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「羊たちの沈黙」(1991年)
1991年のアメリカ映画のトップ3は、
1.ターミネーター2
2.ロビン・フッド
3.美女と野獣
といった、ヒーローとロマンス。映画に夢や希望が詰まっていた時代と言ってもいい。「羊たちの沈黙 」は、ベスト3には入らなかったが、上位につけていた。ただし、ターミネーターやロビン・フッドのような「強いアメリカ」のイメージではないし、ジョディ・フォスターは美女だから、ロマンスの要素はあるにしても、レクター
村上隆 もののけ 京都
「村上隆の五百羅漢図展」(2015年)よりはこぢんまりとした印象。
よく知られている日本画のテーマやモチーフをスーパーフラットに解釈した作品群と、村上隆によく登場するキャラクターの現在形が展示されていた。そういう意味では、新作ではあるものの、どこかで観たことのある作品、ということになる。
これが現在の村上隆なのかもしれない。
つまり、ウォーホルは大衆文化のアイコンを大量に複製することでアートに
「犬ヶ島」(2018年)
ウェス・アンダーソンのストップモーションアニメ。
映像としてはよくできているが、なにを伝えたくて作ったのか、明確に読み取れない。
おおまかなストーリーは下記となる。
日本のウニ県メガ崎市で犬の伝染病「ドッグ病」と「スナウト病」が蔓延しはじめて、メガ崎市の小林市長はすべての犬を「犬ヶ島」に隔離する法案を通す。かくして、すべての犬が送られたのだった。
6か月後、犬ヶ島にひとりの少年が訪れた。彼は小林
ベルトルト・ブレヒト「三文オペラ」(1928年)
ネットで「ブレヒト」を検索すると「ブレヒト 異化効果」という検索候補が出てくる。「異化効果」は知っているが、「ブレヒトと言えば異化効果」というほどのものだとは知らなかった。
そして、「三文オペラ」にも異化効果が仕込まれているという。
自分は全然わからなかった。このあたりは、知性と教養を身に着けることと、思考力を深めていく過程で、世界に対する解像度をあげていく必要がある。そういうことをやっていると
「ゴジラ-1.0」(2023年)
これはとてもよかった。
山崎貴監督作品はわかりやすさが最優先されており、誰がどこでなにをしているのか、というのが非常に明確だし、ストーリーがどのように進んでいくのかも明確だ。そして、観客が観たいものをそのまま出してくる。
このセンスはどこから来るのだろうか。
本作は、1945年から物語がはじまる。
特攻兵の敷島が零戦が故障したといつわって、小笠原諸島にある大戸島という守備隊基地に不時着する。
そ
「アステロイド・シティ」(2023年)
これはよかった。
本作は製作費35 億円、興行収入76 億円。ウェス・アンダーソン作品としては「グランド・ブダペスト・ホテル」(2014年)の276億円に次ぐ2番目の興行収入だそうだ。「グランド・ブダペスト・ホテル」は10年前の作品なので、その間に売り上げが積み上げられている可能性もある。そして、「グランド・ブダペスト・ホテル」は、展開が早く、なにも考えずに観ていても楽しかった。本作はなにも考えず