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シングルパパ起業家はがんばらない

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三姉妹のシングルパパ。株式会社トーフラボ代表。心の健康とつきあいながら、がんばらないで自由に生きていく。
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#コラム

家事をすること、し続けること

家事をすること、し続けること

日記を書くだとか、筋トレをするだとか。思いつきで行動する人間なので、勢いで行動したりする。でもその行為を習慣的に続けるとなると、なかなか難しい。日記や筋トレは続かなくても日常生活に支障はないのだけど、これが家事となるとそうもいかない。

実家から離れてひとりで子育てをしながら、仕事も家事もやっていると少しずつ疲れが溜まってくる。そこで料理をさぼってスーパーのお惣菜を買ってきたり、掃除をあきらめて散

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成功したのは成功したから、生存バイアスについて

成功したのは成功したから、生存バイアスについて

書店のビジネス書コーナーには成功者の本が大量に並んでいる。そもそも何をもって成功とするのかという議論はあるのだけど。成功者はこういう風に考えてこういう風に行動したのだという軌跡をなぞることができる。以前はこういった本を好んでい読んでいた。しかし、ある時期からは書棚に近寄ることもなくなった。

生存バイアス(生存者バイアス)というものがある。ある方法で成功した人がいたとする。その裏では同じ方法で成功

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世界平和、そのための心がけについて

世界平和、そのための心がけについて

街を歩いていて落ちているゴミを拾うことがある。と言っても、見て見ぬ振りをすることがほとんどなのだけど。まったく拾わない人も多いと思うので、まあ多少は環境美化に貢献していると言えなくはない。地球をきれいにしようというわけではなく、目に見える範囲がきれいであればいいなと思っている。

世界平和。唐突に出てくると唐突極まりないワードだ。それでも僕はこの言葉を20代のころから口にしている。とある就職面接で

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写真と文章、前向きな逃避について

僕の写真と文章は切り離されている。世の中には両者を組み合わせてた作品がたくさんあるけれど、僕の場合は写真と文章で明確にアプローチの仕方が違っていて、それが一緒になることはない。今のところは。写真だけを撮る時期もあれば、文章だけを書く時期もあり、それは明確に区別されている。けれども、どちらにも共通の目的がある。それは、逃避。この世界は生きているだけでしんどい。子どもたちを置いて逃げ出すこともできない

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子育ての不都合な真実、認知的不協和

なんのために子育てをしているのだろう?ふと疑問に思うことがあるのだけど、こういった疑問は口に出してはいけないような暗黙の圧力を感じる。僕は実際のところ、なぜ子育てをしているのか説明することができない。天気のよい休日。公園で遊んでいる夫婦と幼い子ども。しあわせそうに見えるのだけど、本当にそうだろうかと疑ってしまう自分がいる。家に帰れば、いやいや期の子どもにヒステリックな母親、見て見ぬふりをする父親。

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シングルパパ起業家はがんばらない

シングルパパ起業家はがんばらない

三姉妹のシングルファーザー。大変ですねと言われるけれど、そんなに大変なのだろうか。

朝。まだ眠たい。戦略的二度寝。次に目が覚めると子どもたちはすでに学校に行っている。毎朝お弁当をつくっていたシングルファーザー1年目のころがなつかしい。

晴れ。天気がいいからオフィスまで出かけようか。通勤バスには乗りたくない。リュックを背負って歩く。気持ちがいい。完全リモート制の会社。オフィスに着いてもメンバーは

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完全リモートワークの会社を2年間やってみて

目を覚ますと雨がふっている。21世紀だというのに、あいかわらず歩くと靴の中が濡れてしまう。出かけたくない。自宅の机で仕事をする。しばらくすると雨は止み、お昼には青空が広がる。ランチを食べるついでにオフィスに行って仕事をすることにする。今日は近いほうのオフィスで。歩いていると通りすぎるバスにたくさんの人が乗っている。朝の雨の時間帯だったら湿度の高い空間にギュウギュウに詰め込まれて運ばれていただろう。

