皆歳いんげん

BL小説 TL小説 男女の恋愛小説 キャラ文芸 色々自由に書いてます。 Kindleも、いんげん名義で出してます。

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「神様のひとさじ」第一話

【あらすじ】 人類は、一度絶滅した。 神様に再び作られた、アダムとイブ。 地下のコロニーでAIに作られた人間、ヘビ。 イブは、ヘビを運命の相手だと勘違いして、猛アタックを開始。しかし、本当のアダムと出会って。 「え? あれ? 間違ってかも」 その気になりかけていた、ヘビはモヤモヤする。 イブこと、ラブも、アダムと、ヘビとの間で揺れる。 ある日、コロニーで行方不明者が出て、彼を探す人々。 しかし、AIが彼の死した映像を映し出した。彼は、誰かに殺されたのか、獣に襲われた

    • 今回書いてるお話【人魚の餌】

      今回は、なんちゃって幕末あたりの、流刑地の女の子の話です。 女の子が、色々あって海のもくずになりかけ、異種族の男に助けられて、無人島で恋の話なんですけどね。 なんか、多分……イメージしてもらった話とちょっと違うかもしれませんwww 主人公は、異種族男に殺されない為に必死です。 アルファポリスさんと、ムーンライトノベルズさんで連載してますので、よろしければ。 ご多分に漏れず、集まってくださった読者様は少ないですが、前回の0とは違って、ほっとしてます。 一人でも応援してく

      • ついに完結。

        14万7000字だったのを、なんとか、なんとか……139860文字に絞りました! 長かった。 がんばった、私、すごい、偉い。 正直、エントリーなさっている他の小説に比べて、全然読まれていない感じですが、満足です☆ 妙な達成感に溢れておりますwww やっと、小説が書けるぞ。 ここから、「神様のひとさじ」の後書きというか、言い訳です。 大いにネタバレです。 なんで、この小説書き始めたのかは、もう、あまり覚えてませんwww とにかく、人類滅亡後世界が大好きで、多分、滅亡し

        • 「神様のひとさじ」最終話

          アダムは、うたた寝をしていた。 目が覚めると、目の前には、すっかり冷めた紅茶が二人分、用意されていた。 「あれ?」 誰と、飲もうとしていたのだろうか。 向かい側の椅子を見据えた。 思い出せない。椅子の向こうには、ふかふかのベッドがある。誰か、大切な人が眠っていた気がする。 「イブ?」 自分の片割れの女性、イブは何処だろうか。 アダムは席を立った。胸がざわつく。彼女は何処だ? 突き動かされるように、外に出た。 「イブ⁉」 見当たらない。 朝を迎えた楽園では、藁人間達が

        • 固定された記事

        「神様のひとさじ」第一話

          「神様のひとさじ」第二十一話

          「すごい」 アダムの作った家は、石造りの小さなお家だった。 中には炊事場と、大きなテーブル、可愛い四つの椅子、少し不格好なタンス。ふかふかの布団が敷かれたベッド、暖炉もある。 綺麗な花も飾られている。 「ここは、全部、僕が用意したんだよ」 「ありがとう」 ラブの胸は、チクチクと痛んだ。 自分が現れるまでの、長い時間、心を尽くしてくれた結晶だ。それを、自分は破棄しろと言っている。 「ごめんなさい……アダム、ごめんなさい」 何が正しいのか、どうするのが良いのか、ラブは分からな

          「神様のひとさじ」第二十一話

          「神様のひとさじ」第二十話

          「稲子⁉」 「何処だ⁉」 「あ、あそこ!」 ラブが指をさした。 実のなる木へと続く橋の上で、手足を獣に食い付かれた稲子が引きずられていた。 「たっ、助けて!」 「くそっ」 木の後ろから獣が現れた。その数は二十頭は下らない。 「いやああ!ひぃ!あっ……ああー!」 ヘビとフクロウ、キボコが発砲したが、次々と稲子に襲いかかる獣に、すぐに弾が切れた。 弾を装填している間に、一頭の獣が稲子の喉に食らいついた。 「ぐっ……」 「稲子⁉」 ヘビが走り出し、フクロウが追った。 しかし

          「神様のひとさじ」第二十話

          「神様のひとさじ」第十九話

          「本当に行くの?足手纏いは嫌だよ」 朝が訪れ、コロニーの出入り口には、出て行く面々が集まった。 土竜と、キボコ、稲子、着いていくときかないバンビの四名が、先発組として移住する事になった。怪我が治り次第、あと六人が加わる。 「まぁ、アダム。そんな事も有ろうかと、ジャーン」 フクロウが、外に置かれている大きな布を引くと、バギーが二台現れた。 「何よ、コレ」 キボコが、足で蹴った。 「ちょ、大事に扱って!人類の遺産を、何とか復活させたんだよ。その後ろのソーラーパネルは特に脆い

          「神様のひとさじ」第十九話

          あと少し!! 約147000文字だったので、7千文字削った✨ 途中なぜか増える緊急事態あったけど(本当になぞ)あと少し✨ いっぱい削って思ったのが、結構無駄があったなという印象です。あと、わかりやすく簡潔に提示する練習になった、気がします!!

          あと少し!! 約147000文字だったので、7千文字削った✨ 途中なぜか増える緊急事態あったけど(本当になぞ)あと少し✨ いっぱい削って思ったのが、結構無駄があったなという印象です。あと、わかりやすく簡潔に提示する練習になった、気がします!!

