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詩の集まりみたいなもの

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詩、詩みたいなものをまとめてみました。
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#詩のようなもの

【詩】 Bluesが鳴る

【詩】 Bluesが鳴る

スピーカーから聞こえる不思議な音

不純物に満ちた
混じりけのない音

やたらと心がざわつく音

音と自分の間を取り持つ空間は

僅かに揺れ動くかのように

黙っていた

吹きかけた吐息が
ガラスを曇らせる

呼吸をするその一息が
ブルース・マンの神話と共鳴する

「やぁ、お前さん何を聴いてんだい?」

愛を語っているようで
愛を求めていない

自らの正体を打ち明けるが
白昼堂々と寝返りを打つ

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【詩】 名

【詩】 名

血の通った名前にして下さい
血が通っているのであれば偽名でも構いません

繰り返される日常
呼び戻される感情

名前の形をした
日夜繰り返される 
形の無い無常

表情のない我が視線
とらえた形に囚われて
独り「型」に思考をはめる

名をつけられた全ての事柄
そして物質・事象たち

あの自然も
あの雨も
あの道も
あの建物も
あの自動車も
あの人も
不思議と世の中はイメージで出来ている

名は体を

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【詩】 旅にて…

【詩】 旅にて…

予定にない予定
予定するはずのない時計の動き
予定にない風景

心に押し寄せた衝動
つまらない邪推に沈んだ夕日を背に
歩かない足取りに飛びこんで行く

無機質な鉄の陽だまりの冷たさ
仰ぎ見る柔らかな夕日は
メランコリックに慕情を押し付ける

その波に身を任せ
入っては  戻り
戻っては  呼吸をし

暗闇の先に見えた風を浴びる

何もかもが懐かしく
何もかもが新しい

そこに見えた蒼さに
有機的な

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【詩】 赤提灯

【詩】 赤提灯

夜の帳が下りる頃

己とも思えない影に乗り

情けにも似た夜風を浴びる

堰を切ったかのようにさんざめくノイズ

やりきれない自らを投影しているような

滑らかに軋む窓辺の景色

無粋で情緒のカケラもない欠けた満月

  
その曖昧さが

時に心をなぐさめる

 
明かりが灯る道すがら

自然と背中は押されてゆく

不思議だ

秋風の功名

導かれたかのように

目の前を煌々と照らす

ぬくもりを

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【詩】 侘び寂び

【詩】 侘び寂び

一杯の香りに

不思議と全てを思い出す

春の芽吹きの瞬き
夏の隆盛の時代
秋の枯草の香り
冬の銀白の出で立ち

茶葉の香りとうま味のアロマ達

その味が五味を退け

忘れていた爽やかさを醸す

身体に溶け込んでゆく

慇懃な苦みに眼を瞑り

天高く透き通る彼方に

思いを馳せる

春夏秋冬

太陽も
雲も
木々も
畑も
人々も

憩いの全てを
焼き付いた情景を

くまなく全てを闊歩させ

脳裏に

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【詩】 ブルージーに

【詩】 ブルージーに

文字にも起こせないつまずきを与えたのは一体何?

それとも一体誰?

