ヒツジ

読むこと大好き人間です。 昔から物語を考えるのが好きで、一歩踏み出してみようと小説を書…

ヒツジ

読むこと大好き人間です。 昔から物語を考えるのが好きで、一歩踏み出してみようと小説を書いてみてます。

マガジン

  • 長編小説「10 -第二部-」 連載中

    以前連載していた「10」という作品の続編です(「10」は別のマガジンにまとめています) あらすじ 田舎町の駐在員ソラは、ある日誘拐されそうになっている少年を助けようとして一緒に監禁されてしまう。しかしその少年は、ソラが助けるどころか自分で犯人達を捕まえてしまった。 軍とも協力関係にある少年の秘密を知るかどうか決めるため、中央に向かったソラ。そこで10年前に別れたまま会っていなかった幼馴染ルリを見かける。 ルリとの再会を望むソラだが、どうやらルリは軍に追われているようで………

  • 長編小説「10」 完結済み

    連載していた「10」という小説をまとめました。前作「49」の続編になりますが、読んでいなくてもわかる内容になっています。 創作大賞応募用に書いたあらすじが第1話の前にありますが、中盤までのネタバレも含まれます。ネタバレしたくない方は、第1話【価値のない金貨】の部分から読んでいただくことをオススメします。 ファンタジーですが人間描写を主にしていこうと書いたので、興味のある方は読んでいただけたら嬉しいです。

  • 短編小説「49」 完結済み

    以前連載していた小説をマガジンでまとめました。「10」という続編も別のマガジンでまとめてます。 弟を亡くした男、サカド。 姉の恩人を探す少年、ナズ。 心を閉ざして生きていたサカドは、ナズの旅に同行することで弟の死を受け入れ始める。 一方のナズも、旅の理由は他にあるようで……

最近の記事

いつも読んでいただきありがとうございます。 「10 -第ニ部-」3話、アップしました。 アヤから中央までは電車で2時間ほどで着きます。中央へのアクセスも良く工業や農業が盛んなアヤは、田舎ながら移住者も多い人気の町です。 今回も楽しんでもらえたら嬉しいです。

    • 「10 -第ニ部-」 3話

      【疑惑】 今から10年前。まだソラが両親とともに貴族の屋敷にいた頃の話。 「ソラ、おもしろい物を手に入れたんだ。今からアサギに見せに行こう」 「ルリ様?おもしろい物ってなんですか?」 「それは着いてからのお楽しみだ」 青い髪の少年がソラの手を引いて走り出す。屋敷の主人の1人、ルリだ。この屋敷はノゼ家が子供達を住まわせるために建てたもので、ルリと姉が暮らしている。 「俺、庭の掃除がまだ終わってないんですけど」 「お前、まだ終わってなかったのか。ほんとにどんくさいな。帰っ

      • いつも読んでいただきありがとうございます。 「10 -第ニ部-」2話、アップしました。 1話でヒスイがプテノに乗ってましたが、この3年で1人で活動することが増えたので乗れるように練習しました。今ではすっかり仲良しになったようです。 今回も楽しんでもらえたら嬉しいです。

        • 「10 -第ニ部-」 2話

          【中央へ】 時刻は夜の8時を回ろうかという頃。ソラはミリッサと共に、事務所でトキが来るのを待っていた。 足音が聞こえて扉の開く音がする。トキが「お待たせしました」と入ってきた。 「この度は私の不手際でご迷惑をおかけして申し訳ない」 ソラの隣にきたトキが深々と頭を下げる。その姿は堂々としたもので、とても西と東を間違えた人物には見えない。 「まあ、とりあえず座りたまえ。話はそれからだ」 ソラの向かいに座るミリッサは世間話でもするかのように席をすすめてくる。その軽い雰囲気

        いつも読んでいただきありがとうございます。 「10 -第ニ部-」3話、アップしました。 アヤから中央までは電車で2時間ほどで着きます。中央へのアクセスも良く工業や農業が盛んなアヤは、田舎ながら移住者も多い人気の町です。 今回も楽しんでもらえたら嬉しいです。

