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種麹屋の日常思考記

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発酵に関係ない日常思考はこちらに入れていきます。
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#エッセイ

「ルール」との付き合い方を考える

「ルール」との付き合い方を考える

先日、大学生のインタビューを受けました。その時に、「食」の話題から流れで、私の「ルール」観を話すことになりました。

私は、「発酵食品を正しさから開放したい」とかねてから伝えておりますが、基本的に、ルールが苦手です。

日常生活の中に、ルールを設けることが苦手です。厳密には「ルールを守ることが自己目的化」することが苦手です。

食生活のルールとの向き合い方特に、「食」や「健康」は、ルールや基準が多

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選挙は1人10票じゃいけないのか?-「ポジションを取る」の限界

選挙は1人10票じゃいけないのか?-「ポジションを取る」の限界

よく、コンサル業界などで使われる言葉で「ポジションを取る」という言葉があります。つまりは、自分の意見を常にはっきりすること。ある企画に対して、賛成か反対か、進めるのか進めないのか、市場は拡大すると思うのか、縮小すると思うのか、そして、立場を定めて、そこに一貫して物事を進めていくという行動様式とも言えるでしょうか。

結論から言えば、私は、この考え方が限界に来ているのだと思います。

「ポジションを

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What型とWho型:都市型人材と地方社会がコミュニケーションで気を付けること

What型とWho型:都市型人材と地方社会がコミュニケーションで気を付けること

前回、こちらの記事でWhat型とWho型について書きました。

今回は、より細かく、それぞれが留意したいコミュニケーションについて書いていきます。

(※この記事は早い人で10分、平均15分、読了にかかります。)

What型はIメッセージを心掛けるI(アイ)メッセージとはなんでしょうか。それは、主語が「私」という形で発せられるメッセージです。「私は楽しい」「私は怒っている」「私は悲しい」「私はや

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Whatに熱くなる都市、Whoに熱くなる地方

Whatに熱くなる都市、Whoに熱くなる地方

都市と地方のコミュニケーション作法の差ということを、何度も取り上げています。先日、愛知県三河地方出身で東京で修行をし、また三河に帰ってきた料理人の方と話す機会がありました。

そこで、仰っられていたのが

ということです。

『美味しい店』か『友達の店』か具体的には、

と。この『美味しい店』と『友達の店』は分りやすい選択肢だと思います。

休日の夜に時間がある時、『人間関係は特にないけど美味しい

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若いとき腰の低かったあの人が、なぜ、年をとると尊大になるのか

そのこと自体の是非はさておいて、日本は年功序列が根強く残り、年上を敬う文化、習慣を持っています。語弊を恐れずに言えば、年をとるほど相応に態度を大きくして良いということ。

もちろん、『実るほど頭を垂れる稲穂かな』という言葉もありますが、一方で、地位のある人、立場のある人には、そこは役割として、どこか、それなりの偉そうな態度をとってもらった方が、組織や社会自体が安定するということもあるのではないでし

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なんでも「ナントカ道」にせず、人生も企業も多角化しませんか

なんでも「ナントカ道」にせず、人生も企業も多角化しませんか

日本人は、なんでも「ナントカ道」にしてしまいがち
日本人は、なんでも「ナントカ道」にしてしまいがちなところがあると思っています。「柔道」「剣道」「合気道」「茶道」など、単語になっているものから、「野球道」「ラーメン道」などですね。「経営者道」などというのも気合い系のコンサルティングでは見かける表現です。

思い返せば、私がこどもの頃、30年前のラーメンのパブリックイメージは「ニーハオ!***アルよ

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自分たちは、何で、飯を食ってる会社なのか。

自分たちは、何で、飯を食ってる会社なのか。

結局、日本は社内の『有職故実』に強いことが『仕事が出来る』だったんだよね。

そして、『有職故実』を独自性と勘違いしていたところもあって。年輩経営者と話すと、『例え同じ機械を入れても、自分たちなりに使いこなすことが、差別化要因であり、競争力の泉源だ』という思想が強い。ありもののバットを自分の手に合わせて削るみたいな感覚で、産業機械も改造していく。

