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#読書感想文
【読了記録】 『アンナ・カレーニナ』(レフ・トルストイ) 感想
今回も私事から入って誠に恐縮だが、僕はこの2ヶ月間noteにいなかった。
だがそれは本も読まずにのんべんだらりと暮らしていたことを意味するわけではない。この世界的大文豪の超大作に取り掛かっていたのだ。
新潮文庫の木村浩訳で読んだ。実のところ再挑戦だった。
学生の頃に読んだ時には、中巻の前半部分で頓挫したのだが、今回ついに夢が叶って、下巻の最後まで読むことができた。
世界中の大手出版社や新聞にお
【読了記録】 『日の名残り』(カズオ・イシグロ) 感想
ここ数日、多忙な日々が続いていたが、カズオ・イシグロさんのこの作品をようやく読み終えることが叶った。
主人公の老執事スティーブンスの視点から語られる過去と現在のこの物語は、美しく、きわめて温かい示唆に富んでいる。読み終えた今、僕はこの作品に潜む優しさを分析することができるように思う。
イギリス的な優しい眼差しが素晴らしいこの作品は上述の通り、老執事スティーブンスの一人称物語である。そしてその言葉
(読書)嘘つきジェンガ
辻村深月
(内容紹介)
詐欺をめぐる3つの物語。
『2020年のロマンス詐欺』
まさか、こんな2020年の春が待っているとは
思いもしなかった――
大学進学のため山形から上京した
「加賀耀太」だったが、4月7日、
緊急事態宣言が発令されてしまう。
入学式は延期され、
授業やサークル活動どころか、
バイトすら始められない。そのうえ、
定食屋を営む実家の売り上げも下がって、
今月の仕送りが半分に
【読書日記】平和について考えるための3冊
1:読書日記①馬場朝子『ロシアのなかのソ連 さびしい大国、人と暮らしと戦争と』(現代書館)
著者の馬場朝子さんは、1970年よりソ連に6年間留学、その後NHKでロシアに関するドキュメンタリー番組を数々製作、そして退職されてからも2012年よりロシアに5年間住んだ経験がおありで、ロシアだけでなくウクライナにも訪れ、ロシア人、ウクライナ人両方を友に持っている、ロシア(ソ連)の暮らしのにおいから政
【読了記録】 『シッダールタ』(ヘルマン・ヘッセ) 感想
前にChatGPTに、「トーマス・マン『魔の山』はいい本だ。ヘルマン・ヘッセ『シッダールタ』は素晴らしい本だ」という言葉を頂いて以来、読みたかったこれらの本をついに読み切ることが叶った。
この二人がドイツのノーベル文学賞受賞者として、二大巨頭の地位を得ていることはおそらく周知だと思う。
上にあるように、ChatGPTは『魔の山』より『シッダールタ』により高い評価を下していた。その言葉の真実味が、