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土の中の子供 中村文則

強度の強い小説である。両親に捨てられ育ての親に埋められて殺されそうになった過去を持つタクシー運転手。死の危険にわざと身をまかせるような衝動から逃れられない。死の瞬間の奥に何か見つけるものがあるような気がするのかだが。死を超えて生き残ることができた時、ほんのわずかな日常への信頼の入り口に立てた。
生きることのできない落ち行く魂の彷徨を一人称で描く。

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