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作家ヘンリー・ダーガー: 非現実の世界に生きた。

作家ヘンリー・ダーガー: 非現実の世界に生きた。

ヘンリー・ダーガー(Henry Joseph Darger, Jr. , 1892-1973)
アメリカの作家、画家、芸術家、そして、清掃スタッフだった。
アウトサイダー・アート:著書-非現実の王国で/挿絵等が没後、著名になる。
端的に言うと、この自閉的な生き方から生まれた、この創作は、没後40年以上を経て、ようやく、現在、美術館の収蔵が進んでいる。
世の中の誰に見せることもなく半世紀以上もの間、

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アウトサイダーアートの世界観

アウトサイダーアートの世界観

・アウトサイダーアートの全体像と世界を考える
アール・ブリュットから、アウトサイダー・アート(outsider art)へ、そのパラダイムシフト。
それは、一度見ると、その視点(極)を受け取れれば、脳裏に焼き付つようなインパクトある作品も多々感じるだろう・・ある意味、表象の原点だ。
まず、その語源から、考えると、フランスの画家である、*ジャン・デュビュッフェ(Jean Dubuffet 1901-

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(前編)印象派とその流れ

(前編)印象派とその流れ

(概略)
印象派(印象主義-impressionism)は、19世紀後半のフランスに発した絵画を中心とした芸術運動。従来の保守的な美術界から批判されながらも、独立した展覧会を開催することで、1870-1880年代には、広く認識される存在になった。この名称(印象派)はクロード・モネの作品”印象・日の出”(Fig.タイトル)に由来する。
オルセー美術館(印象派の殿堂)のそれだ。
そして、、
印象派の絵

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指導者の肖像を集めたユニークな自宅ミュージアムを訪ねた

指導者の肖像を集めたユニークな自宅ミュージアムを訪ねた

「自宅ミュージアム」という言葉がある。自分の家で、自分が所有するコレクションを博物館のように展示してみんなに見てもらおうとというものだ。日本では、東京のあきる野市で、レコード、ビデオ、書籍などを制作する自主制作レーベル会社「さるすべり」を経営する中野純さんと大井夏代さんが提唱したことでその概念が知られるようになった。両氏は同市で、「少女まんが館」を運営している。

その「少女まんが館」の中野さんに

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重慶グラフィティ事情

重慶グラフィティ事情

中国は重慶にグラフィティのメッカがあります。場所は四川美術学院のキャンパス周辺。沙坪坝区大学城にある新しいキャンパスではなく、黄角坪にある古いキャンパスのほうです。近くには、重慶を代表するオルタナティブ・スペースとして知られるオルガン・ハウス(Organhous)を含む「重慶501芸術基地」もあるので、重慶アートの発信源として知られています。

ご覧ください。大学正門から続くレンガ造りの壁面が見渡

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ランドマーク・侵略・アクセシビリティ(バスキア以降、バンクシー前後/ポスト・グラフィティのアーティストについて)

ランドマーク・侵略・アクセシビリティ(バスキア以降、バンクシー前後/ポスト・グラフィティのアーティストについて)

巷ではバスキアの展示がとても評判だと聞いておりますが、グラフィティ・アートというものは現代(といってもかなり前からその呼称ではありますが)では、「ポスト・グラフィティ」などと呼ばれ、今尚発展を見せているジャンルかと筆者は思います。

事実、キース・ヘリングやバスキアのアートはユニクロでTシャツになったり、東京都のバンクシー関連の話題など・・嘗てよりかなり「身近」なものになっているように感じます。

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新記事アップ~ゴッホ展

新記事アップ~ゴッホ展

 ゴッホ展について書かせていただいた記事が、和楽Webに掲載されたので、お知らせします。

 学生時代以来、何かと縁のあったゴッホ。

 学部2年の時は、「ゴッホはリアリストだったのか」というレポートを書かされ、その2年後、オルセーで<自画像>を見て、「この絵、生きてる…」と慄き、ライター1年目には、「ゴッホとゴーギャン展」を機に、「向日葵」モチーフとの関りについて調べて記事にし…。

 今回の展

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ル・コルビュジエの知られざる「マニフェスト」
(山村健)

ル・コルビュジエの知られざる「マニフェスト」 (山村健)

山村健の「建築家の書斎から」第2回
“Vers une architecture” by Le Corbusier  1923年出版
『建築をめざして』 (SD選書21)
著:ル・コルビュジエ  訳:吉阪 隆正 鹿島出版会 1967年発売

建築学科に入ってまず覚える建築家はル・コルビュジエではないか。
入学直後の建築学科生に尋ねると、ガウディとル・コルビュジエの知名度が圧倒的に高い。日本では国立

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