じゃあ一体誰が皿を洗うのか
「妻に先立たれると皿洗いも満足にできない昭和の仕事人間親父」みたいな概念があるが、令和のお袋こと現代のワーキングマザー達も皿を洗っている場合ではなく、食洗機を導入して家事の時間を減らし金を稼ぎに出なければならない。
それは女性の社会進出という意味では前向きなことである。が、じゃあ食洗機を買ったり誰かに皿洗いを頼んだりできない家の皿は一体誰が洗うのだろうか。
いうまでもなくここでの「皿洗い」は家事育児といった「ケア労働」の比喩なのだけど、そういう労働はどちらかというと「面倒で手間がかかって人から評価されないもの」だとみなされている。
ワーキングマザー向け雑誌のVERYなどでは「家事代行サービスを使うことに罪悪感を抱く必要はない」「外注できるものは積極的にアウトソースして自分の時間を確保しよう」という言葉がよく見られてきたし、実際そうやって暮らしをなんとか回している人もたくさんいる。
かくいう私も、ワーキングマザーではないが家事代行に来てもらって風呂掃除をお願いしたことがある。社畜すぎて風呂掃除すらままならなかった頃の話だ。独身女性のワンルームの小さい風呂を他人に磨いてもらっているとき、風呂がピカピカになって嬉しい気持ちな反面、なんだか座りが悪い気にもなったことを覚えている。
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