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雨の日の美術館Ⅵ

「雨の日の美術館」は、2017年のレールガン開発の顛末(サドガシマ作戦の4、5年前)を書いたものですが、なぜか、日本人男女のお付き合いという脱線になってます。

エレーナ少佐のサドガシマ作戦、時系列 R1
マガジン『エレーナ少佐のサドガシマ作戦


男と女で異なる「浮気の定義」どこからNG?どこまでOK? 許せる境界線も違います

カップルや夫婦の喧嘩の原因として思い浮かぶのが、「浮気問題」ですよね。ほとんどの場合、浮気されたほうは「信じられない! ひどい!」と怒り心頭ですが、そもそも男性側は「浮気した」とすら思っていない場合も……。こんなすれ違いが生まれないよう、今回は男女で違う浮気の定義や許せる境界線をご紹介します。

● こんなに違う! 男女別に考える「浮気の定義」

まずは、「浮気の定義」について、男女でどのような違いがあるのかを見ていきましょう。

● 男性の考える「浮気の定義」

男性の場合、女性よりも浮気の定義が緩い傾向があります。もちろん人によって違いますが、一般的に多い定義は……

・キスしたら浮気
・体の関係を持ったら浮気
・夜に2人きりで食事をしたら浮気

などです。男性的には、キスや体の関係などのスキンシップで浮気が確定するようですね。また、夜の2人きりの食事は「いい感じの雰囲気になりやすいから」という理由。やはり、「スキンシップまで至らなければ浮気じゃない」と、割と大目に見る男性が多いのかもしれません。

● 女性の考える「浮気の定義」

続いては、女性の考える浮気の定義です。男性に比べて、浮気の定義が厳しいようですね。人によりますが、特に多い定義は……

・手をつないだら浮気
・会ったことを隠していたら浮気
・頻繁に連絡を取り合っていたら浮気

など。これはつまり「キスや体の関係は言語道断!」ということ。そして、男女の友達同士ではほとんどしない「手をつなぐ」行為も、浮気と判断する人が多いようです。また、会ったことを隠すのはやましい気持ちがあるからアウト。毎日連絡を取り合うのも、友達以上で行うものだからアウトなど、明らかな友達だと断言できない関係は浮気とみなされるようです。

● 浮気の定義にひっかかった時…男女で違う「許せる境界線」

続いては、実際に恋人が浮気をしていた時、男女では「許せる境界線」にどのような違いがあるのかをチェックしてみましょう!

● 男性の考える「許せる境界線」

男性に多いのが「基本は許さないけど、とりあえず話を聞く」という意見。こちらに非がある場合もあれば、ケースによっては反省の色が見られる場合もあるからだそう。その上で、許せるかどうかの境界線は、男性によって大きく差が開くようです。

● 女性の考える「許せる境界線」

女性の場合、いくつかの許せる境界線があるようです。たとえばこちら。

・最初の浮気だった場合
・浮気相手が自分の友達や知り合いではない場合
・長期間にわたる浮気ではない場合

このような場合は「一度なら許される可能性が少しだけある」という状態です。逆にいうと、2度目以降の浮気、自分の友達との浮気、長期間にわたる浮気であった場合、ほとんどは許してもらえないでしょう。

どんな事情があっても、このラインを超えたら別れを告げられてしまうかもしれませんね。

● 男女で「浮気の定義」や「許せる境界線」は大きく違う!

こうして見ていくと、男女で浮気に対する考え方が大きく異なることがわかりましたね。男女の考え方の違いを知っておくだけでも、お互いの誤解を生まずに済むかもしれません。


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雨の日の美術館Ⅵ
2017年11月14日(火)、優子

 三國優子のマンションは大井町駅の東口を出て品川方面に徒歩6分にある。マンションとは名ばかり、アパートだ。

 京浜東北線沿いの道を歩く。線路を隔てて正面はJR広町の引込線になっている。何年か経てばJRは引込線区域を再開発して高層ビルを建てる計画だ。家賃は9万5千円と管理費4千円。間取りは四畳半二間に六畳のダイニングキッチン。小さい押入れが優子の部屋の方に付いているが他に収納スペースなどない。優子と智子は家具など買わずにスーツケースに衣服をしまっている。寝具も布団だ。四畳半にベッドを置いたら動き回るスペースなどなくなってしまう。

 彼女らパーサーの給料は17~18万円。副収入が各々10万円というところだ。厚生年金、健康保険、雇用保険、所得税、住民税を引かれると月24万円ほどが手元に残るだけだ。賞与も年2回だが1ヶ月半出ればいいほど。三十万円以下だ。二人で折半している家賃を払うと月二十万円未満しか残らない。京急沿いや東急沿いで駅から離れていればもっと安い物件も有るが、JR大井町を使って通勤するのが東京駅にもっとも近い。