          「神様のひとさじ」第十八話

          「ラブ、大丈夫だった⁉」 診察室に着く直前で、アダムと会った。 「うん、大丈夫。アダムは?」 「僕は、大活躍だったよ。侵入者をポイして、獣も一匹、外に追い出したよ」 褒めて、アダムが頭をラブに向けた。ラブが、戸惑いながらアダムの頭に手を当てると、ヘビは二人を避けて歩き出そうとした。 しかし、クイナが診察室から顔を出した事で、足が止まった。 「ヘビ、丁度良いところに!」 クイナは、血濡れた青い手術着を着ている。腕には、医療器具が詰め込まれた、シルバーの四角いトレイを抱えていた

          「神様のひとさじ」第十八話

          「神様のひとさじ」第十七話

          二人が居住区に着いた頃、警報が鳴った。 鳴り響く警戒音に驚き、ラブはヘビに飛びつき、人々が何事かと部屋から顔を出した。 「何?」 「ハジメ、何が起きた?」 『獣が侵入しました』 「何故だ⁉」 コロニーの出入り口は、厳重な扉で電子制御されている。 獣が入り込むなど、考えられなかった。 様子を見に部屋の外へ出た人々に動揺が広がる。今まで、このコロニーの中は、平和だった。殺人事件もあったが、それはあくまで人同士の争いだ。 『驢馬が戻ったのでロックを解除したところ、彼が獣を引

          「神様のひとさじ」第十七話

          「神様のひとさじ」第十六話

          風のように駆け抜けた白馬では、一瞬のように感じたが、ロバでは、一時間かかった。 「この辺りで、アダムは、動物のお肉が落ちてるって言ってた」 ラブは、ロバから降りて辺りを見回した。 「曖昧な表現だな。野生の動物なのか」 驢馬なのか、ヘビはラブに気を遣ったのか、言葉を不自然に飲み込んだ。 辺りを二人で捜索し始めると、ロバは周囲の草を食べ始めた。 「何も見当たらないね」 「そうだな」 林の茂みを棒で掻き分けるラブと、足でなぎ払うヘビ。 「あっ、キノコ生えてるよ」 ラブが見つけた

          「神様のひとさじ」第十六話

          「神様のひとさじ」第十五話

          ラブは目を覚ました。時計を見ると、午前九時を回った所だった。 しまった、動物たちの世話をしに行かないと、体を起こすと頭上から放送が聞こえた。 『住民は居住区の一階部分に集まってください』 外から「何なの?」と人々の声が聞こえてきた。 ラブも、手早く身支度を調えて、部屋の外へ出た。 一階の中心部と、二階の階段部分には、人々が集まり、顔を見合わせている。 過去にもハジメに全員が呼び出されることが、何度かあった。それは大概、問題が起きた時だった。今度は一体何が起きたのか、皆

          「神様のひとさじ」第十五話

          「神様のひとさじ」第十四話

          「ラブ、ラブ!返事をしろ」 ヘビがラブの体を必死に抱き寄せると、ラブの瞳が開いた。 「あれ?ヘビ?どうしたの?」 ヘビの肩に掴まったラブは、今、気がついたとばかりに問いかけた。 「お……おまえ……」 ラブが無事だと分かると、ヘビは脱力して仰け反った。ブクブクと沈んでいく。 「ヘビ⁉大丈夫⁉泳げないの?」 ラブは、沈んでいったヘビに慌てた。暗い水の中で腕を彷徨わせた。 すると、ヘビが水しぶきと共に顔を出した。彼のうねる髪が顔に掛かっている。それを乱暴に掻き上げて、ヘビが大き

          「神様のひとさじ」第十四話

          「神様のひとさじ」第十三話

          アダムと出会ってから、朝夕の散歩が日課になった。もう一ヶ月近くたつが、ラブは獣に遭遇していない。 「今日は、曇ってるね」 「きっと、午後は雨が降るよ」 人工衛星が消滅し、天気の予報は出来なくなった。しかし、アダムが呟く予報は、外れた試しがなかった。 「あれ?」 土竜がやって来た。 「アダムに話がある。いいか?」 土竜は、見た目に反し、とても静かに話をする。硬そうな肌肉が口元だけ笑顔を作っているのに、今日も目は笑っていない。ラブは、彼が暴力的な態度を取った所は見たことが無い

          「神様のひとさじ」第十三話

          「神様のひとさじ」第十二話

          ヘビは、足早にコントロールルームに向かった。 そこには、かつて二足歩行していたロボットが、椅子に腰掛ける形で置かれている。 最初に誕生させた子供達を育てるために利用した機体の一つだ。劣化し、故障したために動く事が出来ない。修理することは可能だったが、修理しない事に人間達が決めた。 「ハジメ、今日のアダムの行動記録と、コロニーに持ち込んだ植物の画像を出して欲しい」 ヘビが話しかけると、声を掛けられたロボットが首だけを、そちらに向けた。 『行動記録は、コロニーの半径五キロまで

          「神様のひとさじ」第十二話

          「神様のひとさじ」第十一話

          「アンタ、今日はイベントよ」 キボコがラブの部屋を尋ねてきた。 「イベント?」 「聞いていないの?」 「男女で出かけるイベントよ」 「あー、アゲハが言ってた。お出かけって外だよね? ラブも行く!」 「そう、じゃあエントリーっと。若い男の誰かとマッチングされるわよ。ウチの驢馬だったらいいわね」 「意地悪じゃない人が良い! ラブ、キボコで良いよ」 「お断りよ、馬鹿。そもそも、これは若年層のイベントよ。あたしら中年は勝手にペア組んで出かけるわ」 キボコは、すげなく断った。 「この

          「神様のひとさじ」第十一話