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#メディアワークス文庫
深夜0時の司書見習い2(読書感想文)
近江泉美さん「深夜0時の司書見習い」の2巻を読みました!児童文学のような世界観と、思わず共感してしまう本の話題に魅了され、続編をずっと待ち望んでいました。前作の良さを残しつつ、読書に対する新たな気付きの要素もプラスされていて、1巻に劣らない面白さでした。
どんなシリーズ?
物語の舞台は、図書館の本を読んだ人の想像力が反映される「図書迷宮」。図書迷宮には古今東西の本の登場人物やその著者が存在して
映画のような恋愛小説ってやっぱり好き
梅谷百さんの『星降るシネマの恋人』という小説を読みました。
映画好きのヒロインがタイムスリップし、激動の時代を生きた大好きな俳優と恋をする…そんなあらすじに惹かれ、発売前からとても気になっていた1冊です。
『星降るシネマの恋人』感想熱海のレトロな映画館で働く主人公・雪がタイムスリップしたのは、戦時中の日本。そこで雪は、彼女が大好きな俳優「三峰恭介」こと千秋さんと出会い、歓喜します。だけど千秋さ
悲しいだけじゃない生と死の物語(塩瀬まき:『さよなら、誰にも愛されなかった者たちへ』)
とても心に沁みる物語に出会えたので紹介します!
塩瀬まきさんの『さよなら、誰にも愛されなかった者たちへ』(メディアワークス文庫)という作品です。
今作は生と死の世界をつなぐ「賽の河原株式会社」で働くことになった至が、様々な事情を抱えた死者たちと出会い、彼らとの別れを経験して成長していく物語が描かれました。
ファンタジーのような世界観ではありながらも、賽の河原株式会社のお客様ともいえる死者たちと
エンドロールの後も人生は続く(一条岬:『嘘の世界で、忘れられない恋をした』)
一条岬さんの『嘘の世界で、忘れられない恋をした』(メディアワークス文庫)という青春小説を読みました!
今作は難病を抱え、余命わずかとなった主人公・誠が映画制作を通して、彼が片想いしている女子・翼との仲を深めていく物語となっていました。
大切な人を失った悲しみを読者も驚くようなアイデアで乗り越えていくところが一条さんの作品の魅力だと思うのですが、それは今作でも健在でした。
「泣ける」系の恋物語は
仕事と自分の命、どちらが大切ですか?(北川恵海:『ちょっと今から仕事やめてくる』)
北川恵海さんの『ちょっと今から仕事やめてくる』(メディアワークス文庫)という作品を読みました。
今作では、超ブラック企業で働く主人公・隆が仕事に疲れて死のうとしていたところを「ヤマモト」という謎の男性に救われ、人生を変えていく様子が描かれました。
職場でのパワハラ、残業は当たり前、休日があっても疲れがとれない、日曜日の夜は明日からの仕事が憂鬱になるetc…
隆の過酷な日常は、私の経験や少し前
何も起こらない日常が1番幸せ(鳩見すた:『種もしかけもない暮らし』)
鳩見すたさんの『種もしかけもない暮らし』(メディアワークス文庫)という作品を読みました!
今作は、マジシャン姉妹のいずみさんとちずさんの日常での些細な出来事を描いた物語となっていました。姉妹がなんでもない話をしたり、美味しい物を食べたりする(そしてカロリーを気にする)だけの話ですが、これはこれで凄く面白い!
姉妹にも仕事や恋愛で辛い時もあるそうですが、それでもちょっとした幸せを見つけては、楽し
どんな道を辿っていても、希望は取り戻せる(松村涼哉:『暗闇の非行少年たち』)
松村涼哉さんの最新作『暗闇の非行少年たち』(メディアワークス文庫)を読みました。
今作では過去に罪を犯した少年少女が仮想共有空間「ネバーランド」での交流やネバーランドに隠された謎を通して、再生していく様子が描かれました。
少年院を出てからも街で堕落した日々を過ごすハノをはじめ、今作に登場した少年少女たちの罪には許しがたいものもありましたが、一方で今でもそれぞれの罪を責め続ける彼女たちに何か希望
人とのつながりが「奇跡」を生む(村瀬健:『神様の絆創膏』)
2023年1冊目の読書感想文!今回の本は、村瀬健さんのライト文芸作品『神様の絆創膏』です。一昨年読んだ前作『西由比ヶ浜駅の神様』が凄く良かったので、新作も引き続き読んでみました。
個人的には、前作の2話目(親子の絆の物語。上記感想文でも触れています。)が特に心に残っていたので、このエピソードのあるシーンを深掘りしたような今作の内容には強く惹かれましたね。
前作同様、各エピソードで登場する人物の
「今」を受け入れることと、隠された切ない恋(吉月生:『今夜F時、二人の君がいる駅へ。』)
今回の本は、吉月生さんのライト文芸作品『今夜F時、二人の君がいる駅へ。』(メディアワークス文庫)です。
「過去に帰りたい僕たちが見つけた唯一の可能性。ただし、戻れるのは、一人だけ。」という帯のキャッチコピーに魅力を感じ、どんな結末が描かれるのかすごく見てみたくなりました。恋愛色が強めですが、タイムトラベルによって過去の自分を乗り越えていく登場人物たちが心に残る作品です。
また、他の青春・恋愛系
第174回:「倖せ」の意味は、不思議な恋が教えてくれる(葉月文:『この世界からまた君がいなくなる夜に』)
こんにちは、あみのです!
今回の本は、葉月文さんのライト文芸作品『この世界からまた君がいなくなる夜に』(メディアワークス文庫)です。以前紹介した『ホヅミ先生と茉莉くんと。』シリーズの作家さんの新刊です。
今回はライト文芸レーベルからの作品ということで、より葉月さんの魅力が出ていた1冊だったと思います。『ホヅミ先生』シリーズのようなラブコメもあれはあれで好きでしたが、葉月さんの作品はやっぱり純愛ス
第164回:幸せな「魔法」にかかる物語(喜友名トト:『どうか、彼女が死にますように』)
こんにちは、あみのです!
今回の本は、喜友名トトさんのライト文芸作品『どうか、彼女が死にますように』(メディアワークス文庫)です。
この作品はKADOKAWAの文庫レーベルの夏のキャンペーン、「カドブン夏フェア」のラインナップからの1冊です。
「なんでこのタイトル?」と前から気になっていた作品だったので、このキャンペーンを機に読んでみました。
王道な純愛ストーリーに見えて、実はファンタジーでも
第156回:本好きの心を掴む最高の成長物語(近江泉美:『深夜0時の司書見習い』)
こんにちは、あみのです!
今回の本は、近江泉美さんのライト文芸作品『深夜0時の司書見習い』(メディアワークス文庫)です。
「本に夢中で眠れない!」この帯のキャッチコピーで既に心を掴まれた1冊。どこか懐かしい香りが漂う児童文学のような世界観に惹かれる人も多いのではないのでしょうか?私も今作の世界にはずっといたくなりました。
本を夢中になって読んだ経験が一度でもある人には絶対印象深い作品になると思い
第146回:「彼女」がつなぐ温かな想い(一条岬:君が最後に遺した歌)
こんにちは、あみのです!
今回の本は、一条岬さんのライト文芸作品『君が最後に遺した歌』(メディアワークス文庫)です。
数年前に読んだ『今夜、世界からこの恋が消えても』(以下『セカコイ』)という作品が凄く印象的な作品だったので、著者の2作目となる今作ではどんな世界を見せてくれるのか気になって読んでみました。
意外性のある青春小説だった『セカコイ』に比べると、今作は比較的王道路線なストーリーかなと