香 詩稻(しゃん しいな)

不定期更新で詩や小説を書いてます。「分け入っても分け入っても青い山」辺りに在住のしがな…

香 詩稻(しゃん しいな)

不定期更新で詩や小説を書いてます。「分け入っても分け入っても青い山」辺りに在住のしがない物書き。

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僕にとって書くことが仕事であり、書くことが生きがいである。僕に必要なのは、上質な原稿用紙とデザインにこだわった万年筆、リラックスした時に訪れる閃きである。それらの心地良さだけがあれば人からの評価は必要なくなってしまう。そして、個性が才能に勝る条件はここにあると僕は思う。

ほかいびとの歌(弐)

 青々と 光る山川 抱え持つ  此の地を祝ふ 歌がふみよと  青々と 栄える草木の 息吹受け  生きる人らの 道は明るし  種ひとつ 出ずれば伸びる 地の上に  …

手元不如意も積読するのよ

私の積読本はほとんどが中古本。何故なら手元不如意だから。それでも「豊かに」積読していく。 最近買ったのは『フェンネル大陸シリーズ』計13巻。これは高校生の時に出会…

ゆるひすから名前を変えました。

ゲール語由来の名前の音を漢字に直して作りました。
シーアン(小さな幸せ)→しゃん(香)
シーナ(神の恩恵、神の慈悲)→しいな(詩稻)

香 詩稻です。よろしくお願いします。

ほかいびとの歌

 乞食者(ほかいびと)。  予祝で、寿ふ(ほかふ)、祝ひ(ほかひ)人。  家々を 回り言祝ぐ 乞食者(ほかいびと)  ほぎびとよ 言葉を祝ぎて 呪い(まじない)す  予祝…

決意表明

 右腕を切り落としたい思いでこれを書いています。もはや小説を読まなくなった烏合之衆に何を与えれば鳴いてくれますか。行間の空いたライトノベルですか。ためになる自己…

小説らしいとは

「行間の空いている小説、あれはライトノベルでいいんですか?」  行間を空けて読者に読みやすくしている小説を見かけることがある。それらを見る度に私は、これはライト…

実績解除!創作大賞2024

 実績解除したかった……そんな想いで参加します創作大賞2024。自分の作品に対して愛はある。有り余るほど、溢れ出るほどある。しかし、私の書いた作品は全く万人受けしな…

短編小説『死の天使の光輪』

 草原を駆ける西風が草露を拭う。  その青年は、草原に出来た小径を歩いていた。厚い雲が悠々と漂う晴れた昼間のこと。風に吹かれながら歩くその姿は、長い時間歩いてい…

『死の天使の光輪』終章

「よぉ兄ちゃん。あの少女に会ったんだろ?」  青年が町の宿に戻ると、宿屋の店主が話しかけてきた。何故この店主は、青年が少女と会ったことを知っているのか。不思議に…

『死の天使の光輪』第五章

 古びた廃墟に長い影が二つ並んでいる。昼間、燦々と輝いていた太陽が今では優しい橙色に変わっている。世界と二人を包み込むその光は、どこか新しくも懐かしいような、一…

生き切るという癌

 物事には終わりがあり、さらに始まりがあるもので、それらを繋げて環が出来上がり、永遠が続くということもあるようです。  僕の最近の調子、要するに身体のことの話に…

散り散りの自分

 僕は「散り散り」だ。  あれを考え、これを考え、色々考え、いっぱい考え、しかし、どこにも収まらない。本棚から出した本たちが片付けられずに積まれて置かれている。…

瞑想中の閃きメモ

 この記事は瞑想中に起こった閃きをメモする場所です。閃きが起こったらどんどん追記していきます。  今日の瞑想中、「人の脳は主語を認識しない」という言葉が出てきた…

魔術に全てを捧げた学生時代の話

 どうも、ゆるひすです。  ここで話すこととはタイトルに書いてある通りです。魔術の勉強のために時間と金(お年玉)を費やした私の学生時代(小~高校生)を振り返っていき…

僕と君との

 道歩き 我の先ゆく 花駆ける  故人の歌を詠う 東風哉  桜の季節になると必ず、西行の歌を思い出す。  仏には桜の花をたてまつれ  わがのちの世をひととぶらはば…

