月岡ツキ(つっきー)

1993年生まれ。ライター・コラムニスト。既婚・DINKs(仮)として子供を持たない選…

月岡ツキ(つっきー)

1993年生まれ。ライター・コラムニスト。既婚・DINKs(仮)として子供を持たない選択についてメディア等で発信しているほか、働き方、移住、2拠点生活についても執筆。仕事実績▶︎https://lit.link/tsukkyiiiiiii

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子供を持たない選択にまつわるあれこれ、夫婦二人での暮らし、地方と東京を行ったり来たりする生活などについて、エッセイを月に3本ほど書きます。 「子供を持つか持たないか悩んでいる」「持たないことにしたけれど同じ考えの人になかなか出会えない」といった方々が交流できるように、掲示板もお役立てください!

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    「産まない」というのは一度決めたらおしまいのことではなくて、何度も何度も考え直して決め直すことの連続だと思う。そういうことを考えるときに、考えていることを記録します。

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    あまり深く考えずに、わーっと書く日記です。基本毎日更新。

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「ご自愛する」という戦い方

私はハードワークが好きな若者だった。 大卒で「忙しい」「激務」と言われる業界に入って4年、「生活」らしい生活をないがしろにして最近まで過ごしてきた。 深夜まで働いてタクシーで帰るとき、車窓から見える誰もいない街は嫌いじゃなかったし、仕事仲間と夜更けに飲むビールは美味しかった。 社会に自分のやるべきことがあり、ちゃんと必要とされていて、そこに身を投じる毎日は刺激的だ。文句も愚痴ももちろんあるけれど、それすら上がり下がりの激しい毎日を演出する要素の一部のように感じていた。

    • 祖父のXデー

      祖父がもう長くないらしい。 といってももう95を超えているので元々老い先長いとは言えない老人なのだが、先日入院と手術をして、どうやら癌であるという。 「おじいちゃんが入院しました」という連絡が来て、最初に思ったのは「やっとか」ということで、次に思ったのが「入院に付き添うお母さんが気苦労で倒れないだろうか」だった。正直、「おじいちゃんが心配」とか、「死んじゃったらどうしよう」とかの感情は全くない。ジジイもようやく年貢の納め時か、というのがシンプルな感想である。 ポッドキャ

      • じゃあ一体誰が皿を洗うのか

        「妻に先立たれると皿洗いも満足にできない昭和の仕事人間親父」みたいな概念があるが、令和のお袋こと現代のワーキングマザー達も皿を洗っている場合ではなく、食洗機を導入して家事の時間を減らし金を稼ぎに出なければならない。 それは女性の社会進出という意味では前向きなことである。が、じゃあ食洗機を買ったり誰かに皿洗いを頼んだりできない家の皿は一体誰が洗うのだろうか。 いうまでもなくここでの「皿洗い」は家事育児といった「ケア労働」の比喩なのだけど、そういう労働はどちらかというと「面倒

        • 「移住婚」はしたけれど

          「東京23区に在住・通勤している女性が結婚を機に移住する場合、60万円を支給するプランを検討している」というニュースが出て、さんざん批判された結果、見直しになったらしい。バカバカしいことにはちゃんと「バカバカしい」と言っていくことの大切さを再認識できたという点で、このバカバカしい「プラン」にも少しは価値があったと思われる。バカバカしい。 ところで私は23区から地方に「移住婚」をした身なのであると今更気がついた。 「移住婚」と聞くとナイナイのお見合い大作戦的な、地方の公民館

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          祖父のXデー

          祖父がもう長くないらしい。 といってももう95を超えているので元々老い先長いとは言えない老人なのだが、先日入院と手術をして、どうやら癌であるという。 「おじいちゃんが入院しました」という連絡が来て、最初に思ったのは「やっとか」ということで、次に思ったのが「入院に付き添うお母さんが気苦労で倒れないだろうか」だった。正直、「おじいちゃんが心配」とか、「死んじゃったらどうしよう」とかの感情は全くない。ジジイもようやく年貢の納め時か、というのがシンプルな感想である。 ポッドキャ

          じゃあ一体誰が皿を洗うのか

          「妻に先立たれると皿洗いも満足にできない昭和の仕事人間親父」みたいな概念があるが、令和のお袋こと現代のワーキングマザー達も皿を洗っている場合ではなく、食洗機を導入して家事の時間を減らし金を稼ぎに出なければならない。 それは女性の社会進出という意味では前向きなことである。が、じゃあ食洗機を買ったり誰かに皿洗いを頼んだりできない家の皿は一体誰が洗うのだろうか。 いうまでもなくここでの「皿洗い」は家事育児といった「ケア労働」の比喩なのだけど、そういう労働はどちらかというと「面倒