 尾崎と神田駅で分かれた優子は大井町からの暗い線路沿いを歩いて部屋に帰ってきた。上を見上げると部屋の照明はついていない。智子はまだ帰ってないんだな、と優子は思う。まだ9時ちょっと過ぎ。今日は彼女はガールズバーのバイトか婚活にでも行っているんだろう。郵便受けを見た。封書の請求書ばかりだ。彼女は階段を2階に上がる。奥の角部屋だ。部屋の照明をつけた。

 優子の後ろを歩いてきた中年の女性がいた。優子がマンションに入るのを横目でちらりと見る。スマホをいじりだして立ち止まった。優子の部屋が明るくなったのを見た。この子はあの部屋に住んでいるんだなと女は思う。女はスマホを見ながら品川方面に歩いていった。

 その女の後ろを数十メートル離れてサラリーマン風の男も同じ道を歩いていた。男も優子のマンションを横目でちらりと見たがそのまま女と同じ方向に歩み去った。

 優子はマンションに入ると智子の部屋を通って自分の部屋に行く。DKに面しているのは智子の部屋だけで彼女の部屋を通らなければ自分の部屋には行けないのだ。優子と智子の部屋は両方とも線路向きのサンルームに出られる。バルコニーもガラスの引き戸があるので洗濯物が雨に濡れる心配がないのが良いポイントだ。下着ドロの被害に遭うこともない。バルコニーと言っても幅90センチほどだ。

 優子は自室で部屋着に着替えた。エアコンをつける。部屋のカーテンを引いて明かりが外にもれないようにする。キッチンから灰皿を持ってくる。サンルームに出てガラスの引き戸を開けた。

 ヨイショッと言ってサンルームの床に体育座りをする。タバコに火をつけた。外と隣近所から見えないようにした。喫煙がバレるとうるさいのだ。智子はタバコを吸わないからキッチンの換気扇の下で吸うわけにもいかない。おまけに換気扇の排気は外廊下に出るので臭いがする。

 智子がいない部屋はいつもは寒々としている。部屋をシェアして良かったと思う。これが一人だったら耐えられない。もちろん、一人暮らしだったらもっと駅から遠い六畳一間のアパートを借りなければいけないだろう。

 今日は尾崎さんと知り合えて良かったと優子は思う。お互いタバコを吸う、お酒の好みも似ている、ニヒルで紳士的、知的。こういう人ってたいがいお付き合いしている人がいるんだもの。

 でも、明後日会えるんだ。断らないで新幹線の便を合わせてくれるのなら脈はあるかしら?まあ、乗務の帰りに一杯付き合える異性の友だちがいるのも良いものだわ。

 官兵衛でおつまみばかりで何も食べなかったので、お腹がすいたことに気づく。何か作ろう。冷蔵庫を漁る。バジルとパセリ、トマトが有る。オイルサーディンとカッペリーニがあったっけ。

 カッペリーニはイタリアそうめん。直径が0.9mmなので茹で過ぎ注意。茹で過ぎるとベトベトになる。だから、最近は茹でない。ソースパンに水を入れて沸騰させたら火を止める。そこにカッペリーニを投入。本来の茹で時間が2分だから、茹でない場合は3分半から4分。時々アルデンテになっているかどうか噛んでみる。うん、3分半だ。茹でないので時間が立ってもべとつかない。表面が乳化しないからかしら?麺を取り出したら氷水でよく冷やす。

 ニンニクとオイルサーディン、パセリ、バジルのみじん切りをかるく炒める。冷やしたカッペリーニに八等分したトマト、ちぎったパセリとバジルを散らし、炒めたオイルサーディンをかける。ペッパーを少々。少し多めに智子の分も作っておく。帰ってこなければ明日の朝食で食べれば良い。

 カッペリーニを食べて食器を洗っていると智子が帰ってきた。まだ十一時前だ。「ただいまぁ~」と智子。ダダ下がりの挨拶。声に張りがない。また、デートか婚活失敗だったのかしら?と優子は想像する。

「ご飯食べてきた?冷製カッペリーニ作ったんだよ。食べる?」と彼女に聞く。
「食べるわ!食べる!もうね、ひどいったらありゃしないのよ。ドン引きよ、ドン引き!」とハンドバックをダイニングのチェアにひっかけてドサッと座った。
「また?4回に1回は聞くわね、そのフレーズ?」

