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モノローグエッセイ

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日々を生きていて体験したことやふと考えたことをモノローグのように残したいエッセイです。
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記事一覧

モノローグエッセイ「お友だちはできましたか?」

モノローグエッセイ「お友だちはできましたか?」

道を歩いていたら、前を歩くパパさんと小さな娘さんの会話が聴こえてきて、パパさんが

「お友だちはできた?」

と小さな娘さんに質問していた。
「お友だちはできた?」なんて、ここ数十年聞かれることもほとんどない質問だったので、妙に粒だって私の耳には入ってきた。同時に、同じ質問をされた時に私は嘘を答えた記憶が蘇ってきた。

中高から都内の女子校に通うことになった私。
中学2年の下校途中に、ばったり小学

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【モノローグエッセイ】母国情緒

【モノローグエッセイ】母国情緒

五七五のリズムが心地よかったり、桃が流れてくる音がどんぶらこっこだと容易く分かるということに、あー日本人だなあと思う。

最近だと、和の色彩に落ち着きを感じるのもあー自分日本人だなと感じた瞬間であった。
ふじねずいろ、すこ。

あと、ウケる(笑)って思ったのは、
「日本はわび・さび・萌えの文化」だというもの。
確かに。

自分を自国の国民だと思う瞬間。
私なら日本人だと思う瞬間。
各出身地にも特有

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【モノローグエッセイ】アゲハ蝶の叔父

【モノローグエッセイ】アゲハ蝶の叔父

訳あって、チェーホフ戯曲「ワーニャ叔父さん」のソーニャの最後の台詞にトライしていた。有名なやつだ。

知らないという方に向けてこういう台詞。

関連動画を参考にしつつ、台詞に向き合う時間を費やす中で、ある日の練習中、私が幼少期の時に亡くなった叔父のことを何故かふと思い出していた。

私の知っている範囲で、
私の叔父は病死していて、生きたくても生きることが出来なかった人だ。
ある日、病室のベッド近く

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【モノローグエッセイ】オーディションキョウソウキョク

【モノローグエッセイ】オーディションキョウソウキョク

稽古場。
A、B、Cがいる。

A:私、受けるのやめようかな

B:え、本気で言ってるの?何で?

A:だって、やっぱ事務所入ってないと勝ち目ないでしょ

B:そんなの関係無いよ、オーディションなんだから

A:それはあんたは所属してて、 (対面審査で)見てもらえるからでしょ、フリーはフリーってだけで舐められるんだよ、それにプリンシパルは客寄せパンダが取ってっちゃうし

C:たしかに…それはあるか

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【モノローグエッセイ】悪口専門店

【モノローグエッセイ】悪口専門店

"悪口は、娯楽となり得るか"

現代。日本。
古びた造りのアパートの4階。その一室。
ドア上部の【インターンホンを押さずに、時間になりましたら中にお入りください。】という文字を見て、三苫はドアを開けて部屋の中に入る。

三苫:こんにちは…

蕪木:いらっしゃい。えーと…お名前は?

三苫:あ、18時に予約の、三苫です。

蕪木:三苫さん、ようこそいらっしゃいました〜、そこ座って

三苫:はい(だが

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【モノローグエッセイ】地べたの50万

【モノローグエッセイ】地べたの50万

私はファッションが好きです。
日頃からちょっとした暇つぶしにウィンドウショッピングをしたりするのが好きです。

欲しいものがあったら、そのアイテムがZOZOTOWNで安く買えるか、それとも楽天で買った方が安いんだとか、手ごろにゲットできる方法を調べたりとかしている。

そんなこともあってか、街を歩いていて、道行く人の服を見ていると、「あ、あのブランドの服だ」っていうのがけっこう分かって、同時に値段

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【モノローグエッセイ】自分を振り返る30の質問

【モノローグエッセイ】自分を振り返る30の質問

☆2024年の私についての記録

5月22日、
誕生日が今年も無事やってきた。

美容院に行く時に鏡前に置かれる雑誌の種類の変遷を感じたり、焼肉でハラミの美味しさが沁みるようになると、あー大人になったなあと感じる。

このモノローグエッセイも3年目。
毎回節目の恒例記事となりつつある、自分を振り返る30の質問を今年も答えてみました。

ちなみに昨年のはこちら。

では、さっそく答えていきます!