          じゃあ一体誰が皿を洗うのか

          「移住婚」はしたけれど

          「東京23区に在住・通勤している女性が結婚を機に移住する場合、60万円を支給するプランを検討している」というニュースが出て、さんざん批判された結果、見直しになったらしい。バカバカしいことにはちゃんと「バカバカしい」と言っていくことの大切さを再認識できたという点で、このバカバカしい「プラン」にも少しは価値があったと思われる。バカバカしい。 ところで私は23区から地方に「移住婚」をした身なのであると今更気がついた。 「移住婚」と聞くとナイナイのお見合い大作戦的な、地方の公民館

          「移住婚」はしたけれど

          ホームビデオに映っていたもの

          またお盆の帰省の話。 実家というのはちょっと気合いを入れて帰ったはいいもののすぐにやることが尽きる場所であり、かといって落ち着いて本が読めるわけでもなく(「家族」のペースで動く空間なので「個人」のアクティビティには勤しみにくいのだ)、暇を持て余した私と妹は物置から昔のホームビデオを引っ張り出してきた。 なつかしのハンディカムで撮影されたテープたちは物置の引き出しいっぱいに入っていた。「平成8年 ◯◯小2運動会/△△年少ピアノ発表会」「平成10年 糸魚川家族旅行」などと手書

          ホームビデオに映っていたもの

          「傷つけられた」と思うとき、その前からすでに傷ついている

          「子どもあんまり欲しくない」みたいな話をするとき、自分と違う考え方の人が聞いたらなんか傷つけそうで嫌だなと思うことがあり、結構言葉に気を遣う。 私のスタンスを説明するぶんには、他の人を傷つけることには基本ならないと思うのだが、昨今は「特定の誰かに向けては言っていないこと」でも自分に向かって言われている気になってしまう人がいて、傷ついてしまい、なんで私を傷つけるのか!と怒られる、みたいな事象が少なからず、ある。 そういうとき、たぶん怒りはもともとその人の中にあり、ちょうどよく

          「傷つけられた」と思うとき、その前からすでに傷ついている

          盆に来るおばさん

          帰省というのは否応なしに「伝統的家族観」に想いを馳せてしまうイベントであり、とくに盆の帰省は一族が集まって墓参りなど様々な「先祖を想う儀式」が行われるので、「自分は自分で自由に生きていきます!」といった普段の独立独歩な自分を一旦脇に置かされがちである。 お前もなんだかんだいうても「血族」の一員であり、連綿と続く大いなる「家族」の一部であり、続いてきた「命のバトン」ってやつを次代に繋ぐことが結局人間のつとめなのである、と。そういう”なんかでっけえ波”にひとたび入ってしまうと、

          盆に来るおばさん

        記事

          ホームビデオに映っていたもの

          またお盆の帰省の話。 実家というのはちょっと気合いを入れて帰ったはいいもののすぐにやることが尽きる場所であり、かといって落ち着いて本が読めるわけでもなく(「家族」のペースで動く空間なので「個人」のアクティビティには勤しみにくいのだ)、暇を持て余した私と妹は物置から昔のホームビデオを引っ張り出してきた。 なつかしのハンディカムで撮影されたテープたちは物置の引き出しいっぱいに入っていた。「平成8年 ◯◯小2運動会/△△年少ピアノ発表会」「平成10年 糸魚川家族旅行」などと手書

          ホームビデオに映っていたもの

          「傷つけられた」と思うとき、その前からすでに傷ついている

          「子どもあんまり欲しくない」みたいな話をするとき、自分と違う考え方の人が聞いたらなんか傷つけそうで嫌だなと思うことがあり、結構言葉に気を遣う。 私のスタンスを説明するぶんには、他の人を傷つけることには基本ならないと思うのだが、昨今は「特定の誰かに向けては言っていないこと」でも自分に向かって言われている気になってしまう人がいて、傷ついてしまい、なんで私を傷つけるのか!と怒られる、みたいな事象が少なからず、ある。 そういうとき、たぶん怒りはもともとその人の中にあり、ちょうどよく

          「傷つけられた」と思うとき、その前からすでに傷ついている

          盆に来るおばさん

          帰省というのは否応なしに「伝統的家族観」に想いを馳せてしまうイベントであり、とくに盆の帰省は一族が集まって墓参りなど様々な「先祖を想う儀式」が行われるので、「自分は自分で自由に生きていきます!」といった普段の独立独歩な自分を一旦脇に置かされがちである。 お前もなんだかんだいうても「血族」の一員であり、連綿と続く大いなる「家族」の一部であり、続いてきた「命のバトン」ってやつを次代に繋ぐことが結局人間のつとめなのである、と。そういう”なんかでっけえ波”にひとたび入ってしまうと、

          盆に来るおばさん

          「子供は社会で育てるもの」と言われても

          「本来、子供は社会で育てるもの」という言葉をたまに耳にする。 核家族化が進んだ現代の都市部では子供を両親だけで育てるのがスタンダードとなっているが、義父母や父母の力を借りず、またベビーシッター的な外部リソースを使う余力もない人たちにとってはなかなかハードすぎると聞く。 「大人二人だけで子育てする」なんてことはそもそも無理ゲーであり、昔は近所の人たちや親戚などみんなで子供を見守っていたんだから、そういうふうに「社会」がもっと子育てに関わったほうがいい、みたいな意味で言われて

