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スパイスカレー、グラフィックデザイン、絵を描いたりなどして暮らしてます。 Insta…

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スパイスカレー、グラフィックデザイン、絵を描いたりなどして暮らしてます。 Instagram:semory_illust

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盲亀浮木

学生時代、部活動内の人間関係で揉めて、よくある〇〇派と〇〇派で分かれた時期があった。 馬が合わない相手のメンバーをやり辛いから辞めさせたい、みたいな類だったと記…

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1年前

みんなが平等にあるもの

実家に帰省して寝る前、漠然と 「人はいつか死ぬんだ」と頭の中グルグルまわった。 祖母と最期に話せるチャンスの電話に出れなくて、それをいつまでも後悔していた。 誰か…

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2年前
2

コンプレックスと向き合う

OL時代、外食とお酒と不規則生活で過去最高の体重と体脂肪を叩き出した。 学生時代から知っている素直な先輩から、太っていることを指摘された(その先輩も激太りした自分…

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2年前
2

お手手のシワとシワをあわせて

ついこのあいだの連休、祖母の三回忌で故郷に帰った。 遅めの梅雨が来て、かつて自分の部屋だった窓から眺めると霧で覆われていた。 物心ついた時からおばあちゃんっ子な…

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5年前
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「おたからさん」

物書きのばあちゃんがおらん、三度目の夏がきた。 物書き、ち言っても趣味で習いよった短歌を詠む人で、実際の本職は知らんまま。毎日休まず畑作業もしよった。四季に沿…

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5年前
8

血はあらそえない

遺伝的な話をすると、末森家は笑い上戸だ。 母がネズミ捕りに自身の靴下を引っ掛けた時も、バーベキューで紙コップに焼肉のたれを注いだ時も、急須にコーヒーをつぎ始め…

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5年前
6

おすすめしたいけど、誰にも知られたくない店

「ふだんは、山で猪を仕留めてます。」 と言いながら、店主はカレーを出した。 愛してやまない食べ物の一つである、スパイスカレー。一人でもふらりと行けるカレー屋さん…

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5年前
6

廃材屋さんとの、すてきな出会い

お仕事の話をさせてもらいますと、 現在、自社ブランドのデザイナーをしております。 商品開発から携わってまして、オリジナルアロマオイルを開発中です。 アロマの世界を…

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5年前
8

テレキューを知らない幼少期

8才の頃、1クラスしかない教室内は、前日に放送されたテレビ番組の話で持ちきりだった。 クラスメイトとたった数キロしか変わらないはずの実家は、TVQ九州放送(テレキュー)…

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5年前
8

でいだらぼっちが住むところ

福岡県豊前市、この土地に巨大な椅子があると言う。 位置は山奥になるのですが、 行き方はカンタン。 GoogleMapで「椅子のオブジェ」で検索。(便利な世の中です) 着…

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5年前
8

福岡県民なのに再会すると大分県民扱いされる

はじめまして、山から降りてきました。 「またまた大げさな。」と思われたかたもいらっしゃるかも知れませんが、こちらは大真面目。 都心から離れた、標高およそ800mの山…

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5年前
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盲亀浮木

学生時代、部活動内の人間関係で揉めて、よくある〇〇派と〇〇派で分かれた時期があった。

馬が合わない相手のメンバーをやり辛いから辞めさせたい、みたいな類だったと記憶している。
数週間の殺伐とした空気を経て、顧問だった先生が「盲亀浮木」の話をしてくれた。

内容は
「人との出会い=目の見えなくなった老海亀が100年に一度水面に浮き上がってきた時に、大海に漂っている穴の空いた流木に偶然首を突っ込む確率

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みんなが平等にあるもの

実家に帰省して寝る前、漠然と
「人はいつか死ぬんだ」と頭の中グルグルまわった。

祖母と最期に話せるチャンスの電話に出れなくて、それをいつまでも後悔していた。
誰かの最期はいつもそうだ。後悔が残る。

大切な人には限られた時間の中で、精一杯
きもちを伝えないといけないことをしっている。実家に、生きているうちにあと何時間帰れるんだろうと考える。
あの人とあの人とあの人とは、あとどれくらいの時間を共有

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コンプレックスと向き合う

OL時代、外食とお酒と不規則生活で過去最高の体重と体脂肪を叩き出した。

学生時代から知っている素直な先輩から、太っていることを指摘された(その先輩も激太りした自分のことを棚に上げて、当時はデリカシーがないと思ったけど、それで火が付いた)

