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「子供は社会で育てるもの」と言われても

「本来、子供は社会で育てるもの」という言葉をたまに耳にする。

核家族化が進んだ現代の都市部では子供を両親だけで育てるのがスタンダードとなっているが、義父母や父母の力を借りず、またベビーシッター的な外部リソースを使う余力もない人たちにとってはなかなかハードすぎると聞く。

「大人二人だけで子育てする」なんてことはそもそも無理ゲーであり、昔は近所の人たちや親戚などみんなで子供を見守っていたんだから、そういうふうに「社会」がもっと子育てに関わったほうがいい、みたいな意味で言われているのが「子供は社会のみんなで育てよう」という言説である。

わかる。たぶんそのほうが良い。が、「社会」の一員としては、他人の子供にどう接したらいいのか、全くわからない。

以前、スーパー銭湯的な温泉施設に行って湯に浸かっていたとき。その日はゆず風呂の日で大浴場には大量のゆずが浮かんでいたのだが、きょうだいらしき男女の子ども(どちらも女湯にいたので未就学児だろう)が風呂内の全てのゆずを集めて浴槽の縁に並べたり、ゆずを風呂に投げ落としたりして遊んでいた。
私は近くにいたのでゆずが投げ落とされた拍子に顔に湯がかかったりしてわりと迷惑だったし、ゆず風呂のゆずが全て湯から出ていて子どもにいじり回されているのは、まあ正直どうなんだろうという光景である。親は洗い場にでもいるのか、見当たらない。

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子供を持たない選択にまつわるあれこれ、夫婦二人での暮らし、地方と東京を行ったり来たりする生活などにつ…

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