【短編小説】嘘つきはアネモネを抱いて眠る
きょう、ぼくはおかあさんと「花のおやしき」というところにいきました。
花のおやしきは、ぼくのすむまちにある、お花ばたけにかこまれたおやしきのことです。
おやしきにはむかし、えらいがくしゃさんがすんでいたけど、いまはだれもすんでいないそうです。
おやしきにいってみると、ぼくのしらない花ばかりでした。
「おかあさん、ここに咲いているお花はなんていうの?」
「このお花はね、アネモネっていうのよ」
『嘘つきはアネモネを抱いて眠る』
あるところに、一人の嘘つきがいました