まるで太ったことが悪のような物言いだった。服が好きだから、理想な着こなしをしたくて自分のために変わることを決めた。

当時はだらしない身体を何かのせいにしてい

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お手手のシワとシワをあわせて

お手手のシワとシワをあわせて

ついこのあいだの連休、祖母の三回忌で故郷に帰った。

遅めの梅雨が来て、かつて自分の部屋だった窓から眺めると霧で覆われていた。

物心ついた時からおばあちゃんっ子なので、三回忌を楽しみにしていた。法事を楽しみにしている、なんて妙な表現だけど、故人に想いを馳せる大切な時間だとおもう。
よく、帰省前に祖母の夢を見る。生前と変わらず、見守ってくれているんだろう。

法事の最後に聞く、ご院家さんのお話がと

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「おたからさん」

物書きのばあちゃんがおらん、三度目の夏がきた。

物書き、ち言っても趣味で習いよった短歌を詠む人で、実際の本職は知らんまま。毎日休まず畑作業もしよった。四季に沿った野菜を食べれよったのはそのお陰と思う。
やけど孫のわたしは今でも、物書きち思っちょう。

幼少期の頃から、約束されたように並んだ文字を眺めよったけど、さっぱりやった。保育園から帰って来たわたしが近づくと、ばあちゃんは鉛筆の手を止

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血はあらそえない

遺伝的な話をすると、末森家は笑い上戸だ。

母がネズミ捕りに自身の靴下を引っ掛けた時も、バーベキューで紙コップに焼肉のたれを注いだ時も、急須にコーヒーをつぎ始めた時も、黄色い爆笑が起こる。
(ちなみに父は、最近裏庭で拾ってきた鹿の角をメルカリで6000円で売りだした!)

何も悪気の無い天然な母、笑いをとる事に貪欲な父なので、子ども達がツッコミ役に回るのも無理はない。自然な流れだ。

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おすすめしたいけど、誰にも知られたくない店

おすすめしたいけど、誰にも知られたくない店

「ふだんは、山で猪を仕留めてます。」
と言いながら、店主はカレーを出した。

愛してやまない食べ物の一つである、スパイスカレー。一人でもふらりと行けるカレー屋さんを探すのが日課だ。
ランチで見つけたスパイスカレー。その店は、昼はカレーしか出していないようだった。(ランチメニューがひとつしかない店でハズレたことは、一度もない)

大きなカウンターと、壁に鹿の角。
入店した瞬間、(まだカレーを食べ

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廃材屋さんとの、すてきな出会い

廃材屋さんとの、すてきな出会い

お仕事の話をさせてもらいますと、
現在、自社ブランドのデザイナーをしております。

商品開発から携わってまして、オリジナルアロマオイルを開発中です。
アロマの世界を知り、わたし自身アロマに癒され、良さを世に発信していきたいと強く思うようになりました。
(アロマのくわしい話は、また別の機会で書けたらと思います)

そこで、アロマをより活用してもらうために、販促物を取り扱っている会社を探しておりました

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テレキューを知らない幼少期

テレキューを知らない幼少期

8才の頃、1クラスしかない教室内は、前日に放送されたテレビ番組の話で持ちきりだった。
クラスメイトとたった数キロしか変わらないはずの実家は、TVQ九州放送(テレキュー)の電波が届かず、たまに買ってもらう漫画本から流行りのアニメ情報を得た。(今でもアニメより紙の本が好きな理由は、当時の習慣かも知れない。)

話題についていけない休み時間には、漫画本で見た絵を思い出しながら模写して描いていた。すると、

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でいだらぼっちが住むところ

でいだらぼっちが住むところ

福岡県豊前市、この土地に巨大な椅子があると言う。

位置は山奥になるのですが、

行き方はカンタン。

GoogleMapで「椅子のオブジェ」で検索。(便利な世の中です)

着くとそこにはポツンと、だけど存在感は大きく佇んでいました。

なんとも、絵本のなかのような光景。

椅子の高さは約6mくらいで、登れるように梯子が付いているのですが、上へ向かう瞬間が幼少期のワクワク感をそのまんま思い出させ

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福岡県民なのに再会すると大分県民扱いされる

福岡県民なのに再会すると大分県民扱いされる

はじめまして、山から降りてきました。
「またまた大げさな。」と思われたかたもいらっしゃるかも知れませんが、こちらは大真面目。

都心から離れた、標高およそ800mの山から降りて現在は福岡市内(大都会!)で社会人をしております。実家は、福岡県と大分県のほぼ県境です。冬は、雪が50cmほど積もります。(サムネイル画像参照。実家で撮影)

9年経った今でもなかなか慣れません。というよりも、「都会に慣れて

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