青の6号

現象の奥に横たわる意味をもうひと掘りして考えてみようと思います。 そうすると少しだけ自…

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現象の奥に横たわる意味をもうひと掘りして考えてみようと思います。 そうすると少しだけ自由に生きられる気がします。

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    世の中の仕組みはどうなっているのか、現象の奥の意味を一枚深く考えるとちょっとスッキリ見えてくる、そんなヒントを考えます。

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記事一覧

立ち止まるのではなく

立ち止まるのではなく、かといって振り捨てていくのではなく、それだけでは進んでいけないと思ったことを一握りの課題として残しつつ、しかし語りすすみ、よきところで、そ…

青の6号
6か月前

弁証法②

説明の仕方としての弁証法をひっくり返す人もいた。つまり、現実の世の中の進みかたが弁証法的であると発見したように言う人だ。ヘーゲルという人もそうだった。これは、こ…

青の6号
1年前

経済学は大丈夫か

私はいろいろな環境の会社で働いてきました。 総括原価方式で動くような非資本主義的企業(つまり、需要と供給を形的にあまり切迫して考える必要がないような企業) 一般的…

青の6号
1年前

組織の中で本当に力があるのに不遇をかこつ人々へ

こうすれば、価値を作り出して行けるという注記以上の見通しが建てられるか それはなぜ実行できないか それを実行するには誰にどう任せチームを作るのかという点をはじめ…

青の6号
1年前

朝日新聞政治部 を読む。

「朝日新聞政治部」を読んだ。問題の核心は、福島原発の吉田所長が供述した調書を朝日がスクープしたが、それは誤報であったと朝日新聞自体が謝罪したと言うことの是非であ…

青の6号
1年前

日本人は力による現状変更に対し、多くの市民に犠牲が出ても戦うのか?という考察の現実性について。

連日 中継で見るかのようにロシアのウクライナ侵攻の様子がテレビを賑わせている。 これを見て 日本人は何を感じなければいけないのか、何を感じているのか。 私の感じ…

青の6号
1年前

NHK改革の失敗

銀行出身の経営者が会長となってNHKでは今かなり大掛かりな改革が進められているようだ。何のための改革か、1つだけはっきりしているのは、50代を中心とする年齢の者を現場…

青の6号
1年前
1

侵略が違法である?ことについて

Wikipediaを引くまでのなく、侵略(しんりゃく、(英: aggression)とは、直接武力をもって他国の領域に侵入(侵攻)したり、攻撃すること、一国が他国に対する要求を貫徹す…

青の6号
2年前

事実と報道

ツィッターやYouTube、フェイスブックなど、個人相互の通信は結局、一人へではなく、大量の人への発信に使われる。大量への発信という点では、放送と変わらない。 たくさん…

青の6号
2年前

世界は、あなたは、何に向かっているのか?

世界が何かに向かっていると捉えた時、なにに向かっているのか。 一言で言えば、自分がして欲しくないことを他者にはしないで済むような関係性の構築だろう。 言い換えれば…

青の6号
2年前

ホモプルーティア

資本主義だけが残った の著者 ミラノヴッチの言葉で資本所得と労働所得ともに高いヒトのことであり、現代の資本主義下の特徴であるという。 まさしくそうであろう。 会社…

青の6号
2年前
1

新しい経済

物に対する需要と供給で人がつながり、そのアンバランスがカネというもので図られ、その個人収支が格差という形で現れる。もちろん、需給の繋がりは、直接、個人対個人では…

青の6号
2年前

鳥がぼくらは祈り、 島口大樹

それぞれに父を失い崩れた家庭を持った4人の男子高校生の再生と友情の物語であるが、文体にある特色がある。この4人の主語がくるくると入れ替わり、映像のように、一つ一つ…

青の6号
2年前

きことわ 朝吹真理子

記憶と時間から見た日常と言ったら良いのかもしれない小説である。ストーリーは、ほぼ無い。葉山の別荘で幾たびか共に時間を過ごした歳の離れた女の子が40を過ぎ、別荘をた…

青の6号
2年前
1

土の中の子供 中村文則

強度の強い小説である。両親に捨てられ育ての親に埋められて殺されそうになった過去を持つタクシー運転手。死の危険にわざと身をまかせるような衝動から逃れられない。死の…

