ちゃんぽんビート by あふろざむらい

思考すること、問いつづけること。 あれこれちゃんぽんしています。好きなマガジンをのぞい…

ちゃんぽんビート by あふろざむらい

思考すること、問いつづけること。 あれこれちゃんぽんしています。好きなマガジンをのぞいてください。

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最近の記事

丸善 日本橋店

日本橋というエリアのイメージそのまんまの品揃え。 時代の空気に敏感なビジネスマンのための情報の発信地といった印象。 売れそうな本が大量に平積みや面陳で並ぶ。 入り口付近に並んでいるのは、仕事効率化、リスキリング、ベストセラーの文芸書、ビジネス経済の参考書的な書籍。 雑誌のエリアもあるが、入り口の正面にばーんと並べる感じではない。駅構内の書店などだと、まず雑誌が目に飛び込んでくるようなレイアウトが多いが、ここでは軽い読み物よりもじっくり読む本を売っていく姿勢のようだ。 ここ

    • ブックファースト中野店

      中野はサブカルの街として知られている。 ただし、住民の中心は、サラリーマンのファミリー世帯や学生といったいわゆる中流階級の人々だ。 中野駅近くにあるブックファースト。 フロアが広い。 入り口はふたつある。 片方の入り口付近には小説や雑誌。もうひとつの入り口付近はお金や生き方に関する自己啓発本が多い。 全体的には、いろいろな本をバランスよく揃えている印象。ただ、子どもの本のコーナーや漫画のコーナーが充実しているところから、どちらかというとファミリー向けの要素が強い。

      • 「太陽の下の18才」(1963年)

        1963年のイタリアは「奇跡の経済」と呼ばれた高度経済成長の時期だった。 本作はそんな状況が反映された、楽しい恋愛コメディ。 舞台はイタリアだが、フランス人女優カトリーヌ・スパークが主演。 ナポリ湾に浮かぶイスキア島にバカンスにやってきた若者たち。その中に二コラという青年がいた。一方、同じく島に訪れたフランス人女性の名前はニコル。名前の似たふたりは反発しながらも惹かれていく。 他愛もないコメディだが、能天気な楽しさがいい。 古い映画だと素直に楽しめる。今の時代もこの手の映

        • 青山ブックセンター

          書店は場所によって特徴があるのが面白い。 その店の客層がどういう人たちなのか、その街がどういう街なのか想像するヒントになる。 みんながみんな書店に行く時代ではないので、その街全体のイメージを書店から読み取ろうとするのは無理がある。それでもエリアごとの違いを読み解いていくと見えてくるものがある。 青山ブックセンターはアート系の書籍が多い。海外のファッション雑誌とか、日本の写真家の作品集とか。 最寄り駅は表参道や渋谷駅。 ファッションの街。渋谷や原宿は若者の街と言う印象だが、

        マガジン

        • その町の書店は、その町の顔をしているか
          3本
        • 公園にまつわるスナップショット的コメント
          1本
        • 能動的映画レビュー
          278本
        • 書いたとたんに忘れていくエッセイ
          19本
        • 小説:風景の記憶
          12本
        • アート関係を必死に理解しようとしてレビューするマガジン
          66本

        記事

          善福寺公園

          メインのエリアは、大きな池がある。 そこをぐるりと囲む散歩道。 古い樹木が多い。蝉の声や水の音が心地良い。 五感を意識する。 聞こえてくる音を数える。 聴覚に集中しているときは目の前にあるものが見えていない。それではいけないと植物の葉っぱを見たり、樹木を見たりする。そうすると今度は歩いている足の裏の土の感触などを意識していないことに気がつく。 五感のすべてを同時に意識するのは難しい。 それでも練習していれば、多少は改善されるだろう。 いわゆるマインドフルネスな状態になり、世

          「クローバーフィールド/HAKAISHA」(2008年)

          アイデアがいい。 舞台はニューヨーク。日本に転勤が決まった青年を祝うパーティ会場を撮影していたが、突如物凄い音が響き渡る。様子を見にいくと、なにかが街を破壊している。身の危険を感じた人々はとにかく逃げることにする。 いわゆる怪獣映画だ。ただし、ブレアウィッチプロジェクトのようにホームビデオ風に撮影されているところが新しい。ただし、予算がなかったブレウィッチプロジェクトと違い、本作は製作費27億円。映像も計算されたものになっている。 登場人物がホームビデオを持って逃げ惑う人

          「クローバーフィールド/HAKAISHA」(2008年)

          「テルマ&ルイーズ」(1991年)

          名作映画としてよく名前のあがる作品。 女性版「イージーライダー」(1969年)といった趣で、さすがに完成度が高い。 ウェイトレスの中年女性ルイーズは、友だちの専業主婦テルマを誘って週末のドライブ旅行を予定していた。テルマはそのことを夫に伝えようとするのだが、気弱なため、はっきりと口にできない。そうこうするうちにルイーズが迎えに来てしまい、夫にはなにも伝えずに出発してしまう。 ルイーズのすすめで、旅の間くらいは羽目を外そうということになり、テルマはバーで酔っ払い、男と踊る。そ

          「テルマ&ルイーズ」(1991年)

          「ワールド・ウォーZ」(2013年)

          おもしろいか、つまらないか、ということならそこそこおもしろかった。 ただ、ブラッド・ピットがかっこいいだけの映画に思える。 つまり2013年にこの映画が公開された意味づけがわからない。 謎の伝染病が原因で、人々がゾンビ化する。 国連の職員だったジェリー・レインは元上司からの依頼で調査に携わることになる。 現代のわれわれは、「コロナをゾンビ化におきかえた作品なのでは?」と連想する。たしかにこの頃もコロナウイルスは少数報告されている。だからといって、これがコロナを扱った預言的な