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意識して口に出さないようにしている言葉たち

部屋ば片付けなっせ。外では標準語を話しているつもり(イントネーションはおかしい)のだけど、子どもたちと話すときには熊本弁を使う頻度が上がる。とくに子どもたちになにかをしてもらおうとするときには、「~しなさい」の熊本弁である「~しなっせ」を使うことが多い。ニュートラルなテンションで口にすると、すごくやわらかい印象になると思う。僕は誰に対しても命令形を使うことができない。子どもや部下や後輩など一般的に

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喉元過ぎれば育児を忘れる、子育てにやさしい社会を

夕方を過ぎたころ子育てママさんからLINEが届く。子どもと一緒に爆睡していたので、今夜は子どもが寝てくれなさそう(泣)という内容だった。それは大変だねと返そうとして、ふと思い出した。そういえば自分たち親子にもそういう時期があったじゃないかと。もう完全に忘れていた。そして、その忘れていたという事実に驚いた。子どもが夕方まで寝ていて夜寝てくれないというのは、シングルファーザーになったここ5年以内の話だ

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ひとり親と児童扶養手当、きびしい現状

8月。ひとり親は役所に出かけていき、現況届というものを提出する。同居している家族構成や昨年分の所得など申告する。条件に合えば児童扶養手当(児童手当とは別物)が支給されるようになる。手当の額は所得が増えるにつれ減っていき、所得が決められた額を超えると支給が停止される。児童扶養手当を受給していると、ひとり親医療証がもらえる。これを病院で提示すると、自治体によって差があるのだけど、親も子もひとり当たりの

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独学高校生はいつもねむい

ねむい。ねむい。万有引力はなぜ僕のまぶたにだけこんなにも強く作用するのだろうか。先生に名前を呼ばれた。気がつくと黒板の文字を書き写すふりをしていたノートにぐるぐると現代アート作品が描かれている。教科書のこの問題の答えは?と先生。ノートをはるか昔までたどって解答する。正解すればおとがめなし。ななめ前のクラスメートがちらりとこちらを見てニヤリと笑うと、机の上の紙切れになにか書いている。クラスで誰がいち

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教育方針は違ってていい、複数の世界

クレイジーな人が好きで、よく特集記事やインタビュー記事を読んだりしている。そうすると彼ら/彼女らの特徴というのが見えてくるのだけど、クレイジーな人というのはどうやら子どものころから世界がひとつではないことに気づいていたようだ。彼ら/彼女らは小学校にいても突き抜けた行動をとっている。環境はどうでもよくて、その環境の中でどうふるまうかが大切だ。わが子も家で自由にやってる分、家と学校のふたつの世界を経験

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スシが食べたい。語られなかった背景

スシが食べたい。語られなかった背景

スシが食べたい。言い続けていれば叶うもので、どれくらい寿司をおごってもらっただろうか。一時期はあらゆるメディアで「スシが食べたい」と表明していた結果、Googleで「寿司 食べたい」と検索するとトップに表示されていた。福岡のITコミュニティ内でも「スシが食べたい人」「スシの人」と認識されるようになった。スシが食べたい欲を突き詰めれば仕事にもつながる。Twitterで「寿司が食べられる話がありますよ

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あるシングルファーザーと料理について

あるシングルファーザーと料理について

家に帰ると「おかえりきょうのごはんなに?」と聞かれる。「おかえり」と「きょうのごはん」の間にひと呼吸の間もない。完全にセットになっているのだ。これが毎日繰り返される。育ち盛りの子どもたち。脳内の80パーセントくらいは食べることで占められていそうだ。激しいときには、晩ごはんを食べ終わった瞬間に「明日の晩ごはんなに?」と聞かれることさえある。僕のほうはというと、毎日午後になると今夜はなにをつくろうかと

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