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アメリカの「新政権」はウクライナを見棄てるか
ドナルド・トランプが共和党の副大統領候補に、J.D.ヴァンス上院議員を指名した件について、7月16日のアゴラに詳しい記事が出ている。
ラストベルトの白人労働者を代表するヴァンスは、当初はトランプをヒトラーに喩えるなど危険視していたが、後に熱烈な支持者に転じ、自分が副大統領なら「2020年の選挙結果(バイデンが勝利)も覆せた」と仄めかすほどらしい。本気でトランプに心酔したのか、単に権力になびいただ
なぜ、有識者は「言い逃げ」してはいけないのか
前にも書いたことがあるけど、うつから回復する際に共感を持って読んで以来、椎名麟三という作家が好きである。いま読む人はそう多くないが、敗戦直後の焼け跡の日本で、実存主義の旗手とされた人だ。
文学史的には、近い作風の野間宏や埴谷雄高とともに「第一次戦後派」と呼ばれる。ちなみに遅れて続いた「第二次」が、安部公房や三島由紀夫で、こちらはいまも広く読まれる作家が多い。
それで、次の本で椎名について書いて
資料室: 世界はこれからインドになる(のか?)
面白いもので、6月は作家の堀田善衛の旧著である『インドで考えたこと』にすっかりハマってしまった(ヘッダーも同書より)。NewsPicks の動画で採り上げた箇所については別の記事でも書いたけど、せっかくなので備忘のために追記。
詩人でもある尾久守侑さんとの対談で話題にしたとおり、1956~57年に新興国インドを訪れた堀田は、自分の専門だった「小説」では把握できない文明として、同地に言及している。
もし、ベートーベンが類人猿から音楽を教わっていたら
先週末の呉座勇一さんとの配信では、話の枕のつもりだった「コロンブス」炎上が、目下の歴史学の問題点を考える上でも大事なトピックになった。
ぼくは普段、ネタが旬でなくなった後もたどれるようにリンクを貼るのだけど、この話題はどのサイトを選べばいいのかわかんないくらい炎上しすぎて、疲れてしまう。いちばん「批評性」を感じたNoteの記事を挙げておくので、それで勘弁してください。
興味深いのは、当初はいま
動画とか対談とかいろいろ(または、私はなぜ批評家を名乗らないのか)
幸いなことに今月は掲載や出演の機会に恵まれたので、3つほどまとめてご紹介です。
① ヘッダー写真のとおり『表現者クライテリオン』7月号に、前号に掲載された綿野恵太さんとの対談の続きが掲載されています。連載「在野の「知」を歩く」の第2回目です。
前回、こちらのnote で「在官」の学者がChatGPTに置き換えられる様子を描いたら好評で嬉しかったので、今回も暗喩的揶揄てんこ盛りでお送りしています
ひとはなぜ成熟をしないのか
お知らせが遅くなりましたが、いま売っている『潮』7月号に、岩間陽子さん・開沼博さん・東畑開人さんとの読書座談会の活字版が載っています(佐々木俊尚さんもメンバーで、今回は欠席)。
以前、2023年11月号に掲載されたオルテガ『大衆の反逆』をめぐる座談会と同じく、現在を読み解くことに益する往年の名著を読んでゆく内容で、今回のテキストはアインシュタインとフロイトの往復書簡『ひとはなぜ戦争をするのか』。
呉座勇一さんとYouTubeで配信します(6/15)
今週末の6/15(土)20:00~、新刊『教養としての文明論』をめぐって、共著者の呉座勇一さんのYouTubeに出演します。リンクはこちらから。
番組タイトルは、ずばり「歴史学はオワコンか? 文明論は復権する!」。前半の1時間強は無料で誰でも視聴可、後半はチャンネル購読者のみの有料配信となるそうです。
同チャンネルの契約者は、普通に考えて歴史学ファンが多そうなので、以下のとおり、告知文でもご配