青の6号
2年前

おばさんを見習うところから社会が救われる

宮台真司が的確な言葉で言っていた。 社会がどんどんクソ化し、人間がどんどんクズ化していく。もう少し上品な言葉で言えば、例えば損得 以外の配慮をしない人間が増大し…

青の6号
2年前
1

立ち止まるのではなく

立ち止まるのではなく、かといって振り捨てていくのではなく、それだけでは進んでいけないと思ったことを一握りの課題として残しつつ、しかし語りすすみ、よきところで、その課題の1塊を拾いに行き、そのことによって今進んでいる方向が何を意味するのか考え、それらを繰り返すことによって、自分の考えると言う事の構造をあぶり出す、そしてそのことによって、人間と言う意識が生み出す、意識の複数社会と言うものを成り立ちの構

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弁証法②

説明の仕方としての弁証法をひっくり返す人もいた。つまり、現実の世の中の進みかたが弁証法的であると発見したように言う人だ。ヘーゲルという人もそうだった。これは、こういうことだろう。世の中で生きている人は、少しづつずれながらも共通の概念を持っている。しかし、その概念自体が、現実の出来事をとらえようと人々がするごとにその差異がぶつかり合って新しい概念になって育ってゆく。そしてそれに沿って現実が違う局面を

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経済学は大丈夫か

私はいろいろな環境の会社で働いてきました。
総括原価方式で動くような非資本主義的企業(つまり、需要と供給を形的にあまり切迫して考える必要がないような企業)

一般的な大手資本主義企業

一般的な従業員30人に満たない中小企業

業種で言えばメーカー、サービス業、卸業

これらを経験していて思うのは、日銀や学者の経済学と言うものが、経済実態を反映するモデルとして全く粗い、だから機能しないのだという当

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組織の中で本当に力があるのに不遇をかこつ人々へ

こうすれば、価値を作り出して行けるという注記以上の見通しが建てられるか

それはなぜ実行できないか

それを実行するには誰にどう任せチームを作るのかという点をはじめ、ブレイクスルーするためのアクション計画をどう作るか

そしてそれをどのような言葉や手業で実行してゆくか

この三つの段階の思考ができる人がリーダーとなるべきなのである

さらに、それを実行するとき失われるもの、実行したときの人々の幸せ

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朝日新聞政治部 を読む。

朝日新聞政治部 を読む。

「朝日新聞政治部」を読んだ。問題の核心は、福島原発の吉田所長が供述した調書を朝日がスクープしたが、それは誤報であったと朝日新聞自体が謝罪したと言うことの是非である。

このケースはそんなに複雑なことでは実はない。

スクープした調書は、本物であったわけであるから、虚報であったわけではない。
ただ、「誤報」をどう定義するのかと言うだけの問題である。形式的には。

この問題は報道と言うことの構造をよく

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日本人は力による現状変更に対し、多くの市民に犠牲が出ても戦うのか?という考察の現実性について。

日本人は力による現状変更に対し、多くの市民に犠牲が出ても戦うのか?という考察の現実性について。

連日 中継で見るかのようにロシアのウクライナ侵攻の様子がテレビを賑わせている。
これを見て 日本人は何を感じなければいけないのか、何を感じているのか。

私の感じるところから述べてみたい。
結論から言えば、
①日本人も侵略を受けた時このウクライナ人のように戦うだろうかという疑問。
②それに連関し、「やはり、日本を守れるのは具体的には日米同盟だけであり、アメリカが守ってくれるには、日本人が侵略に対し

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NHK改革の失敗

NHK改革の失敗

銀行出身の経営者が会長となってNHKでは今かなり大掛かりな改革が進められているようだ。何のための改革か、1つだけはっきりしているのは、50代を中心とする年齢の者を現場での活躍から引き離し最終的にはリストラさせる方向に持っていこうとしているらしい。若返りか?なぜ?簡単に言えばNHKのサイズダウンを狙っているようだ。どうしてそんなことをするのか?
今の日本経済の低迷の中で、NHKもそのレベルに引き落と

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侵略が違法である?ことについて

侵略が違法である?ことについて

Wikipediaを引くまでのなく、侵略(しんりゃく、(英: aggression)とは、直接武力をもって他国の領域に侵入(侵攻)したり、攻撃すること、一国が他国に対する要求を貫徹するために武力行使によって事態を変更せしめること、他国に攻め入って土地や財物を奪い取ること、他国の主権を侵害すること、などを意味する 。

これ自体で、即、アウトという前提でロシアが非難される。
どんなに状況に不満があっ

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事実と報道

事実と報道

ツィッターやYouTube、フェイスブックなど、個人相互の通信は結局、一人へではなく、大量の人への発信に使われる。大量への発信という点では、放送と変わらない。
たくさんの放送局がプラットフォームの中に存在するという形だ。
放送は、事実の検証が義務付けられる。SNSにはそれがない。送る側への信頼とそれを築く倫理と努力と規制が放送局にはあるが、SNSにはそれがないということ、しかし、影響力は、同じくら

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世界は、あなたは、何に向かっているのか?

