(読書)偽りの眼・下
カリン・スローター
鈴木美朋・訳
(内容紹介)
23年前の秘密を男はなぜ知っているのか――。
あの日を境にリーはゆっくり壊れていった。
妹のキャリーは薬物依存を繰り返し、
苦学して弁護士になったリーも
また問題を抱えている。
そして今、非道なレイプを繰り返す男を弁護し、
被害女性を貶めて無罪を勝ち取らなければ、
全てを失うことになる。
追いつめられたリーのもとに、
新たな女性が襲われ、
猟奇的な手口で殺されたという一報が届き――
☆☆☆
そうだったのか、、
(まあ予想はしていたけれど)
というところで上巻が終わり、
翌日に下巻を一気読み。
弁護士である姉のリーと
薬物依存の妹キャリー。
母親から虐待、放置されていた姉妹は
お互いだけが頼りだった。
リーは全ては自分のせいだから
自分がなんとかしないと、と
思い込んでいるけれど、
キャリーはリーが思うよりも
自立していたし問題を解決しようとしていた。
とにかくキャリーの生き様?が壮絶で憐れで
読んでいて苦しい。
そして彼女がアンドルーの父親に
性的虐待を受けていても
自分だけは愛されていた、
(に違いない)と心に思っていたことが
更に痛ましかった。
異常者のアンドルーと
その婚約者でやはり異常者のシドニーが
本当に本当に嫌な存在で
早く死んでほしいと思いつつ
ページを繰っていた。
キャリーと動物病院のドクターの
会話の場面は心があたたかくなり、
ラストのほうでドクターが
詩を朗読するところでは
目頭が熱くなった。
“かつて愛していた聖人たちと同じくらい
あなたを愛しています
わたしの呼吸、わたしの笑み、わたしの涙、
わたしのすべてを差し出してもいいくらい
あなたを愛しています
そして、ああ
死んだあともあなたを愛したい”
悲しい結末だったし、
リー達姉妹がしたことを
アンドルーの母親が知っていて、
それを言ってくれればこんな結末には
ならなかったのに、、と
やりきれない気持ちだった。
(と思っても仕方ないのだけれど
つい思ってしまう。。)
(この小説にはコロナ禍のことが
書いてあったけれど
なくても別によかったように思う)
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