        • 「10 -第ニ部-」 3話

        • いつも読んでいただきありがとうございます。 「10 -第ニ部-」2話、アップしました。 1話でヒスイがプテノに乗ってましたが、この3年で1人で活動することが増えたので乗れるように練習しました。今ではすっかり仲良しになったようです。 今回も楽しんでもらえたら嬉しいです。

        • 「10 -第ニ部-」 2話

        マガジン

        • 長編小説「10 -第二部-」 連載中
          3本
        • 長編小説「10」 完結済み
          45本
        • 短編小説「49」 完結済み
          12本

        記事

          以前連載していた「10」という小説の続編を投稿しました。 今回は新しく出てくる幼馴染3人が主人公ですが、前作のキャラクターもたくさん出てきます。全20話の予定です。 続編も楽しんでもらえたら嬉しいです。

          以前連載していた「10」という小説の続編を投稿しました。 今回は新しく出てくる幼馴染3人が主人公ですが、前作のキャラクターもたくさん出てきます。全20話の予定です。 続編も楽しんでもらえたら嬉しいです。

          「10 -第ニ部-」 1話

          【鳥と少年】 夕暮れの路地に軍服姿の人影が浮かぶ。 「こちらレッド。標的を確認。西に向けて逃走しています」 「こちらイエロー。反対側から回り込みます」 「こちらピンク。グリーンとバイオレットはその場で待機。ブルーはレッドとイエローが追い込んだ標的を捕獲しろ」 「グリーン、了解」 「バイオレット、了解」 「ブルー、了解です」 ブルーと名乗った青年は、手に持った網をギュッと握りしめて捕獲地点を目指す。周りは薄暗く土地勘がなければ迷いそうな入り組んだ道だ。だが青年は迷わず目標

          「10 -第ニ部-」 1話

          「10」第42話 【完結】

          【この10年をともに】 地上での目的を果たし、俺たちは無事に地下に帰って来た。 今回のためにたくさんの人が力を貸してくれた。俺とトーカはお礼と無事戻ったことを伝えにみんなの所をまわった。 ラボのみんなは地上に上がる箱がきちんと機能したことを喜び、プティさんが更に改良版を作ろうと目を輝かせるのをサリさんが止めていた。 ノーマには武器を整備してもらいながら今回のことをずっと話していたら「うるさい!」と部屋を追い出された。 みんな相変わらずだ。 フォーラは念の為サカドに危険が

          「10」第42話 【完結】

          「10」こぼれ話3

          いつも読んでくださる方、スキしてくださった方、ありがとうございます。 いよいよ明日で「10」も最終話を迎えます。 決して短くはない話を読んでいただき、また応援していただき、ありがとうございました。 最終話の前にこぼれ話を少しだけ載せておきます。楽しんでいただけたら嬉しいです。 ・34話おまけ マイトは5人兄弟の一番上です。弟2人と妹2人がいます。今は軍の寮に入ってるので離れてる暮らしてますが、毎日連絡はとってるみたいです。 ・35話おまけ 1話で出てきたトーカの写真は

          「10」こぼれ話3

          「10」第41話

          【こたえ】 姉?ナズに姉がいたのか? 不思議な顔でトーカを見ると、トーカも戸惑っていた。 「姉と言っても、本当の姉じゃなく自分の前のヤドだと言っていた。たしかナノカさんだったかな」 トーカの妹さんのことだ。まさかこんな所で妹さんの話がでるなんで。トーカがピクリと反応したのが見えた。 「ヤドというのは役目の前に49日間旅をする決まりがあるのか?」 「そうです」 地上の様子を知るためだと、トーカがこっそり教えてくれた。 「その旅から帰ってくるとナノカさんがまるで別人の

          「10」第41話

          「10」第40話

          【終着点】 「狭い………」 ジンとの話し合いからニヶ月。怪我もすっかり回復した俺は、いよいよ地上を目指していた。………トーカと一緒に箱に詰められて。 「なんで荷物扱いで地上に向かうんだよ」 「仕方ないだろ。テラスタワーには所狭しと監視カメラが仕掛けられてるんだから。生身でなんて行けません」 だからって箱に詰めなくても。 「それにこれはラボが作った一級品だよ。あらゆる機器を欺き中に人がいることを悟らせない。外からは貴族がバカンスを過ごすための旅行荷物だと思われてるだろ

