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有名作品の前の群衆。この光景に違和感を持った。美術鑑賞を文化鑑賞に。
上の写真はそれぞれ、ルーブル美術館の《モナリザ》(見出し画像)、ウフィツィ美術館の《春》(図1)です。ご覧のように常に大勢の人に囲まれ、スマートフォンやカメラが向けられています。
上記2作品の前で、作品そのもののよさや美しさに魅せられている人がどれだけいるでしょうか。また2作品それぞれの近場にある他の作品と比べて、誰が見ても明白な何らかの差はあるのでしょうか。
ルーブル美術館もウフィツィ
世界一周12か国目:イラン美術
今回は諦めよう仕方ないと何回も自分に言い聞かせたイラン。本当に美しい国でした。
事前準備ビザ申請
まずイラン入国にはビザが必要です。日本人は空港でアライバルビザが以前は取れていましたが、2022年12月時点の情報でアライバルビザが停止しているとのことだったのと、当初はトルコのヴァンからイランのタブリーズまで陸路国境越えを予定していたため、イスタンブールのイラン領事館にてビザ申請しました。イラ
世界一周10か国目:ウズベキスタン美術(2022年12月~2023年1月)
世界一周7か国目はインドネシアですが、インドネシア美術については以前部分的に記事を書きましたので、こちらをご参照ください。
国際情勢を読み、ウズベキスタンから世界一周再開シルクロードの十字路
シルクロードの十字路、青の都にやって来ました。8か国目日本、9か国目韓国を経由し、ウズベキスタンから世界一周を再開しました。
街を歩くと行き交う人に契丹人かと聞かれます。契丹人と検索するといい感じの
世界一周6か国目:スリランカ美術(2022年9月23日~10月1日)
経済破綻、そして大統領逃亡 バンダラナイケ国際空港からコロンボまでのエアポートバスは空港時点では同乗者0で、途中乗り込んできた人たちも観光客ではなく現地のスリランカ人のみでした。外国人は筆者のみ、そして運賃もガソリン価格高騰により相場の3倍ということもあり、渦中にいることを実感した矢先、道中目に飛び込んできたのは炎に包まれた大型トラックでした。
ある意味想定を裏切らない光景を目の当たりにし緊張が
世界一周5か国目:ネパール美術(2022年9月9日~9月22日)
インド→ネパール→ブータン入国を断念 インドでは入国後すぐ警察に捕まりかけるなどトラブルの嵐でしたがなんだかんだ乗り越えて出国し、ネパール入国しました。ここでのお目当てはネパール最大の祭りの1つ、インドラジャトラ。入国日が初日で1週間ほど続きます。
9/23新規観光客受け入れ開始のブータンに照準を合わせてこの進路で来たのですが、元々ハードルが高いブータン入国がコロナによる規制改定で2泊3日でも2
世界一周4か国目:インド美術(2022年8月11日~9月9日)
インドには南の玄関口チェンナイから入り、1ヵ月間で南から北まで陸路で進んだ総移動距離は約5,000kmでした。
旅路に関係なく造形的な発展過程を言うと、①インドの原型、儀礼中心の時代を見られるバラナシ、②イスラム系やヘレニズム(ギリシャ)の影響を受けるなどして仏教が造形活動と結びついた北部、③そこから派生したヒンドゥー教美術は南部、となります。
旅路的には南から順に、チョーラ朝の最高傑作
世界一周3か国目:カンボジア美術(2022年7月28日~8月10日)
今回のカンボジア編では、シェムリアップ以外にも多数あるクメール帝国が残した遺跡を中心に見ていきます。カンボジアのシェムリアップには今から8年前、2014年に既に訪問済みですので、以下の記事をご参照ください。
タイ国内のクメール遺跡 元々クメール帝国の領域内だったタイ国内では、クメール美術はロップリー美術と呼ばれ、人よりも猿が多いロップリー遺跡がよく知られています。そこから東に240kmほど進む
世界一周しながら各国の美術を伝える・美術で伝える/「noteクリエイターサポートプログラム」応募記事