俺には見えやしない

感じやしない

想像もつかない祈りは

時に冷たさをはらみ

黄金色の陶酔感を紡ぐ

ヒリヒリした頭痛は

孤独の原点を咀嚼する

浮き上がる視線には

虚空を睨む情念をはらんでいる

聴こえる…

力のこもった歌声

それは一杯のカクテルのような

不滅の調和に似た哀しみと罪

その響きに嘘はない

その

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【詩】 グラス

【詩】 グラス

乾いた空気が注がれる

グラスに並々と

浮き立つ気泡が

私を夢中にする

一杯のワインよりも赤く
ウイスキーよりも琥珀色で

余裕たっぷりに
透き通るような笑みで
私に微笑みかけてくる

季節の移ろいに合わせるように

その味は目を通り越し
肺に達して 鼻腔をすり抜ける

すり抜けた意識に
フラフラと浮かぶ
街の落陽の満ちた甘み

全ての通過点のように
湿り気を帯びたグラス

そのグラスに映る

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【詩】 Feeling 

【詩】 Feeling 

居心地の悪い歯切れの良い時間

色づくには惜しすぎる

散るにはためらってしまう

その感じは曖昧でいつも行儀よく

自分には常に隣にいる錯覚さえ覚える

覚える…

溺れる…

深い蒼さは愛すべき視覚であり

五感を研ぎ澄ました感受性でもある

常に隣で佇んで溶け込んでいる

曖昧さは我が物顔で腰掛ける

キツい旅にでも出たつもりか

深い意味はより深く

止まらない鳥達の羽ばたきは

絞りきっ

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【詩】 Blue

【詩】 Blue

つまらねぇ酔い方

目も当てられない

こりゃ一体何だ?

目も回るような狂おしいBlues

酔っているのか?

世界が俺に合わせてるのか?

併合しきった楽しみは痒いだけなのか?

言葉にもなりゃしない

頭が回る

これは十字路か?

運命の分かれ道か?

人生の岐路か?

魂が咆哮するのか?

悪魔に魂を売り渡してしまおうか?

ひどい頭痛

言葉にも出来ないヒドい染み

一体現実か?

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【詩】 Bluesのつもり

【詩】 Bluesのつもり

 その流れに乗ってみたい。

乗ったところで意味がない。

意義を見いだすこと自体が下らない。

特に意味なんてありゃしない。

意味を見いだすこと自体が愚かな事だ。

分かっているのに何かを後付けしてしまう。

考えても溺れるだけしかない。

その試行錯誤が自らを鈍化させる。

いっその事酔狂に思考を溢れ返させてみようか

意味がない

意味がない

意味のない漂うポーズ。

ポーズこそが全て。

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【詩】 一日の流れ

【詩】 一日の流れ

美しい朝日を見た

一日が始まろうとしている

厳かに光を射す空の色

まぶしさは冴えわたり

木々を神々しく描写する

鳥達はさえずり

時と調和した羽ばたきは

約束された美しさを掘り起こす

荘厳たる太陽が支配している中

金色に輝く川面を見つめ

一人黙然と言葉を探す

明るさに誘われた言葉は

美しさを形容するための言葉なのか

単純で複雑な情景を
言い表すための言葉なのか

どちらにせ

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【詩】 シロモノ

【詩】 シロモノ

何をするわけでもなく

何かをしたいわけでもなく

それでも見つけられる

太陽というやつは

遠慮というものを知らんのか

どこにいても 何をしてても

光は導かれるように

正体を突き止める

あばかれた眩しさは

突き動かされるように

冷静さを弾かせて

外気に浮かぶ

蒼天に罪はない

あるのは積み重ねられた

名残惜しさだけだ

ジッとはしていられない

たゆまず歩み続けた先に見た

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【詩】 頂き

【詩】 頂き

あの頂きには無限の世界が広がっている。

そう信じて疑わず

いつも表情を変えない頂きを眺めていた

不思議だ

何処を見ているわけでもないのに

夜が更ける 街の様子さえも

あの頂きは写しだそうとしているのか

きっと人は無限の美しさを手に入れて

憧れが届くものと知る事になるだろう

あの遙か頭上のてっぺんには

畏敬の念すら感じる

無言でいて優雅で丁寧な所作

なんて侘びさびの効いた佇ま

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【詩】 束の間

【詩】 束の間

束の間の休息をしに訪れた寒さは

迷いのない空気を纏いつくし

立ち返りもせず 進みもせず

意識のあちこちに住み着いていく

揺れ動く季節のように

かけ離れていきながら

惑わすように記憶を暖める

自分の瞼を閉じてみると

いつしか謎めいた言葉使いに行き着いた

それは自分自身に届いた声なのか

決して分かち望み至った決心で

あふれんばかりの痩せ我慢なのか

寒さは

叙情的に自らを揺り動

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