
「鎌倉幕府」に仕返しするための
何代にもわたった陰謀…?と
妄想をしたくなるところですが、

本記

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スパイス、コットン、世界帝国の覇権争い

スパイス、コットン、世界帝国の覇権争い

日本が江戸時代の頃、実は世界は覇権争い中。

…江戸時代と言えば、
「オランダと中国だけと貿易をしていた」
など、いわゆる『鎖国』のイメージが強い。

そのため、当時の世界の
「世界各国のビジネスはどうだったのか?」
という部分が抜け落ちがち、なんですね。

でも、考えてみれば。

…なんか登場する国が変わってません?
ポルトガル・スペイン・オランダは?

本記事では、この頃の
「世界の覇権争い」

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