支援してほしい活動の内容 現在世界一周しながら各地の美術文化を当ページ【世界の美術を巡る旅】にて発信しています。「美術を伝えること・美術で伝えること」が旅の2本柱です。額縁の中で完結しない現地に根付く美術を見て回っています。
【世界の美術を巡る旅】コンセプト
世界一周しながら実際に発信しているnote記事
支援を希望する活動をしたい動機・理由 芸術文化の美しさに感動できたら、人はその国
世界一周2か国目:ベトナム美術(2022年7月14日~7月28日)
前記事1か国目のタイ美術に続き、本記事はベトナム美術についてです。
ベトナム美術の「型」 どの文化圏の美術も、まずは文字情報的な役割があったりして表現に型があり、大抵の場合初期段階では固さの目立つ絵画や彫刻などの表現になります。一種の文字情報に近い形式的な表現です。
タイ・カンボジア・ベトナム3か国それぞれの美術成立過程
1か国目に訪れたタイでは、タイとクメール2種類のそういった古典的な美
世界一周1か国目:タイ美術/後編(2022年6月15日~7月14日)
躍動するタイの守り神たちチェンマイの寺院
日本では寺院と言えば厳かな雰囲気や質素倹約、侘び寂びと言った日本的美意識を主にイメージするかもしれませんが、タイの寺院は躍動しています。前回の記事では堂内にある壁画を取り上げました。
本記事では堂外にある彫刻や浮彫を取り上げます。タイの寺院で特に躍動感を感じたのは、チェンマイ旧市街においてです。大抵どの寺院もまず階段の下で靴を脱いでから上がり、堂内
世界一周1か国目:タイ美術/前編(2022年6月15日~7月14日)
タイの仏教壁画 添付の壁画はワット・プラケオのもの、またワット・シュタットという寺院の壁画を動画で撮影したものが以下です。
このレベルの壁画が当たり前のように、他にも各寺院の大仏殿に描かれています。恐るべしタイ。内容は大体釈迦の人生についてか、ラーマーヤナをタイ版に編集したラーマキエンの物語です。
ヒンドゥー教は神と人が混在している世界なので神が建物の中、人は建物の外または塀の外にやや辛そ
カンボジアの美術(2014年9月)
カンボジアに行った理由 中南米美術館にて海外の美術文化に興味を持ち、メキシコのテオティワカンやペルーのマチュピチュなど古代遺跡に行こうと、行き方を調べ始めました。
しかし開始早々に断念。飛行機の往復チケットだけでも相当な金額で、とても手が届きませんでした。そこで書店や図書館で本を読み漁っていたあるとき、カンボジアにその欲求を満たし得る遺跡があることを知りました。アンコール・ワットです。(図1)
BIZEN中南米美術館 ―それまで「美術」だと思っていたものとは圧倒的に違う何かに釘付けになった―
海外の美術文化に興味を持ち、旅に出るきっかけとなった岡山県備前市日生町のBIZEN中南米美術館(図1)。日本で唯一中南米に特化した美術館です。
2014年8月31日、名物カキオコ(牡蠣お好み焼き)を食べに日生を訪れました。そこで「五味の市」なども併せて散策していたときに目にした、中南米美術館と書かれた案内標識や看板の数々。こののどかな港町に、なぜ中南米に関する施設があるのか。興味本位で見に行き
この絵を見るために。初海外一人旅。
アブドゥル・アジズ作《惹かれあう心》@ネカ美術館 この絵(図1)を見にネカ美術館に行くためにバリ島に行った2013年、19歳の春、人生初海外一人旅。バリ島と言えばビーチリゾートをイメージするかもしれませんが、それはバリ島南部の一部のエリア。滞在したのは市街地のクタと芸術の村ウブド、またその以北。バリ・ヒンドゥー最大の祭りガルンガン・クニンガンを挟む日程で、祭りの翌日には若者が50人~100人程の群
もっとみるもし富士山に街ができたら
もし宮島に街ができたら 2017年に世界遺産に登録された沖ノ島と同じように、宮島も元々は島そのものが御神体でした。そのため、神の上に社を建てるのはおこがましいということで、島の外に社を建てた。それが現在の海に浮かぶ厳島神社です。このような経緯がありながら、現在宮島には家々があり、人々の暮らしがあります。
岡山城の元々姿 岡山城は元々、もっと広範囲に石垣が張り巡らされてたり堀があったりでした