「婚活サイトのドン引きした体験の統計によると、30人中23人は『ドン引きしたことがあった』という結果らしいわ。『ドン引きしたことがある』と回答したのはそれぞれ三十人中女性16人、男性7人みたい。ドン引きするような男子の方が多いみたい」

「お金を使って気分が悪くなるようなら婚活なんか止めればいいじゃない?」
「優子、私たちの仕事って出会いの機会が少ないでしょ?職場は女性ばかりだし。だから、いい男をゲットするためにも婚活パーティーは必要なのよ!もう、アラサーになっちゃったし。焦っちゃうわよ。あなたも婚活しないとダメよ」

「ハイハイ」と優子は聞き流す。いつものことなのだ。婚活なんてしてもそれに参加する男性ってロクなのがいそうもないと思う。智子もドン引きばっか。ゲットしてもダメンズばかりじゃない。お金を使うだけ無駄だわ、と優子は思っている。

 冷製カッペリーニを盛り付けて智子の前に置いた。コルクを抜いたワインもあったわね?と思い出して、ワイングラスに自分の分と一緒についでワインも出した。「それで、どんなドン引きだったの?」

 智子はパスタをフォークでクルクル回して口に放り込む。ワインをグビッと半分飲み干す。「それがさあ、先週パーティーで会って、プロフもいいのよ。二部上場の企業に勤めている人で容姿もそこそこ。向こうも私のプロフカードを見て納得してくれたの。乗務が終わって東京駅を出たのが6時半だったじゃない?それから待ち合わせの渋谷に行ったの。今日初デートだったのよ。彼が食事を予約してくれていた。イタ飯でね、悪くないお店だった。優子、今度、一緒に食べに行こうよ。コスパがいい店なのよ。ワインもスパークリングと白、赤を頼んでくれて、お勘定も彼が払ってくれたの」

「あら、申し分ないじゃない?」
「でもね、イタ飯屋を出てから、彼がソワソワしだすのよ。手を繋いできたりボディータッチが多かったの。それでさ、ブラブラ歩いている内に円山町のラブホ街に向かおうとするのよ。円山町よ!ラブホよ!初デートで!」

「出会ったその日にセックスなんて智子にとって珍しくないでしょ?」
「それは、そういう相手だからよ。こっちもやる気マンマン、あちらもナンパしてきてそれ目的!というならお互い目的がハッキリしているからやるわよ。でも、婚活相手よ!これから結婚しようと思っている相手で、それが初デートでヤリ目的で、それもラブホよ!せめてシティーホテルぐらい考えてこいってんだ!だから、私、初デートで体を許すような女じゃありません!って言って渋谷駅に逃げて戻ってきたのよ」

 ナンパ目的でも婚活相手でも変わりなさそうに思えるけど・・・ラブホもシティーホテルもやるのに変わりはなさそうなんだけどなあ・・・智子はシティーホテルでならやっちゃったんだろうか?

「それが智子流の矜持なんだね?」
「わかってくれたか、優子。正式な交際前に体を許す女に思われるのは癪なのよ。それにね、どうも彼の体臭も気になってさ・・・」
「体臭?」
「彼から何か生臭い臭いがしてきて、こりゃあ合わないわと思った」
「相手に生理的な嫌悪をだいたのね?」
「匂いって大事よ。そう思わない?」
「それは確かに。でも、相手もこっちの匂いを気にする、相身互いってことは言えるわよね?」
「優子、私、変な匂いしない?」
「いい匂いよ、私にとって好感度が高い体の匂いだわ」
「優子なんて、女の私もメロメロになっちゃう体臭」
「あなた、そういう変なことは言わないの・・・あ!そのプロフカードって何?」
「え?見る?私のプロフカード」

 智子がプロフィールカードをハンドバックから出して私に渡した。「どれどれ?」

智子のプロフィールカード

「年齢はサバよまないんだ?」
「そういういつかバレルことは書いちゃダメなんだよ」
「ふ~ん・・・職業が『パーサー』って、わかる人がいるの?」
「それが話の接ぎ穂になるのよ。『新幹線の・・・』とか説明して。単なる売り子とイメージされるとイヤだから『シニアパーサーなんですよ』って付け加えるのよ」

「売り子に変わりはないけどなあ・・・智子!あなたの性格が『サバサバ』?」
「『ウジウジ』なんて書けないでしょ?優子をイメージしました!」

「それこそバレるでしょ?・・・ちょっとぉ、休日の過ごし方が博物館巡り?オススメの映画がアヴェンジャーズ?最近気になることがカウンターバー?得意料理って、天ぷら・煮物・豆料理?これ、みんな私のことじゃないの?」