          「子供は社会で育てるもの」と言われても

          子なしは子持ちに遠慮するべきか

          だいたいにおいて、子供がいる人に遠慮の気持ちを持って生活しているような気がする。 子供がいる人の方が私よりも大変。 子供がいる人の方が私よりも忙しい。 子供がいる人の子育ての用事の方が私の用事よりも優先されるべき。 道を譲るのは子供がいない私の方であるべきだし、子供がいる人のドタキャンにはムカついたりせずに、かといって気にさせすぎないような気遣いの一言を添えるべきだし、税金やその他の制度についても子供がいる人は「将来の納税者」を育てているのだから、子供がいない人はちょっと多

          子なしは子持ちに遠慮するべきか

          悪口の美学

          子供の頃から悪口ばかり言っている。 どうしてそうなったのかはわからないけれど、たぶん4月生まれで家族が多く、本をたくさん読んだために言語野がほかの子供よりも早く発達し、覚えた様々な言葉を試しに使ってみるのにちょうどよかったのが悪口だったのではないかと思う。どちらかといえば表現したい喜びや楽しみよりも憤りや不満のほうが多い幼少期だった。 母は、女なのに口が悪い私に対してずっと辟易していて、「口が曲がるよ」とか「ブスになるよ」とか言って脅かしてきたけれど、「そんなわけねえだろ

          母性は存在しない(らしい)

          です。 編集者の方が教えてくれた、ミルクのアイクレオのコラムに書いてありました。 「母性」というものに科学的根拠はなく、育児に関わって経験を積んでいくなかで性差なく「親性」が備わっていくものらしい。 これを読んで、ちょっと安心した自分がいました。

          母性は存在しない(らしい)

          「子供が欲しい」がわからない理由

          昔「リア充爆発しろ」みたいなのあったじゃないですか。 あれ、本当にわかんなかったんですよね。いや、ノリで「リア充爆発しろ」って言ってたことは全然あったけど、全く本心ではありませんでした。 別に私が絶えず彼氏がいたとかでは全然なかったんですが、「カップルが羨ましい」というのが本当にわからなかった。 だって、街ゆくカップルを見かけたとしても、その誰だか知らない彼氏のことを私が好きなわけではないから、羨ましいとは思わなかったんです。 その彼氏が私の好きな人とかだったら話は別ですが

          「子供が欲しい」がわからない理由

          祖母の歌集

          死んだ父方の祖母と私は似ている、とよく言われる。 部屋をすぐに散らかすところ、柄物の服が好きなところ、4月生まれなところ、旅行が好きなところ、家事が大雑把なところ、それでいて頭の回転は早いところ、そして、誰に頼まれるでもなく物書きをしているところ。 祖母は農業と子育ての合間に短歌を詠むことが趣味で、私が生まれるずっと前から野菜を作り、果物を作り、歌を作っていた。新聞の歌壇に投稿したり、歌会の仲間と集まって詠んだり、自費出版で歌集を編んだりもしていた。いまで言うZINEであ

          婚姻届と葉酸サプリ

          先日X(嫌々そう呼んでいる)で「婚姻届出しに行ったら葉酸サプリ渡されるの嫌じゃないですか?」っていう投稿をしたら、無駄にバズってしまいました。 最初は「うわ、これは嫌だわ」みたいな感じのリアクションが多かったんですが、だんだん「葉酸は子供を産まない人も飲んだ方がいい」「ありがたくもらっとけ」「こういう奴が求める“配慮”を気にしているから少子化が進む」「行政が結婚した人に子供を産んでほしいと考えるのは当然」みたいなコメントや引用が増えて、き、きめえ〜〜となったのでした。

          婚姻届と葉酸サプリ

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          マガジンもメルマガも誰にも見せない紙の日記も、何も続いた試しがない終わっている人間なのですが、メンバーシップを始めてみようと思います。いけんのか。 最近、子供を持たない選択に関してまとまったものを書いていたり(そのうち告知をします…)、子供を持たない選択をした人たちに話を聞いて回ったり(そのうち告知をします②…)、ポッドキャスト「となりの芝生はソーブルー」という番組で、子育て中の同僚と一緒に子なしの選択についてもよく話していたりと、自分の考えをまとめて言葉にする機会が増えて

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          月岡ツキ(つっきー)と申します。ライター・コラムニストとして活動しています。お仕事依頼をご検討の方はこちらのプロフィールをご確認ください! プロフィール 【詳しい仕事実績はこちらからご確認ください】 【現在募集中のお仕事】 エッセイ執筆・書籍執筆・インタビュー執筆・各種メディア出演など。 基本的に東京・長野にいますがそれ以外の場所でもお仕事を受け付けています。 お仕事依頼はメールまでお気軽にどうぞ! 📧tsukkyinfo@gmail.com 【キーワード】 DI

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