世界は、あなたは、何に向かっているのか?

世界が何かに向かっていると捉えた時、なにに向かっているのか。
一言で言えば、自分がして欲しくないことを他者にはしないで済むような関係性の構築だろう。
言い換えれば権力関係を極限まで抑えようとする動きである。
その大きな目標の柱の前に、今流行のSDGsの目標のようなものがたくさん入ってくるだろう。ヘーゲルではないが、理性という精神の向こうところは、上のようなものとなるだろう。

上のような方向を否定

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ホモプルーティア

ホモプルーティア

資本主義だけが残った の著者 ミラノヴッチの言葉で資本所得と労働所得ともに高いヒトのことであり、現代の資本主義下の特徴であるという。
まさしくそうであろう。
会社の取締役であり、自社株をふくめ株を多く持っているような人々である。

ここでいうなら特徴は、株であろう。

配当をもらうレベルならまだ今までもあった。
株の売り買いに伴う株値の変動幅の大きさ、株価全体の上昇。これは、誰が進めたのだといいた

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新しい経済

新しい経済

物に対する需要と供給で人がつながり、そのアンバランスがカネというもので図られ、その個人収支が格差という形で現れる。もちろん、需給の繋がりは、直接、個人対個人ではなく、主に企業という間接システムを通していることは言うまでもない。実は、その間接システムが需要と供給の「純粋性」を濁らしていると見ることもできる。
企業が挟まった需要と供給バランスは、個人間での「本来の(原始時代の物々交換のイメージ)」需要

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鳥がぼくらは祈り、 島口大樹

鳥がぼくらは祈り、 島口大樹

それぞれに父を失い崩れた家庭を持った4人の男子高校生の再生と友情の物語であるが、文体にある特色がある。この4人の主語がくるくると入れ替わり、映像のように、一つ一つのシーンがそれぞれ区分けされるようにその主語のもとで主観的な叙述がなされてゆく。ストーリーの骨格はさすがに若いなと思わせるほど明確で力強く悪意が微塵もない。
自分をかわいそうなものであると思っている以上幸せは無い。不幸の連鎖を断ち切って歩

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きことわ 朝吹真理子

きことわ 朝吹真理子

記憶と時間から見た日常と言ったら良いのかもしれない小説である。ストーリーは、ほぼ無い。葉山の別荘で幾たびか共に時間を過ごした歳の離れた女の子が40を過ぎ、別荘をたたむことを機に再び出会う。別荘で会わなくなったのは、年下の女の子の母が持病で亡くなった時からであった。そうしたことが、歳上の女の子の地質や気候への興味からの視線で、記憶を行き来させながら描かれる。生きることは現実の時間を刻むだけでなく、眠

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土の中の子供 中村文則

土の中の子供 中村文則

強度の強い小説である。両親に捨てられ育ての親に埋められて殺されそうになった過去を持つタクシー運転手。死の危険にわざと身をまかせるような衝動から逃れられない。死の瞬間の奥に何か見つけるものがあるような気がするのかだが。死を超えて生き残ることができた時、ほんのわずかな日常への信頼の入り口に立てた。
生きることのできない落ち行く魂の彷徨を一人称で描く。

おばさんを見習うところから社会が救われる

おばさんを見習うところから社会が救われる

宮台真司が的確な言葉で言っていた。
社会がどんどんクソ化し、人間がどんどんクズ化していく。もう少し上品な言葉で言えば、例えば損得 以外の配慮をしない人間が増大し、そのようにしか動かなくなった社会の固化である。
単に道徳レベルでの嘆きを言っているのではない。
市場そして民主主義は、支配的に見えるそれぞれの合理的行動だけで回転するシステムではなく、その外側にある思いが始点になければ、実は、墜落してゆく

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