「だぁから、優子をイメージしました!」
「趣味特技がクッキング?ソーイング?読書?テニス?デートの場所が映画館と水族館?好きなアニメがヤマトと鬼滅の刃とルパン?」
「好感モテるでしょ?」

「喫煙とペットと甘えたいと結婚歴以外ウソばっかり!」
「優子が男性から好感を持たれるってことなんだよね」
「あなた、博物館や水族館、アニメや映画のことを聞かれたらどうするのよ?」
「だって、優子が話してくれたことをそのまま話せばいいじゃん!」

「相手にお呼ばれして彼の部屋に行って、料理をせがまれたらどうするの?」
「優子に作ってもらって、タッパに入れて、彼の部屋でチンだけすればいいんじゃない?時間がかかるから家で作ってきました!、なんちゃって」

「呆れた!休日、ガールズバーの仕事がない時は、場外馬券売り場に行ってるでしょ?それか、私はもうあなたが何股かけてるかわからなくなっちゃったけど、デートしてるか。男性で好きなタイプってダメンズじゃない!デートにいきたい場所って居酒屋かファミレス、食べ放題のビュッフェでしょ?おまけに身長は163センチ?それ、私。智子は158センチでしょ?」
「男はヒールの高さを考えないから5センチぐらい誤魔化せるわよ。でも、その他で優子様、そういうことを正直に書けますか?私の真実を?」
「・・・書けない・・・ね・・・」

「ねぇ~優子ぉ~、お酒ないの?こんばんは飲みたい気分だよぉ~」
「もう、ワインはおしまいよ。先週飲んだ残りだったんだから」
「優子の秘蔵のウィスキーが有るでしょ?」
「あんた、たまには自分で買ってきなさいよ」

 金回りが良いときでも服やバッグは買うくせに智子はお酒は買わないのだ。いつも優子のストックをあてにする。ちょっとタカリ体質なのかもしれないと思った。デートや婚活の愚痴でもお店のお勘定の文句が多い。食材はたまに買ってきたりお金を出してくれるのだが。

「仕方ないわね」と優子は言ってシンクの下から緑の筒に入ったボトルを取り出した。「グレンフィディック12年だよ。5千円なんだから」
グレンフィディック12年

「おぉ~、12年!」と智子が食器棚からタンブラーグラス2個を取り出す。冷蔵庫から袋に入ったままの氷と炭酸ソーダのペットボトルをテーブルにおいた。
「智子、あなたまたハイボール?」と優子は自分の分のロックグラスとステンレスのアイスペールを出して氷をアイスペールに移した。「智子の割り方だと酎ハイなみに割るからシングルモルトの12年だろうが角瓶だろうが味がわからなくなっちゃうじゃない?」

「優子みたいにロックで飲めないよ。アルコール度数高すぎ!」
「ストレートとは言わないけど、ロックにしたら氷もだんだん溶ける。度数が高いと感じるなら別のグラスにソーダをチェイサーにして、交互に飲めばいいじゃない?」
「お腹に入れば同じだと思うんだけどね・・・」
「まあ、いいわよ」と優子は智子の分量でハイボールを作った。
「あ~、おいしい。さすが12年よね?」
「銘柄と年数と値段で言ってない?」

「12年のシングルモルトで5千円だもん。おいしいに決まってる!」
「あなた、ワインでも値段で判断するもんね。値段をつけているのはレストランの人間で、仕入れ価格にどれだけマージンをのっけているかわからないじゃない?それこそ銘柄と年数、それに保存状態で決めないと」

「この前も優子はレストランで、あれ?なんて言ったっけ?なんか言ってボトルを取り替えさせたわよね?」
「ああ、『ブショネ』。コルクが緩んでいたりして、保存中に空気が混ざって長年酸化してしまっている状態のワインをそう呼ぶのよ」
「普通、それでワインをボトルごと交換させる?ハズイじゃない?クレーマーみたいで?」

「グラスワインじゃなくてボトル指定でソムリエがいるレストランよ?『ブショネ』じゃないちゃんとしたワインを期待してお金を払うのよ。それが『ブショネ』だったらワインメニューに有る値段に見合わないワインを出されたってこと。当然交換しないといけないわ。ソムリエの責任よ」
「どうやって気づいたのよ?私は美味しいと思ったけど・・・」

「ちょっと濁ってた。同じワインを飲んだことがあって、その香りじゃなかった。間違えると失礼だからしばらくおいておいて、グラスを回して開かせようとしたけど、雨の日の段ボールのようなにおいは変わらず。だから、ソムリエに『テイスティングして頂けます?失礼ですけどブショネじゃないですか?』と言ったのよ。あのソムリエもコルクを空けた時顔をそむけたから気づいていたと思う。『失礼しました』って交換してくれたじゃない?本当は気づいた時点で交換するのがソムリエの良心だと思うけど」

