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雑記

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2023年1月の記事一覧

政治を政策論議の場とするために(思案中)

政治とは一体なんなのか、ということが常に頭に取り憑いてきてしまう。私は政策の話は好きなのだが、それが政治的になったと感じた瞬間にどうも冷めてしまう性質を持っているようだ。とは言っても、一体何が政治的なのか、というのはどうにも定義しがたく、嫌だと思ったらそれを政治的であると表現するよう自分をチューニングしてきたようにも感じる。だとすると、一般的に言って政治とはなんなのだろうか。

政治が社会的意志決

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悪魔の談話にいかに対応すべきか

河野談話の撤回が政治家によってなされないのは、いかに政治家の下半身がその談話によって担保されているかの証拠ではないかと感じる。田中角栄が炭鉱疑獄で政治家に流れた金の白黒についての基準を握って権力を手にし、三木武夫や海部俊樹がロッキード事件やリクルート事件でクリーンイメージ、それは得てしてマスコミ報道によって形成されるものであるが、それを用いて権力の座を獲たことに続き、総理にならずして下半身の基準を

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デリバティブまとめ

サミットでのデリバティブ廃止の提言にもかかわらず、その意味するところもはっきりしていなかったので、いつものごとくWikipediaを参照しながらそれを考えてゆきたい。

デリバティブの目的としては、

逆のポジションを取ることでリスクをヘッジしたり緩和したりすること
特定の条件につながるオプションを作り出すこと
原資産の中で取引できない原資産リスクを把握すること(天候デリバティブなど)
原資産の価

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リーマン・ショック15年の年に

あと8ヶ月で、アメリカの大手投資銀行リーマン・ブラザーズが破産申請を行なったリーマン・ショックから15年を迎える。資本主義をどのように理解し、この先どのように展望するのか、ということについて重要な示唆を与えることになりそうなので、その総括を試みてみたい。

リーマン・ショックの概要

リーマン・ショックとは、大雑把にまとめれば、サブプライムローンと呼ばれる低所得者向け不動産融資を証券化したデリバテ

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嘘と責任転嫁が支える動学的論理の世界

情報が相互に納得に至ることで社会が安定する、ということを見たが、今の世界は、それを不安定化させる競争、駆け引き、意志の押し付けといったことが積極的に進められているだけではなく、嘘と責任転嫁が正当化されるところまで至っていると言える。

動学的論理

これは、動学的論理世界においてはある意味必然性を持っているのだと言える。動学的論理についてまだまとめて書いていなかったが、それは、論理が時系列を追うに

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情報”社会”の基本インフラ

情報は、そもそもが相互作用の結果として意味を生じるものなので、情報が意味を持つということ自体が社会の成せる業であると言える。つまり、個人が情報に何らかの意味を見出したとしても、それが他者に伝わり、そこで意味の伝達がなされて初めてその情報が意味を持つことが認識されるということであり、情報が意味を持つとは、社会における相互作用によって起こることであるということだ。

情報伝達のプロセス

ここで、情報

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社会的医療の時代

感染症が頻発する時代となり、医療が個別の肉体的原因に帰されるものへの対応から、より社会的要因に注意を払うべきものへと変質していると言えるのかも知れない。

新型コロナウイルスと社会的予防策

新型コロナウイルスは、対症療法であるワクチン開発が遅れたためもあり、ソーシャルディスタンスなどの社会的予防策が先行して行われるという、これまでの医療の風景を一変させるような事態を生じさせたと言える。

社会的

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動学的多面性論理

経済学の捉えるホモ・エコノミクス的な人物像は果たして現実的なのだろうか。ここでは、人の論理構造を動学的多面性論理であると規定して、そこから見える世界を描写してみたい。

完全情報の考え方

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社会観察の結果としての自我 ー 資本主義と民主主義の現状

夏目漱石が『草枕』でいうように、「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」という具合に、社会において自我を通すのは難しい。この自我とはいったいどのようにイメージしたら良いのか。

自我のイメージ

「智に働けば角が立つ。」というのは、社会を戦略性、つまり合理的関係性に基づいて渡ることだと考えられるか。知恵を働かせてあちこち取り入るような行動をすれ

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手順のすり合わせ

目的、問題意識、方法論の違いによって、個別論理性に基づいた合理性追求をいかに協力的に達成しうるか、ということをずっと考えている。この中で、目的は将来についての、そして問題意識は現状における、それぞれスポット的な違いが表明されるものであり、それは静学的論理によって違いによる棲み分け、協力が可能となりうる。一方で、方法論はその時々に進行中のものであり、すなわち動学的論理によって成り立っていると言えるの

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思考と相互監視

果たして思考停止はするものなのか、させられるものなのか。

二つの思考タイプ

思考が内面との対話であるのならば、それを止めることはできなさそうだが、環境との相互作用であると考えると、自己と環境との境目をきっちりと定められ、環境に出た瞬間に環境との同化が始まることになり、それゆえに環境からの干渉が生じて思考を妨害されることとなる。

他者からの眼差しによる思考停止

環境の中でも特に思考妨害的なの

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ウイルスと環境と医学

ウイルスというのは、核酸とそれを取り巻くタンパク質からなっており、基本的に自己複製能力を持たず、宿主のその機能を使って増殖するのだという。そのために、生物と呼ぶべきか否かということも議論になっているとのことだが、そうなると、それへの対応は、ウイルス、すなわち外部の環境に対して行うものなのか、それとも内部の人体的機能に対して行うものなのか、すなわち環境問題であるのか、医学的問題であるのか、というテー

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