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モノローグエッセイ

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日々を生きていて体験したことやふと考えたことをモノローグのように残したいエッセイです。
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記事一覧

【モノローグエッセイ】悪い子の子守唄

【モノローグエッセイ】悪い子の子守唄

子守唄というものは「良い子」の所有物であり、特権で、「悪い子」には縁などないものだとふと思う。

ねんねんころりよ おころりよ
ぼうやは悪い子だ ねんねしな

なんて、歌はない。

ゆりかごやベッドで眠るのは皆「良い子」たち。

「悪い子」に眠りなど来ない。ゆりかごもベッドもない。
夜こそが彼らの居場所、あるいは逃げ場所なのである。目的もなく夜を過ごす。

「良い子」が一生かかっても分からないよう

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【モノローグエッセイ】懺悔室のモノローグ

【モノローグエッセイ】懺悔室のモノローグ

懺悔室に1人の人間が入っていく。

…神父様、告白に参りました…。私の話を、どうか聴いてください。(少し言い淀むが、意を決して)…昨日のニュースで、こんなものがあったのご存知ですか?20代の女性が自殺したニュース。放送では濁してましたけど、SNSでは職場でのいじめとハラスメントが原因だったって暴露されていて、ネットは炎上していました。ここ最近、そういう理由で自ら命を絶ってしまう方が多いですよね。ニ

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【モノローグエッセイ】1万円分のチョコレート

【モノローグエッセイ】1万円分のチョコレート

2月14日
バレンタインデー

それにあわせていろーんなところでチョコレートの特別販売イベントが行われていた。
私が足を運んだイベントには、たまたまショコラティエ本人がたくさん店頭にいらしていた日で賑わっていた。

市販のチョコレートももちろん美味しいが、
その道のプロが作るチョコレートはどんなものか。

自分への贅沢として、予算1万円で気になるチョコレートをチョイスして購入してみました。

①M

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【モノローグエッセイ】2023年を振り返る10の質問

【モノローグエッセイ】2023年を振り返る10の質問

2023年、大晦日。
「良いお年を〜」って声を通りすがりに耳にすると、一気に年末感が出てくる。

今年の12月はありがたいことに師走らしい師走を過ごしていて、東奔西走なんのその、といった感じであっという間に年末が来た。

神田伯山のラジオを聴きながらこれを今書いている。(伯山先生のラジオ面白いよ、聴いてね)

昨年に直感で選んだ10の質問のワークシートで、また2023年を振り返る。

今年は今年で

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【モノローグエッセイ】ありがたきもの

【モノローグエッセイ】ありがたきもの

ありがたきもの

酷評のない作品
遅れ客がいない舞台
愚痴のない職場
秘密のない関係
裏垢のないアイドル
失業した医者
「全然何もやってないよ~」と言って本当に何もやってない人

【モノローグエッセイ】あてなるもの

【モノローグエッセイ】あてなるもの

あてなるもの

シェイクスピアの文章
オードリーヘップバーンの横顔
バーブラ・ストライサンドのMemory
グレース・ケリーのウェディング
ディタ・フォン・ティース
ガレット・デ・ロワ
白檀のお香
能舞台
月下美人の花
Fさんの本

【モノローグエッセイ】過ぎにし方恋しきもの

【モノローグエッセイ】過ぎにし方恋しきもの

過ぎにし方恋しきもの

ドライフラワー
オーキッドのプール
下書きの言葉たち
過去の自分の記述、筆圧
Le Cafe Retroのオムライス
日の目を見ることなく溜まった台詞と楽譜
去年の夏のコーギー

【モノローグエッセイ】すさまじきもの

【モノローグエッセイ】すさまじきもの

すさまじきもの

体調絶不調の時に見る雲ひとつない快晴の空
ご期待に添えかねる結果
クチコミと自分の感想が食い違う時
薔薇の花だけを見ていればいいのに、わざわざ棘に触ろうとする人

駅構内で泣きながら「うるせー!黙れー!」と叫ぶ小さな女の子
↑の、ような出来事を現実にしている少女の周りの環境

ポカホンタスII

【モノローグエッセイ】心ときめきするもの

【モノローグエッセイ】心ときめきするもの

心ときめきするもの

胸を打つ素晴らしい舞台
宝石のような美しい文章
巧みな韻踏み
西ドイツのヴィンテージプリズムスター
散歩中の犬
正月の日の出、冬の夜空、金木犀とシナモンの香り

モーニングが美味しいカフェの男性店員さん
の、まくった袖から垣間見える左腕のタトゥー

【モノローグエッセイ】白昼悪夢

【モノローグエッセイ】白昼悪夢

スタバで読書中。
お隣の席の若めなママさんズがおしゃべりをしていた。推しのアイドルの話から旦那の話、そして子どもの話に話題は展開していったのだが、

「反抗期本当に無理…たまにぶん殴りたくなる」
「分かる」
「生理と被った時ヤバい」

と、朝の天気予報のお姉さんみたいな声で話してて、あーこれが白昼悪夢ってやつかもなって虚空を見つめて思った。

そして、私も幼少期ぶん殴るどころか首絞めてやろうかぐら

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【モノローグエッセイ】欲しいものは何?と聴かれたら

【モノローグエッセイ】欲しいものは何?と聴かれたら

欲しいものは常に下品なほど多く心のうちにはあるのに、いざ「欲しいものは何?」と聴かれたら、素直に答え難くなって、「蓬莱山の玉の枝」とか言いたくなる時がある。

申し訳ないという気持ちがあったり、きっとそう聴いてくれる人々が、私の本当に欲しいものは与えてくれないという確信があるのかもしれないし、自分の手で手に入れることが出来なかったのが惨めになるのかもしれない。

こういう時、素直に自分の欲する物事

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【モノローグエッセイ】世阿弥ゆえんの地を巡る。

【モノローグエッセイ】世阿弥ゆえんの地を巡る。

ひょんな事から興味を持ち、
あまりにも感動した世阿弥の「風姿花伝」
歴史は好きだけど、好きな、或いは尊敬する歴史上の人物はあまりいなかったんですが、「風姿花伝」を読んで即、世阿弥になりました。

その速さは今年度、最高風速だったと思います。

今回はそんな世阿弥由縁の地を中心に巡りました。

まず訪れたのは!

◆天河大辨財天社

日本五大辨財天の1つ。天河大辨財天社(天河神社)

辨財天は「水に

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【モノローグエッセイ】愛すべき空白

【モノローグエッセイ】愛すべき空白

最近、空白というものがあった方が良いと思う。

空白があった方が余裕ができる。
空白があった方が楽しみが増える。
空白があった方が何かを取り入れられる。

空白のある人はミステリアスで魅力的だと思う。

そう思ったのは何故かと言うと、
誕生日などがあったこともあり、プレゼントなどを頂く機会が多かった。

私は「これが欲しい」「何を求めている」という話を、インターネット上でも家以外の日常生活の場でも

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【モノローグエッセイ】プールサイド・フレンズ

【モノローグエッセイ】プールサイド・フレンズ

過去の投稿でも話しましたが、私の家族は「旅行好き」の家族である。

幼少期から、夏休みには必ずどこかへ祖父母も連れて旅行に出かけていた。

幼い私が夏の旅行ですることといえば、ひたすら泳ぐ、泳ぐ、泳ぐ。プールで泳いで海で泳いでまたプール、また海…と夕食の時間になるまでずっと泳いでいた。

そんな、陸にいるよりも水中にいる時間の方が多いような夏の旅行の間、私は毎年毎年、プールサイドで何人かの友だちを

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