          「ワールド・ウォーZ」(2013年)

          「ツイスター」(1996年)

          かなりおもしろかった。 製作総指揮にスピルバーグ。監督はヤン・デ・ボン。 子供の頃、竜巻によって父親を失ったジョー・ハーディング。 彼女は成人してストーム・チェイサーになっていた。 竜巻の情報を分析し、いちはやく人々に知らせるための研究をしている。 彼女の夫ビルもストーム・チェイサーだったが、今は気象予報官になっている。そして、ジョーと離婚することになっている。 ある日、ジョーに呼ばれたビルは離婚届を受け取るつもりで婚約者とともにストーム・チェイサーたちのもとを訪れる。 し

          「ALWAYS 三丁目の夕日'64」(2012年)

          34.4億円。第二作よりは売り上げが落ちたが、それでも第一作よりは売り上げている。 前作は1954年が舞台で、今回は10年後の1964年が舞台になる。 世の中はオリンピックで盛り上がっている。 世の中は浮かれているが、作家の茶川は人気が落ちてきて、緑沼という新人作家が人気を得ている。茶川は葛藤する。そして、彼の父親が危篤になる。勘当同然で家を飛び出してきた茶川は、いやいやながら父親に会いにいく。そして、意外な事実を知ることになる。 他に、「鈴木オート」で住み込みで働いてい

          「ALWAYS 三丁目の夕日'64」(2012年)

          「ALWAYS 続・三丁目の夕日」(2007年)

          前作の1958年に続いて、1959年が舞台。 前作は興行収入が32.3億円、本作は45.6億円。 前作はかなりの賭けだったと思うがヒットした。 前作のヒットがあるので今回はゼロから構築するリスクは少なかったかと思う。もちろん莫大な予算を使って制作するのだから簡単なビジネスではないのだが。 今回は小説家の茶川と彼が育てている淳之介のストーリーと、鈴木オートで親戚の美加を預かることになるストーリーがメインになる。 今回はその中でも、茶川が芥川賞をとるために奮闘するストーリーが

          「ALWAYS 続・三丁目の夕日」(2007年)

          「オデッセイ」(2015年)

          2012年8月6日にNASAの火星探査車「キュリオシティ」が火星に着陸した。 個人的な印象だが、あのころから人々は火星に興味を持ちはじめた印象がある。有人・無人はともかくとして人類がアクセスできる場所としての興味だ。 もちろん、まだ人間が火星にいったことはない。それでもNASAや民間宇宙企業が開発競争を加速しているのを見ていると、近いうちにいけるのではないかという気がしてくる。 そのような状況で本作である。 火星に取り残された植物学者マーク・ワトニーがなんとか生き延びよ

          第12回 はじまりの風景

           本屋で立ち読みをして時間を潰し、夜の七時過ぎにマンションにたどり着いた。  キッチンで真理子が料理をしていた。  洋介は部屋着に着替えてリビングで相対性理論の続きを読んだ。  手から本が滑り落ちる感覚で目が覚めた。いつの間にか眠っていた。本を拾い上げて、照れ隠しのだらしない笑みを真理子に向けた。真理子はダイニングテーブルに料理を並べるのに集中していて、洋介のほうを見ていなかった。  ダイニングにいった。食卓には、サラダと刺身、味噌汁と冷凍食品のチャーハンが並んでいた。

          「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005年)

          もともとは、昭和三十年代を舞台にした映画を作りたいというプロデューサーの願望があったようだ。東京タワーが少しずつ完成していく過程の感動を伝えたいという想いがあったと、Wikipediaに書いてある。 結果として、その時代に一番興味を持つであろう団塊の世代向けをターゲットにした作品となった。 舞台になっているのは1958年。 団塊の世代(1947年~1949年生まれ)が10歳くらいの頃の時代設定ということになる。 現実の団塊の世代は2005年時点では60歳手前。 働いている人

          「ALWAYS 三丁目の夕日」(2005年)

          「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」(1984年)

          うる星やつらは原作も読んでいないしテレビシリーズも観ていない。 本作は特殊な位置づけとして語られている印象だが、比較ができない。 それぞれのキャラクターを知らなくても楽しめた。 「学園祭前日が繰り返される」という話なのだが、いわゆるタイムループのように同じ出来事が繰り返されるわけではない。 「自分の好きな人たちと楽しくずっと過ごしたい」という願望が実現した世界が描かれる。 本作が製作されたであろう1983年はどういう時代だったか。 東京ディズニーランドが開園。 ファミコン

          「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」(1984年)

          「シンドラーのリスト」(1993年)

          はじめて観たが、よくできている。 第二次世界大戦のナチスドイツが舞台。 ビジネスマンのオスカー・シンドラー(リーアム・ニーソン)は、戦時下であることを利用してナチスに取り入って、ビジネスを成功させた。安価な労働力であるユダヤ人を雇い入れ、莫大な利益を生んだ。 戦時下において状況が変わり、SSのアーモン・ゲート少尉(レイフ・ファインズ)が収容所に赴任してくる。彼は気分で囚人をどんどん殺すので、シンドラーは自分の工場で働いているユダヤ人が殺されては困るとゲートに相談を持ち掛ける

          「シンドラーのリスト」(1993年)