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鳥がぼくらは祈り、 島口大樹

それぞれに父を失い崩れた家庭を持った4人の男子高校生の再生と友情の物語であるが、文体にある特色がある。この4人の主語がくるくると入れ替わり、映像のように、一つ一つのシーンがそれぞれ区分けされるようにその主語のもとで主観的な叙述がなされてゆく。ストーリーの骨格はさすがに若いなと思わせるほど明確で力強く悪意が微塵もない。
自分をかわいそうなものであると思っている以上幸せは無い。不幸の連鎖を断ち切って歩めと言う主張がストレートに物語化されてゆく。
それを感動的と捉えるかおもはゆいと捉えるか、作者は24歳である。

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