僕にとって書くことが仕事であり、書くことが生きがいである。僕に必要なのは、上質な原稿用紙とデザインにこだわった万年筆、リラックスした時に訪れる閃きである。それらの心地良さだけがあれば人からの評価は必要なくなってしまう。そして、個性が才能に勝る条件はここにあると僕は思う。

ほかいびとの歌(弐)

 青々と 光る山川 抱え持つ
 此の地を祝ふ 歌がふみよと

 青々と 栄える草木の 息吹受け
 生きる人らの 道は明るし

 種ひとつ 出ずれば伸びる 地の上に
 雲の上にと 実り豊かに

 奥山に けもの静かに 眠る地の
 草木の音は 今日も静かに

 古くより 山と人とが 創る地よ
 ももちよろずの 魂光る地よ

 此の地を寿ふ身は 葦の如く
 その魂は 想ふ刻に 繋がり 送り
 幸う心の深

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手元不如意も積読するのよ

手元不如意も積読するのよ

私の積読本はほとんどが中古本。何故なら手元不如意だから。それでも「豊かに」積読していく。

最近買ったのは『フェンネル大陸シリーズ』計13巻。これは高校生の時に出会ってから6巻までは読んだもののそれ以降は断念してしまったので、もう一度読み直したい&読破したい気持ちで買った。まだ袋から開けておらず積読しておる。

一番に読みたいのはSF小説の『ハーモニー』や『グラン・ヴァカンス』、『あなたのための物

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ゆるひすから名前を変えました。

ゲール語由来の名前の音を漢字に直して作りました。
シーアン(小さな幸せ)→しゃん(香)
シーナ(神の恩恵、神の慈悲)→しいな(詩稻)

香 詩稻です。よろしくお願いします。

ほかいびとの歌

ほかいびとの歌

 乞食者(ほかいびと)。
 予祝で、寿ふ(ほかふ)、祝ひ(ほかひ)人。

 家々を 回り言祝ぐ 乞食者(ほかいびと)

 ほぎびとよ 言葉を祝ぎて 呪い(まじない)す

 予祝を発する 生業として
 祝いうた、ほきうた(寿き歌)を詠み 物乞いす

 よごと、よみうた、ほきうたと
 くにみ、たみほめ、むろふき(室寿き)と
 ほめる、ことほぐ、ことだまと

 言が事とし 現れる

 歌を詠み 言挙げ 

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決意表明

決意表明

 右腕を切り落としたい思いでこれを書いています。もはや小説を読まなくなった烏合之衆に何を与えれば鳴いてくれますか。行間の空いたライトノベルですか。ためになる自己啓発本ですか。肩書きですか。知名度ですか。それ以外にあるのなら応えてください。
 僕は小説を書きます。書き続けます。もう境地に立ちました。皆から読まれなくても書きます。日記のように書きます。決めました、もう、決めました。
 評価なんて幻想で

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小説らしいとは

「行間の空いている小説、あれはライトノベルでいいんですか?」

 行間を空けて読者に読みやすくしている小説を見かけることがある。それらを見る度に私は、これはライトノベルか否かを考えるのである。そもそも一般的な小説とライトノベルは別物なのかも分からない次第である。しかし、ライトノベルにも色々ある。昔、カルロ・ゼン作の『少女戦記』を読んだことがある。外見は俗に言う鈍器本だが、それもラノベだと聞く。しか

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実績解除!創作大賞2024

実績解除!創作大賞2024

 実績解除したかった……そんな想いで参加します創作大賞2024。自分の作品に対して愛はある。有り余るほど、溢れ出るほどある。しかし、私の書いた作品は全く万人受けしないスピリチュアルに偏った内容の小説である。しかも、もっと考えて書けばいいものを、なんちゃって対話型の一方的な説教宣う形になったものだから、読者からすればなんじゃこりゃの嵐。いや、まず、スピリチュアルという点で読みはしないから、そこまでは

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短編小説『死の天使の光輪』

短編小説『死の天使の光輪』

 草原を駆ける西風が草露を拭う。
 その青年は、草原に出来た小径を歩いていた。厚い雲が悠々と漂う晴れた昼間のこと。風に吹かれながら歩くその姿は、長い時間歩いていたにもかかわらず、風に足を掬われるかのような、疲れを知らない、軽い足取りをしていた。これから向かう場所へ、期待に胸を弾ませながら、青年はこれから起きる《出来事》に対する想像をたくましくしていた。
 青年はささやかな物書きであった。
 数々の

