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また読み返したいもの

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記事一覧

LOCALBOOSTERローンチにあたって-地域から価値をつくる-

LOCALBOOSTERローンチにあたって-地域から価値をつくる-

こんにちは。
Coelacanth代表の佐藤です。

独立してはじめてのサービスをローンチします。LOCALBOOSTERと言います。これまでの友人・知人はご存知の通り、こういう時の私の文章は長い。しかも、すごく長い。笑

今までは長いんで読まなくていいです、と書いてきました。でも、今回は、できたら最後まで読んでいただきたいです。私の想いと関わってくださった全てのみなさまへの感謝、いろんなものを1

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コスパの悪い病気



大塚先生は京都大学の、きっと偉くて凄い先生だ。

大塚先生のことを知る人から、なんども大塚先生の学術的な凄さを教えられてきたけど、本人がウチすごいどすぇ感をまったくださないし、そもそも学術的な凄さはこちらもサッパリわからない。

「ぼくなんてノーベル賞とれないし」と、すこしホロ酔いの大塚先生がこんな弱音をいったことがある。ぼくが耳にしていたさまざまな弱音のなかで、断トツにいちばん強気の弱音だっ

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やりたいことがなくて、立ち止まってしまう20代の人向けの記事

いろいろな若い人と話す機会があります。そのときに一番多い悩みが

やりたいことが見つからない

です。

で、このあたりの悩みを深ぼって聞いてみて、それを整理して煮詰めてみると、主に2点でして

1. 無駄な努力をしたくない
2. 努力が無限にできるほど夢中になれるものがあると信じてる

じゃないかなーと。

なので、このあたりを紐解いて、行き詰まっているところを取り除くと、「やりたいことを見つけ

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「ご自愛する」という戦い方

「ご自愛する」という戦い方

私はハードワークが好きな若者だった。

大卒で「忙しい」「激務」と言われる業界に入って4年、「生活」らしい生活をないがしろにして最近まで過ごしてきた。

深夜まで働いてタクシーで帰るとき、車窓から見える誰もいない街は嫌いじゃなかったし、仕事仲間と夜更けに飲むビールは美味しかった。

社会に自分のやるべきことがあり、ちゃんと必要とされていて、そこに身を投じる毎日は刺激的だ。文句も愚痴ももちろんあるけ

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生活をサボるな。とインド人に叱られて二年経ってから分かったこと

生活をサボるな。とインド人に叱られて二年経ってから分かったこと

「生活」を真面目にやってみたら、一日八時間も働く余裕がなかった。

という旨をツイートしたら、ものすごい反響があった。

たくさんの人が解釈してくださり、思いもよらない反応も貰ったので、なんでこういうツイートをしたのか、少し噛み砕いて書いてみようと思う。

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大前提として、私は超都会っ子である。親戚も少なく、田舎に触れる機会もほとんどなかった。母が病気を患っていたので小さい頃からコンビニ弁

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大切な人との永別を実感させてくれたのは距離だった

大切な人との永別を実感させてくれたのは距離だった

今年の夏、おばあちゃんが亡くなった。

血の繋がらない父方の祖母。昨年のちょうど今頃書いた「ハイカラおばあちゃんと紅茶」というエッセイに出てくる。

本当にハイカラさんだった。損得考えず思ったことをズバズバ言う性格には時々困らされたけど。

夫と娘に先立たれ、少しずつ弱っていったおばあちゃんは、父母が同居する自宅と病院と介護老人保健施設を行ったり来たりしていた。一人で歩けなくなってからは施設で過ご

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呪いが解ける日

2019年12月6日。いつものように慌ただしく出勤の準備をしながら、その僥倖は突然に訪れた。



その日、NHKの「あさイチ」は作家・川上未映子の特集だった。彼女の著作「夏物語」を軸にトークが組まれていて、そのコーナーの一つとして「母に言われた忘れられない言葉」というテーマのメッセージ募集がなされていた。
番組中盤、いかにもNHKらしいほのぼのとしたいくつかのオカンエピソードがMCの博多華丸

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家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった

家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった

私が住んでいる東京という大都会に、母と弟が来た。
ひろ実と良太が来たとも言う。

母からのリークによると、新幹線の中で、弟は何度も「奈美ちゃんは?奈美ちゃんは?」と、母に聞いていたそうだ。

なるほど、なるほど。
それはそれは猛烈な歓迎を受けるに違いないと、相応の準備をしていたら。

弟に真顔で「よう」と言われた。
ちょっとちょっと。話が違うじゃないか。

弟心は、秋の空ほど移り変わる。

さて、

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奈美にできることはまだあるかい?〜赤べこ姉弟は滋賀に来た〜

奈美にできることはまだあるかい?〜赤べこ姉弟は滋賀に来た〜

どうも、岸田奈美です。
以前書いた、この記事で、赤べこになった姉べこです。

まさか、あんなに多くの人に読んでもらえると、思わなくて。
noteのサポート(投げ銭)まで、いただいてしまって。

なんかもう、ここんとこ岸田家、盆と正月が一緒に来たような大騒ぎ。

実家に帰ったら、父の仏壇にいつも供えられてる、ぼんち株式会社のぼんちあげ(155円)が、播磨屋本店の朝日あげ(500円)になってた。

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弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった

弟が万引きを疑われ、そして母は赤べこになった

高校から帰ったら、母が大騒ぎしていた。
なんだなんだ、一体どうした。

「良太が万引きしたかも」

良太とは、私の3歳下の弟だ。

生まれつき、ダウン症という病気で、知的障害がある。
大人になった今も、良太の知能レベルは2歳児と同じだ。

ヒトの細胞の染色体が一本多いと、ダウン症になるらしい。
一本得してるはずなのに、不思議ね。

「良太が万引き?あるわけないやろ」

ヒヤリハットを、そういう帽子

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津久井やまゆり園について私が聞かれた事、考えた事。

「津久井やまゆり園の事件についてあなたの意見を聞かせて欲しい」

と某全国紙の記者の方からDMがあったのは月曜日の昼頃。

私は

「この平凡と凡庸を煮詰めて溶かして固めた主婦に公器が何を、何を聞くねん?」

そう思い、小心者特有の脊髄反射を駆使し、秒で返信した。

「大変恐縮ですが、私のような市井の主婦が、公器であの大変な事件を語る事など、身の丈に余ります。」

本気で身の丈に余る。

娘と『お

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「俺をバカにしたやつを絶対見返してやる!」と泣いていた息子が、それは時間の無駄だと気づくまで。

「俺をバカにしたやつを絶対見返してやる!」と泣いていた息子が、それは時間の無駄だと気づくまで。

ある日、学校から帰ってきた息子が唇を震わせていた。
小学2年になった息子は学校でのことをあまり家で話したがらないが、その日は様子が違ったので「何かあったの?」と聞いてみた。

「仮面ライダー幼児って言われた。仮面ライダーが好きなのは赤ちゃんか幼稚園児だって。」

マジか、そんな超くだらないこと1ミリも気にしなくていいじゃん、と内心思ったが息子はひどく傷ついていた。

「あなたは仮面ライダーが好きな

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