マガジンのカバー画像

雑記

229
運営しているクリエイター

記事一覧

最適情報圏

経済学には最適通貨圏として、概念的に通貨が流通するのに最も適した範囲があると想定されることがある。それは、とりわけ、ユーロ導入の時に議論となった話であり、通貨というものをどう考えるのかという議論において重要な役割を果たしていると言える。

まずはその最適通貨圏についての議論をWikipediaをベースにして自分なりにまとめてみたい。

言葉にすると何となくそれらしく思えてしまうが、実際のところ経済

もっとみる

強制労働の歴史的理論的背景と自発的労働に基づく発展の可能性

強制労働を問題視せざるを得ない理論的背景はどこにあるのか。それは、憲法において勤労の義務が定められていることに起因しているのではないかと考えられる。労働が義務化されると、理屈としては完全雇用とならなければおかしいことになる。しかしながら、この完全雇用の概念は決して明確に定まっているわけではない。有斐閣の『経済辞典』から完全雇用を引いてみると、

となっており、摩擦的失業と自発的失業を除いた範囲が完

もっとみる

ペンネームおよび実名表記について

ずっとEmiko Romanovのペンネームで書いてきましたが、そのやり方に限界を感じているので、その対応を考えながら現状と今後の方針をまとめてみたいと思います。

まず、このペンネームの意味するところですが、世界史を見てゆくのに、第二次世界大戦をどう評価するのか、ということが私にとって大変重要な意味を持ち、その意味で近衛文麿という人物に注目することにし、さらに日露戦争やロシア革命を含め、ロシアの

もっとみる

ごまめの歯ぎしりレビュー 記者会見12月5日

地方公共団体の調達の手続のデジタル化とのこと。基本的な方向性はまあ賛同できるのだが、考え方に繊細さというか細かな配慮が欠けているように感じる。

自治体ごとに手続きが違うのは、やはりそれぞれの自治体にそれぞれ考え方があるから、という可能性も十分にあるわけで、それを単に統一すれば良いということでもないように感じる。参加資格が不条理に限定されるのはどうかとは思うが、かと言って統一的な手続きになったから

もっとみる

ごまめの歯ぎしりレビュー3 記者会見11月28日

ガバメントクラウドについて2025年末までに要件を満たしたサービスを準備するとのこと。利用者に対してサービスの提供をするとのことだが、その利用者というのが誰なのか、デジタル庁のウェブサイトを見てもよくわからない。自治体が対象であるにしても、都道府県と市区町村では必要要件が全く異なるし、またその規模によって使い勝手も全く違いそう。そのサービスを政府がまとめて提供するということの意義を一体どこに見出す

もっとみる

ごまめの歯ぎしりレビュー2

かなりの後追いレビューとなるが、11月9日から16日にかけての三本。

11月9日

「地域産業活性化ワーキンググループ」の第2回として、地域交通の現状、それから課題につきまして、前回同様のヒアリングを、今回は都市部および観光地の現状や課題について、移動の足、それからそれ以外の課題も含めて、とのこと。
これは明らかにカーシェアリングを意識した内容であろうと思われる。都市部はともかく、地方部ではタク

もっとみる

ごまめの歯ぎしりレビュー

あいかわらずどれだけ振り払おうとしても河野談話が頭の中に繰り返し戻ってきてどうにもならないので、なんの効果があるのかもわからないが、とにかく河野太郎氏のブログのレビューでもすることで、悪霊退散とならないかとおまじないをかけてみる。10月31日のものは、太郎氏に直接メールしたものの再掲、11月7日付のものは新たに書いたもの。怨念的な話ではなく、前向きな政策論争で政治が動いてゆくことを期待したい。その

もっとみる

ダミー構造のでき方

相互協力、相互扶助は、ダミー構造と深い関係にあり、それが主客の認識の問題を発生させ、関係性を非常に難しいものとする。

対話に付随する問題

他者との間で対話を行い、その中で自分の意志を伝えようとすると、まず、その意志が完全に相手に伝わるわけではないという伝達の問題が発生し、ついで伝わった部分について相手が完全に理解するわけではないという理解の問題、さらにはその理解に基づいた解釈が発信者の意志をど

もっとみる

嘘と責任転嫁と、その弊害を悪化させる社会の論理化

どうにも認識が乱れて集中できず、何も手につかない状態になってしまっている。これが何に起因するのか、ということだが、そんな因果を考え続けるところに一番の原因があるのかもしれない。いずれにしても、原因を見極めるのは問題に対する科学的アプローチとしては基本的な出発点にあたることであり、それを避けることはできない。

原因追究の姿勢

そこでまず、原因追求についての姿勢を考えてみたい。まず、原因を他者に求

もっとみる

嘘と責任転嫁、正義の押し付けと示談のビジネスモデルそしてその政治的効果

価値観をめぐるビジネスモデル

資本主義が進むと、すべてが定型化したビジネスモデルに当てはめられるようになる。そして一般化された話になればなるほど上の階層の利益率の高いビジネスモデルとなる。アメリカなどで弁護士の報酬が高い、というのは、そのような価値観をめぐるビジネスモデルの最高峰にあるからだと言えそう。
それはともかく、一般化された価値観で、金になりやすいゴシップ的なものといえば、やはり悪徳であ

もっとみる

文脈最適化原理

効用極大化の限界

現在の経済学が基づいている近代経済学においては、効用の極大化ということが人の基本的な行動原理として定義され、それに基づいて功利主義的に自らの効用極大化行動を正当化し、そしてそれを定量化することによって、貨幣価値で図ることのできる効用によって計量的な経済学を構築することが可能になっている。しかしながら、効用というのはあまりに一般的な意味であり、そしてその効用実現のために貨幣による

もっとみる

情報体化のあり方

現状、相互作用における情報の体化のあり方、つまりどのように情報を記憶するのか、というあり方について、もちろんさまざまな人がさまざまなやり方で行なっているのだろうから、一概に、そして一般的にどうだ、などと言えるような話ではないことは重々承知であるが、自分の在り方と、自分が観察した社会の一般的な在り方というものを提示してみることで、他の人との考え方の違いなどがわかってくれば、などと考えて、雑文を書いて

もっとみる

相互作用のモデル化

問題意識解決のための方法論としての相互作用

note投稿の後にXに投稿した時、発信者は意志の正確・迅速な伝達、受信者は気づきが生産的な情報であるという要約をした。これを用いて相互作用のモデル化をすると、まず、人は目的達成のために、その達成のために解決してゆかなければならない問題を、問題意識に従って順次解決してゆき、その解決のための方法論として他者との相互作用を手がかりとする、という事がありそう。

もっとみる

情報生産性

資本主義の時代には、生産性の向上というのが一つの大きな目的指標となり、その生産性を貨幣価値で測ってその向上から利益を出す、ということが基本的な思考・行動パターンとなっていると言える。しかしながら、全てのことを一律に貨幣価値で測った生産性に即帰納せしめるやり方は、経済・経営学的にはともかく、社会的に意味があると言えるのだろうか。

工業簿記の生産性

社会的に見て意味があると言えそうなのは、工業簿記

もっとみる