完結済み

ティファレト【序章】

プロローグ 生きるためなら、殺すことも許される。私もそう思う。動物の肉を食べるのはもちろんのこと……より安くものを扱うために、弱い立場の人たちに厳しい労働を強いるのも、私たちは…… *  彼女の話をしよう。彼女は人間とは少し違う生き物だ。遺伝子のつぎはぎとして生まれた彼女は、ある人々の理想を体現した存在であった。  フランケンシュタインの話を具体的に知っている人がどれくらいいるだろうか。今私たちがよく聞くのはかなり捻じ曲げられた話ばかりなのだが、元々の話は、フランケンシ

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サスペンス小説『金庫の中からこんにちは』→㉖紅蓮の炎の中で(完結)

♦1話だいたい10分で読めます ♦全26話 ♦完結済み ♦1話ごとに衝撃をうけます ♦すべて読み終えたとき、あなたの前には新しい地平がひらかれていることでしょう 26 チャーリー大佐が携帯で話している相手は、なんとアメリカ合衆国大統領だった。 「グッドイブニング、ミスタープレジデント(大統領)……」 そう言ったきり、ぎこちなく動くロボットと化す大佐。 ときどき「イエッサー」とか「オウ」とか、あいづちを打っていたが、ほんの30秒ほどで携帯を耳から外した。 しばらく画

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桔梗の花咲く庭

家の都合が優先される結婚において、理想なんてものは、あるわけないと分かってた。そんなものに夢見たことはない。だから恋などするものではないと、自分に言い聞かせてきた。叶う恋などないのなら、しなければいい。 時代劇ですが普通に純愛モノです。 第1話 小雪舞う肌寒い夜、私は生まれて初めての輿に乗っていた。 お供は子宝と安産を願う雌雄の犬張子。 不安と緊張に、帯の守刀をぎゅっと握りしめる。 花嫁行列は高い白壁の続く静かな道を、ゆっくりと進んでゆく。 ふいに動きが止まった。

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作品紹介④『さくら・ぶれっと』/くろひつじ

・作品名 ◆作品名「さくら・ぶれっと」 ◆キャッチコピーは 「自称町娘の異世界ガンカタファンタジー」    ガンカタを知らない方は「拳銃を使った格闘技」と思って頂ければ読みやすいかと。 ・あらすじ(二種類)◆あらすじ 【祝完結】 ※非なろう小説です。テンプレ好きな方はブラウザバックしてください。 『貴方の運命をお返し致します』 手紙に書かれていたその一文が、全ての始まりだった。 その言葉を始まりとして、一人の少女の物語は動き出す。 ◆簡単なあらすじ◆ 黒髪ロングの

作品紹介①『偽称の虚言者 ―嘘を吐く正直者―』

 みなさん毎日お疲れ様です! 萩月ヱリカです。  今回の記事は私が書いている小説の紹介です。  作品名・あらすじ・主な登場人物紹介・作者のひとことを書いていこうと思います。    それではここから↓   ・作品名『偽称の虚言者 ―嘘を吐く正直者―』  ぎしょうのきょげんしゃ  うそをはくしょうじきもの 『偽称の虚言者』がタイトル。 『嘘を吐く正直者』がサブタイトルとなります。  よく『うそをつく』と読まれたりもしますが、『うそをはく』なのです。ちょっとした仕掛けがありま

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瞼の裏⑫(完)

 廊下をどすどすと、誰かが歩いている。気付かないうちにお母さんが帰ってきているのかもしれない。テレビ業界で働いている人の繁忙期っていつなのだろうか。世の中はゴールデンウイークだというけれど、あまりそういうのは関係ないのかもしれない。そもそも私はお母さんがどういう仕事をしているのかも知らない。番組とか受けて持ったりしているのだろうか。最後にお母さんと一緒にテレビを見ながら晩御飯を食べたのはいつだろう。それ以前に、家で一緒にご飯なんて食べていないような気がする。お父さんが帰ってき

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瞼の裏⑪

 駅に着いて、るなちゃんに連絡をするとすぐに返ってきた。「駅前ロータリーの木の周りに居ます」とのことだった。  階段を下りて駅の出口を出るとすぐに目的の木は見つかった。何故かその木に向かうまでの足が震えている。先ほど自覚してしまった病気のことで頭がいっぱいになっていた。    今、私はどういう顔をしているのだろうか。トイレで鏡を見てくればよかった。上手く言葉を紡ぐことができるだろうか。相手は年下なのだからこっちがしっかりしなきゃ。特に慕ってくれているのだ。変に失望をさせたく

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瞼の裏⑩

 始まった新学期は特に何も変わり映えがしなかった。クラス替えがあり蓮見とクラスは離れたけれど、学校帰りに家に寄ることもあり、土日は基本的に一緒に過ごしていた。  るなちゃんとも連絡を取り合う頻度が増え、今度一緒に遊ぼうということになっている。隣の県に住んでいるが、そこまで遠くないので私が遊びに行くことにした。るなちゃんの投稿は変わることがなかったけれども、最近は自傷行為を匂わせるものが増えてきていた。本人曰く、『手首切ったくらいじゃ死なない』とのことだった。何故そういうこと

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瞼の裏⑨

 春休みがあと五日足らずで終わる今日も、私は蓮見の家に居た。いつも通りだが、今日はあの強烈な『小旅行』ができる日だった。  前回からまた少し空いたので、そろそろいいだろう、という蓮見の判断だった。あの夜の後もずっと蓮見の家に居るけれども、手を出してくる気配は無い。色々とブログを読んできたので、もう読むものはなくなってきたが、薬アカの方で、気になる投稿を見つけた。 『薬を飲んでると勃起してもなかなかセックスしたいって思わない。というかイケないからやる意味ない』という投稿をして

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瞼の裏⑧

 確かに単品のときよりもより深く、それでいてどこかふわふわとした感覚があった。頭の中では音が鳴っている。それは不快な音ではなく、形容のできない類の低い音だった。ただその音に身を委ねていると落ち着いた。窓の外の喧噪も聞こえるし、冷蔵庫はじぃと鳴いているし、冷房は弱弱しくもごぉと唸っている。そんな音の中で、頭の中から聞こえる低い連続した音と、耳元で聞こえる蓮見の呼吸音。私は充足していた。    沈黙が続く。しばらく仰向けでいたけれども、左向きに体勢を変える。なんだか身体がむずむ

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