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産まないことについて

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「産まない」というのは一度決めたらおしまいのことではなくて、何度も何度も考え直して決め直すことの連続だと思う。そういうことを考えるときに、考えていることを記録します。
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産む産まない以前に、そもそも「他人の人生を勝手に始めていいのか?」と思ってしまう

産む産まない以前に、そもそも「他人の人生を勝手に始めていいのか?」と思ってしまう

このあいだ、「子供を産まない理由」を列挙してみたら40近くあった。

私はどっちかというと子供は好きだし、子供を望めなくなるような大きな疾患などは幸い無いし(とはいえいざ挑んでみたら全く望み薄という可能性もあるけど)、夫婦共に働いていて、めちゃくちゃに余裕があって楽勝というわけではないが「どう頑張っても絶対に無理」という経済状況でもない。

それでも子供を産み育てることにめちゃくちゃ二の足を踏んで

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子連れ親子に優しくできなかった日

子連れ親子に優しくできなかった日

仕事で都内に行って新幹線帰るときのこと。

世間は夏休み期間なのもあって車内は混んでいて、家族連れとおぼしき人たちばかり。

おばあちゃんの家や海や遊園地に行くのか、もしくはその帰りなのか、普段の出張サラリーマンだらけの静かに黙って目的地まで運ばれるための車両とは違う、非日常に向かう揮発したエネルギーと興奮疲れの空気が充満している。

私は自由席に座っていた。交通費は自費のフリーランス仕事だったの

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産む気もないのに生理かよ

産む気もないのに生理かよ

最近、生理が終わるたびに一段老けていく気がする。

もともとは生理痛が重かったりPMSもあったりして、もろもろの不具合をなんとかするために低用量ピルを長いこと飲んでいたのだけど、最近はやめてしまっている。

やめた理由はシンプルにちゃんと飲むのがめんどくさい(本当にキッカリ毎日同じ時間に飲まないと、不正出血がチョロチョロ出続けるはめになってそれはそれでめんどくさいのだ)からなのと、低用量ピルによっ

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隣の芝生をのぞくな、上がり込んで茶をしばき合おう

隣の芝生をのぞくな、上がり込んで茶をしばき合おう

30代に入り、女友達たちとの会話にいよいよ気を遣うようになってきた。

仕事に邁進するか否か、
結婚するか否か、
子供を持つか否か、

それぞれ2×2×2で大ざっぱに8通りある選択肢のなかで、それぞれ道が分岐してくる年代。

誰かの選択は自分が選ばなかった、もしくは選べなかった、はたまた選ぶか否か決めかねている選択なので、自分と違う道を選んだ女の話を聞くのは複雑な気持ちになる。黒い感情が湧くことも

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「産まない女」は「進化しないポケモン」だと思っていた

「産まない女」は「進化しないポケモン」だと思っていた

子供を産むことが「選択すること」で、
子供を産まないことは「選択しないこと」だと思っていたけど、いざ自分が結婚して出産適齢期になると「子供を産まないこと」は「子供を産まないという選択をし続けること」だと気づく。

しかし世の中はまだまだ「子供を産まない夫婦」を「やるべきことをしていない人たち」とみなすことが多いので、その「選択の連続」は透明化される。産むことも産まないことも、どちらも悩んだ末の「選

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私は子育てによる「家庭でのたかみな化」を恐れている

私は子育てによる「家庭でのたかみな化」を恐れている

たかみなといえばAKB初代総監督の高橋みなみのことである。

総監督とは、大所帯のグループをとりまとめる存在で、メンバーたちのケアをしたり、意見を代表したりする役職のこと。

たかみなはしっかり者で、メンタルが強くて、なにごとにも動じなくて、愛情と責任感がある人というイメージだ。

そんなたかみなが、昔インタビューかなにかでこんなことを言っていた。

「総監督という役割をやっていると、可愛いところ

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「産んだほうがいいのかな」の波が押し寄せるとき

「産んだほうがいいのかな」の波が押し寄せるとき

「子どもを産んだほうがいいのかもしれない」という気持ちはときどき波のようにやってきて、そうなるともうそれしか考えられない、考えるべきじゃないみたいな勢いなので自分でもどうしていいか困ってしまう。浜辺に立って海を見ていたと思ったら、ざざ〜〜っと潮が満ちて気づいたら膝まで浸かってた、みたいな緊迫感と、え、どうしようやばい急いでなんとかしないと、という焦りが静かに素早く押し寄せる。

それはなんでもない

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