おそらく、この世代の製造業経営者が『経営者セミナ

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部活の大会が無くなった最終学年の人へ

部活の大会が無くなった最終学年の人へ

様々な中高生の大会が無くなっている。

そんな中高生、特に最終学年の人は、今は予定していたことが無くなったショックと混乱があるかもしれない。

でも、この機会に、自分は「**部」をやりたかったのか、「**」をやりたかったのか。

例えば、野球部をやりたかったのか、野球をやりたかったのか。吹奏楽部をやりたかったのか、吹奏楽をやりたかったのか。そこをしっかり自覚的に捉える切っ掛けにして欲しいと思う。

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権力批判が「正義→悪」の方ばっかりになってきた気がする

権力批判が「正義→悪」の方ばっかりになってきた気がする

Yahoo!ニュースから

「僕、芸人って、アウトロー、不良だと思ってた。反逆的な匂いがあって、格好いいな、って。でも、今は違う。飲み会や野球チームに参加した方が有利とか、上に求められた通りに振る舞うとか、サラリーマンの方々と一緒ですよ。そこを外していく人が、芸人だと思ってた。ネタで勝負。でも今って、女性と遊ぶのもすぐ怒られるじゃないですか。芸人になって浮気しちゃ駄目って、よく分かんないんですよ。

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先人への敬意

先人への敬意

先人の判断や行動を批判するなら、自分がその時代に生まれ、その時代の平均的な教育を受け、その時代の価値観に囲まれ育ったとしても、「自分は違う判断が出来た」「自分は違う意見を主張できた」といえるのか、胸に手を当てて考えたい。

そうすれば、過去への物の言い方が変わるはず。

過去を学ぶほど、「自分だって、その頃に生まれたら、そういう判断しただろうよ」って思うことばかりだよ。

もちろん、だからといって

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「やりたいこと」と「出来ること」のアンバランスが攻撃性を生む

「やりたいこと」と「出来ること」のアンバランスが攻撃性を生む

昨今、社会全体にストレスがかかる中、世の中に色んな言説が出てきています。

それぞれの立場で、見えている範囲が違っていたり、受ける影響の大小があったり、それまでの社会に対する関わり方やスタンスがあったりで、正義と寄って立つものが違っている。

私は、人ってそこまで悪人に出来てなくて、責任感とか優しさってのがあって、みんな『世の中に何かしたい』という気持ちがあると信じています。

これまでの世の中は

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ジェンダー運動は、男性高齢クレーマーをも救う

ジェンダー運動は、男性高齢クレーマーをも救う

今日はエッセイ。

クレーマー対策の前提知識として、『高齢者世代の男性は若い頃から「男は人前で弱い感情を出してはいけない」と教育されてきた。』という点に留意することを聞いた。
 
 
どういうことかというと、『戸惑った』『不安だ』『心細い』『寂しい』という感情を表に出すことを、男性は長い間社会的に許されてこなかった。ましてや、表だって、自分に対する援助を求めることはもっと許されてなかったと言う話。

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『実際に会わなくても友達になれる力』を-ノンバーバルと空気の力に頼らない

『実際に会わなくても友達になれる力』を-ノンバーバルと空気の力に頼らない

テレワークやWeb飲み会など、『実際に会わないコミュニケーション』がにわかに浸透してきました。実際に直接会うコミュニケーションとの違和感も感じながら、世の中が試行錯誤しているように思います。

ただ、私が元々出不精というのもあるのですが、自分を振り返ると、SNSの繋がりなどで、もう10年以上会っていない友人もざらです。留学時代の友人は世界に散っているので、直接会うことはなかなか難しい。正直なところ

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冷静とポジティブとネガティブと

冷静とポジティブとネガティブと

日本のコロナ対策をどう評価するか。多分に政治スタンスをはらむ問題でもあり、非常に炎上しやすいテーマでもあります。

では、なぜ炎上するのか。それは、これを、プロジェクトと置き換えたとき、3つの心理的態度が混在してしまっているからだと思います。

プロジェクトの評価は、『今起きていることの分析』を『冷静』に評価し、『これから起きる未来の予測』はネガティブに考え、『実際に行動に移したら』ポジティブとい

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