「私じゃできないなあ。第一、その、何?ブショネ?だってわからないものね。でも、あのワイン、3,900円でしょ?それほど高くないし・・・」
「3,900円だろうが、3万9千円だろうが、それに見合う代価の物を出すのがお店の義務。車の欠陥品を売っていたらリコールされるでしょ?あなたが婚活のプロフカードにウソの情報を書いて売り込もうとするようなもの」

「・・・私、ブショネのワインにならないもん!」と智子がぼそっとつぶやく。
「あら、私、あなたを皮肉ろうとしたんじゃないわよ。あなたがブショネの話をしだすから・・・」
「わかってるわよ、優子。でもさぁ、婚活って『銘柄と年数と値段』がまず大事でしょ?でも、優子が言うのは、『3,900円だろうが、3万9千円だろうが、それに見合う代価の物』を気をつけて保存し続けることなんでしょ?その保存の仕方が悪かったらブショネになっちゃう。酸化しちゃう。私みたいにブショネだと気づかないで飲んでしまう人もいるけど、優子みたいに『銘柄と年数と値段』じゃなく判断する人にはブショネだとわかっちゃうのよ。私、私自身が3,900円でも3万9千円でもいい。素のままの値段でいい。だけど、ブショネにはなりたくない!」

「ふ~ん。なるほど。じゃあ言うけど、あなた、時たま自分の体を相手の人質にしてない?本命の彼氏と別れてからここに戻らずに会社に直接行くことが多くなってきたわ。それ、自分の体で相手を縛ろうとしていない?それも何股もかけていない?」
「それは・・・」
「そういう男女の相互依存と所有欲、顕示欲をセックスを道具にしていないかな?なんてあなたから感じるのよ」
「そうなのかな?私は気があったら寝ちゃうだけだけど・・・」

「寝ちゃうのが必然ではなく偶然に頼っているということね」
「優子、私、あなたと違って頭が良くないからこういう難しい話は・・・」
「まあいいけど。ただ、このままだと、あなたは自分をすり減らしていくだけなんじゃないかな?と思う。ブショネになりたくなかったら、自分を変えないと」
「どうしたらいいの?」
「それは私は私だけの処方箋を知っているだけ。智子の処方箋はわからない。でも、付き合ってあげるからさ、婚活ばかりしていないでたまには私と一緒に美術館とか博物館とか行ってみよう。それがいいかどうかわからないけど、場外馬券売り場よりはまだブショネ防止になるかもね?」
「婚活を減らすのかあ・・・そうなると、出会いの場が減るだろうし・・・」

「あ!そうそう、今日ね、東京駅の喫煙所で偶然会った人がいて、神田のバーでお酒を飲んだの。明後日も新大阪からの出張で、もしかしたら私と同じ便の新幹線に乗ってバーで飲みましょうって約束をしたのよ。智子も一緒に行かない?お酒の好みも似ている、ニヒルで紳士的、知的だった」
「その人、優子のお相手でしょ?」
「別にお付き合いの約束をしたわけでもなく、一緒にタバコを吸ってお酒を飲んだだけだもの。彼に付き合っている人がいるかどうか、なんてことも今日の今日だし聞いていません」

「優子、その人、好きなんでしょ?」
「好みのタイプね。一緒にいても安心できる。でも、これからどうなのかもわからない。智子が良いなら、婚活以外でどういう男性がいるのか、お話だけでもいいじゃないの?彼にも聞いておく。同僚と一緒でいいですか?って」
「わかったわ。明後日ね。デートも婚活も取りやめ!いろんな機会を大事にするってことね?・・・ブショネ防止で・・・」
「そういうことよ」

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フランク・ロイドのリンク

参照:フランク・ロイドのマガジン

私のトップページを見ても、続き物が多いので、何がなにやらわかりません。できれば、下記のマガジン一覧から追っていただければ幸いです。フランク・ロイドのリンク


マガジン「エレーナ少佐のサドガシマ作戦」

マガジン「縄文海進と古神道、神社、天皇制

マガジン「ヒンズー教と仏教の原風景

マガジン「フランク・ロイドのエッセイ集」

マガジン「フランク・ロイドのサイエンス」

マガジン「フランク・ロイドの音楽」

マガジン「フランク・ロイドの『総集編』」

マガジン「フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス」

マガジン「性同一性障害と勘違いして悩む義理の妹に悩むぼくの物語」


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