福住廉

動物と人間、生物と自然 「宮崎学 自然の鉛筆」展

動物と人間、生物と自然 「宮崎学 自然の鉛筆」展

世界を切り分けて見るのか、それともつなぎ合わせて見るのか。美術にしろ写真にしろ批評にしろ、芸術をめぐるあらゆる営みには分節と節合という二面性がある。それらは基本的な身ぶりとして分ちがたく結び付けられているが、宮崎学はおそらく後者に重心を置いているのではないか。 事実、宮崎の動物写真を見ると、動物と人間の境界がそれほど明確なものとは思えない。羽を大きく広げたフクロウは大見得を切る歌舞伎役者のようだし、両脚で立ってカメラに悪戯するクマはまるで大柄なカメラマンのようだ。クマの眼が

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野口哲哉 展─野口哲哉の武者分類図鑑─
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野口哲哉 展─野口哲哉の武者分類図鑑─

鎧武者を造形する野口哲哉の個展。古美術や参考資料もあわせて100点あまりの作品が展示された。博物館が所蔵する古来の甲冑と野口の作品を並置することで、虚実がない混ぜになった世界観を巧みに演出していた。 見どころが鎧武者を精巧に造形する超絶技巧にあることは言うまでもない。だが、それ以上に印象づけられたのは、野口の鎧武者がある種のドワーフに見えたことだ。いずれも実寸より小さく、場合によっては手に乗るほど小さなサイズだからだろう。漏れなくおじさんであることも7人の小人と重なりあうし

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「暖簾ごしの日常。」について
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「暖簾ごしの日常。」について

2021年7月23日から8月8日にかけて「暖簾ごしの日常。」と題した個展を開催した。 展示内容は「今日の明るい未来」から「記念塔シリーズ(Monument series)」を16点、それらの写真を撮影している様子を収めた映像作品を一点、他に「明るい未来」の語の元ネタとなった「原子力 明るい未来の エネルギー」という標語を考案した大沼勇治氏に取材した際に提供していただいた映像を元に編集した映像作品(震災以前の家業の様子や、震災後の地元の変わり様を収めたモノ。映像の最後に大沼さ

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動画《空から大地が降ってくるぞ》

動画《空から大地が降ってくるぞ》

#淺井裕介 #重慶 #美術 #絵画 #アート #福住廉

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熊本市現代美術館による外山恒一検閲事件について(前)

熊本市現代美術館による外山恒一検閲事件について(前)

また、検閲事件が発生しました。ほとほとうんざりしますが、誰かが書いておかないと闇から闇に葬られかねないので、書いておきましょう。 舞台は熊本市現代美術館。2021年3月27日に企画展「段々降りてゆく 九州の地に根を張る7組の表現者」(6月13日まで。現在、臨時休館中)が開幕しましたが、出展者の中に革命家の外山恒一さんの名前はありませんでした。外山さんは同展に参加を請われていましたが、開幕前に美術館から一方的に参加を拒否されたからです。 現在のところ、同館から公式の説明が発

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[書評]田中みずき「わたしは銭湯ペンキ絵師」

[書評]田中みずき「わたしは銭湯ペンキ絵師」

銭湯ペンキ絵師の田中みずきさんが初の著書を上梓されました。その名も『わたしは銭湯ペンキ絵師』。タイトルと同じく、きわめて実直な文体で、田中さん自身の半生と仕事について、ていねいに綴った一冊です。 田中さんは日本に3人しかいない銭湯ペンキ絵師のひとり。卒論の研究テーマに銭湯のペンキ絵を選び、現場に通い詰めるうちに弟子入り、やがて独り立ちして今にいたります。幼少期の思い出から木炭デッサンに明け暮れた美術予備校、ご両親による教育など、銭湯ペンキ絵師になる前の半生のディテールが語ら

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菊畑茂久馬さんを悼む

菊畑茂久馬さんを悼む

初出:「静岡新聞」2020年6月12日夕刊8面 #菊畑茂久馬 #美術 #福住廉

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タブロオ・マシン[図画機械] 中村宏の絵画と模型

タブロオ・マシン[図画機械] 中村宏の絵画と模型

画家・中村宏の個展。練馬区立美術館が所蔵する作品を中心に150点あまりが展示された。 50年代のルポルタージュ絵画から60年代のモンタージュ絵画、70年代の空気遠近法、タブロオ・マシン、90年代以後の立入禁止など、これまでの中村の画業の変遷を時系列に沿って振り返る構成は、2007年に東京都現代美術館で開催された「中村宏──図画事件 1953-2007」に近いが、それに加えて中村によるグラフィックの仕事を丁寧に紹介するとともに、「模型」と呼ぶ小さな立体作品をまとめて発表したと

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畠山直哉×宮永愛子×福住廉

畠山直哉×宮永愛子×福住廉

#畠山直哉 #宮永愛子 #福住廉 #美術 #写真 #アート

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TALK: 畠山直哉×宮永愛子×福住 廉

TALK: 畠山直哉×宮永愛子×福住 廉

東京ビエンナーレの参加作家3名に話を伺うTOKYO BIENNALE TALKシリーズ。第3弾は、写真家の畠山直哉さん、アーティストの宮永愛子さん、美術評論家の福住廉さんに登場いただいた。畠山直哉さんは2011年の東日本大震災から故郷の陸前高田の写真を撮り続けており、宮永愛子さんはナフタリンや塩といった時間の経過とともにかたちが変化していく作品を通じて目に見えない「時」を視覚化する作品などを制作している。福住廉さんは、批評という立場で美術の現場を多く取材しており、東京ビエンナ

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