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『死の天使の光輪』終章

『死の天使の光輪』終章

「よぉ兄ちゃん。あの少女に会ったんだろ?」
 青年が町の宿に戻ると、宿屋の店主が話しかけてきた。何故この店主は、青年が少女と会ったことを知っているのか。不思議に思いながらも返事を返した。
「ケイラのことですよね。会いましたよ」
「だろうな、コートの裾が切れてるぜ」
「え?」
 コートの裾を見ると、まるで切り刻んだかのような切れ目が残っていた。店主が話を続ける。
「あの黒服の少女はな、死神なんだよ。

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『死の天使の光輪』第五章

『死の天使の光輪』第五章

 古びた廃墟に長い影が二つ並んでいる。昼間、燦々と輝いていた太陽が今では優しい橙色に変わっている。世界と二人を包み込むその光は、どこか新しくも懐かしいような、一種の宗教画に見る後光のようだった。

 しばらく黙って夕陽を眺めていた二人。しかし、静寂を破って、青年が少女に声をかけた。
「そろそろ日が落ちるし、町まで戻ろうか」
「確かに、もう戻らないと」
 少女は青年から離れるようにして、夕陽のある方

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生き切るという癌

生き切るという癌

 物事には終わりがあり、さらに始まりがあるもので、それらを繋げて環が出来上がり、永遠が続くということもあるようです。

 僕の最近の調子、要するに身体のことの話になるのですが、頗る悪しでございます。一昨日、一昨昨日でございましょうか、夜、枕衾に酖る時間に、急に胸だか心臓だかが痛く苦しくなってきまして、僕はこれを、この痛みを癌から来るものなのだなと直ぐに思いました。こう思うのも理由がありまして、僕の

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散り散りの自分

散り散りの自分

 僕は「散り散り」だ。
 あれを考え、これを考え、色々考え、いっぱい考え、しかし、どこにも収まらない。本棚から出した本たちが片付けられずに積まれて置かれている。これが、僕の生活だ。僕自身だ。

 僕は努力をやめた。自分の力を見たくなくて、努力をして、頑張って、それでも何も出来なかったらどうしようと不安になって、だから、やめたんだ。

 きっと、最近になって始めたことも、なあなあになって終わるだろう

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瞑想中の閃きメモ

瞑想中の閃きメモ

 この記事は瞑想中に起こった閃きをメモする場所です。閃きが起こったらどんどん追記していきます。

 今日の瞑想中、「人の脳は主語を認識しない」という言葉が出てきたので、試しに「私は在る」「私は神である」を「今ここに在る」「今ここに神である」と変えて、何度も唱えてみた。瞑想中は分からなかったけど、瞑想後はとても心地よかった。2024/04/14

 瞑想中、「今を思い出せ」という言葉が出てきたけど、

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魔術に全てを捧げた学生時代の話

魔術に全てを捧げた学生時代の話

 どうも、ゆるひすです。
 ここで話すこととはタイトルに書いてある通りです。魔術の勉強のために時間と金(お年玉)を費やした私の学生時代(小~高校生)を振り返っていきたいと思います。ちと長いからサラサラと飛ばして読むのがいいかもね!

【小学生時代】

 まず私と魔術の出会いから。
 それは小学三年生の頃の話。テイルズオブシンフォニア(TOS)というゲームの中に登場するキャラクター達が魔法を使うのを

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僕と君との

僕と君との

 道歩き 我の先ゆく 花駆ける
 故人の歌を詠う 東風哉

 桜の季節になると必ず、西行の歌を思い出す。

 仏には桜の花をたてまつれ
 わがのちの世をひととぶらはば

 昔の僕と比べて、今の僕は生きる楽しさを取り戻した気がする。それでも死ぬる権利はまだ僕にあって、いつでも死ねる機会はあるのだが。生きる楽しさを取り戻したと言えど、まだまだあの世の魅力に取り憑かれて、歌を詠む。

 散る花は 川を流

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