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【モノローグエッセイ】悪い子の子守唄

【モノローグエッセイ】悪い子の子守唄

子守唄というものは「良い子」の所有物であり、特権で、「悪い子」には縁などないものだとふと思う。

ねんねんころりよ おころりよ
ぼうやは悪い子だ ねんねしな

なんて、歌はない。

ゆりかごやベッドで眠るのは皆「良い子」たち。

「悪い子」に眠りなど来ない。ゆりかごもベッドもない。
夜こそが彼らの居場所、あるいは逃げ場所なのである。目的もなく夜を過ごす。

「良い子」が一生かかっても分からないよう

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【モノローグエッセイ】懺悔室のモノローグ

【モノローグエッセイ】懺悔室のモノローグ

懺悔室に1人の人間が入っていく。

…神父様、告白に参りました…。私の話を、どうか聴いてください。(少し言い淀むが、意を決して)…昨日のニュースで、こんなものがあったのご存知ですか?20代の女性が自殺したニュース。放送では濁してましたけど、SNSでは職場でのいじめとハラスメントが原因だったって暴露されていて、ネットは炎上していました。ここ最近、そういう理由で自ら命を絶ってしまう方が多いですよね。ニ

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【モノローグエッセイ】1万円分のチョコレート

【モノローグエッセイ】1万円分のチョコレート

2月14日
バレンタインデー

それにあわせていろーんなところでチョコレートの特別販売イベントが行われていた。
私が足を運んだイベントには、たまたまショコラティエ本人がたくさん店頭にいらしていた日で賑わっていた。

市販のチョコレートももちろん美味しいが、
その道のプロが作るチョコレートはどんなものか。

自分への贅沢として、予算1万円で気になるチョコレートをチョイスして購入してみました。

①M

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【モノローグエッセイ】2023年を振り返る10の質問

【モノローグエッセイ】2023年を振り返る10の質問

2023年、大晦日。
「良いお年を〜」って声を通りすがりに耳にすると、一気に年末感が出てくる。

今年の12月はありがたいことに師走らしい師走を過ごしていて、東奔西走なんのその、といった感じであっという間に年末が来た。

神田伯山のラジオを聴きながらこれを今書いている。(伯山先生のラジオ面白いよ、聴いてね)

昨年に直感で選んだ10の質問のワークシートで、また2023年を振り返る。

今年は今年で

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【モノローグエッセイ】ありがたきもの

【モノローグエッセイ】ありがたきもの

ありがたきもの

酷評のない作品
遅れ客がいない舞台
愚痴のない職場
秘密のない関係
裏垢のないアイドル
失業した医者
「全然何もやってないよ~」と言って本当に何もやってない人

【モノローグエッセイ】あてなるもの

【モノローグエッセイ】あてなるもの

あてなるもの

シェイクスピアの文章
オードリーヘップバーンの横顔
バーブラ・ストライサンドのMemory
グレース・ケリーのウェディング
ディタ・フォン・ティース
ガレット・デ・ロワ
白檀のお香
能舞台
月下美人の花
Fさんの本

【モノローグエッセイ】過ぎにし方恋しきもの

【モノローグエッセイ】過ぎにし方恋しきもの

過ぎにし方恋しきもの

ドライフラワー
オーキッドのプール
下書きの言葉たち
過去の自分の記述、筆圧
Le Cafe Retroのオムライス
日の目を見ることなく溜まった台詞と楽譜
去年の夏のコーギー