          「10」第40話

          「10」第39話

          【そのために】 「昔々ある所に、心優しい夫婦がおりました」 ジンは子供に寝物語でも聞かせるように話し始めた。 「夫婦は困っている人を助けることが大好き。いつも一人息子にこう言っていました。『弱い人を助けなさい。あなたの手はそのためにあるのだから』息子はその言葉を信じて毎日夫婦の人助けの手伝いをしていました」 あなたの手はそのために…… ジンの手を思い出す。血に濡れたあの手を。 「でもある日、夫婦は殺されてしまいます。神の塔の利益を独占している貴族達がいることを知り、

          「10」第39話

          「10」第38話

          【秘密】 「これで協力者は揃ったな。あとは地上に出入りできる人間でサカドという人の情報を集めてもらってる間に、細かな計画を立てていくか」 ロウからの依頼のあと隠れ家に帰ってきた。今は作戦会議中である。 「ヒスイはしばらくやる事もないし、アジトに帰るか?」 「え〜。じゃあ俺もついてく〜」 「お前は俺と作戦の下準備だろ。というか、アジトには連れていかん」 「そうか。俺も一緒に地上に行くんだもんね」 「不必要に大勢で行ってどうする。行くのはヒスイと俺だけだ」 「なんで!ズルい

          「10」第38話

          「10」第37話

          【一言】 犯人との格闘のあと、孤児院の人に手当てをしてもらいロウが来るのを待つ。犯人はロープを借りて縛ってある。ハイルは抜け殻のように大人しく座っていた。 「おや。これはトーカに怒られるな」 やって来たロウは俺の腕の傷を見て、こともなげにそう言った。 「あの、ハイルの様子がおかしいんですけど」 俺の腕はともかく、完全に生気の抜けてしまっているハイルが気になる。 「ああ。これはまた盛大に壊れてるね」 「壊れ……大丈夫なんですか⁉︎」 「いや。これは復活するまでかなり

          「10」第37話

          「10」第36話

          【思い出して】 「ハイル。今日の任務でお前に同行するジェイドだ」 「ジェイドです。よろしくお願いします」 ロウに連れてこられ、俺は教会の支部にいた。神父の服に身を包み、顔をベールで隠して新人としてハイルに紹介されている。いや、声とかでバレないか普通。 「そのベールは何です?」 「孤児院で酷い虐待を受けてね。顔に傷があるんだ。まわりを怖がらせてはいけないから隠してるんだよ」 「そうですか」 ハイルに疑う様子はない。と言うより他人に興味がなさそうだ。 「ジェイドと言った

          「10」第36話

          「10」第35話

          【人形】 民家が立ち並ぶ郊外にある教会。その一室でトーカと俺は次の協力者候補と会っていた。 「初めまして、ヒスイ君。私はロウだ。よろしく」 ロウと名乗った男はスーツに身を包み、一見すると貴族か何かに見える。 「よろしくお願いします。あの、ロウさんは教会の方なんですよね」 「ああ、この格好のことかい?君たちの組織に協力するのは教会への背任行為になるからね。変装だよ」 爽やかに笑うその姿は好青年そのもので。警戒心なく接してしまいそうになるが、なぜか俺の横にいるトーカがず

          「10」第35話

          「10」第34話

          【未来を見る】 翌日、俺たちは隠れ家でソワソワと来客を待っていた。昨日の結果を直接伝えたいと、大佐がここに来ることになっているのだ。 「お茶とお菓子これでいいかな?甘い物より辛いもののほうが好きかな?」 「クキ、お茶会にくるんじゃないぞ」 「だって粗相があって協力者の件が無くなったらイヤじゃない」 ミリッサを迎える時はこんなに緊張してなかったのに、やはり地上への協力がかかってるとなるとみんな緊張している。 そうやってバタバタしていると玄関がノックされた。 「ミリッサだ

          「10」第34話