② 法令上の公報(真正な特許明細書)とは?
法令上の公報 (真正な特許明細書)とは?
2022年1月12日以降の公報
特許庁は、「法令上の公報は、公報発行サイトから提供されるものであって、XML形式のものを指します。」、と明言しています。
そして、「XML形式」とは、以下の資料にあるようなものです。
また、2022年1月11日以前に特許庁より発行されていたPDF公報は廃止されました。
従来は、この廃止されたPDF公報が「真正な公報」とみなされてきたと思います。
何となれば、特許庁が発行するものが唯一のものでしたので。
2022年1月12日以降は、INPITをはじめ、多くの民間のベンダーが独自の手法により作成したものが、「独自PDF公報」として流通しています。
そして、INPITは、「公報はXMLですので、レイアウトもページも存在しません。」、「したがって、公報標準レイアウト/ページの概念はございません。」ともいっています。
更に、「公報はXMLであり、PDF化するに当たっての制限はありません。」と断言しています。
加えて、INPITは「J-PlatPatから提供されるPDFを「標準」とする意図はなく、民間事業者が提供するPDFも流通すると考えております。」、と回答しています。
従って、「真正な特許公報」とは、特許庁の公報発行サイトから提供される「XML形式」のみのもので、INPITや各民間業者の作成した「独自PDF公報」は「法令上の公報」とはいえないことになります。
以上の如く、J-PlatPatからダウンロードして得られる「独自PDF公報」や、民間業者、たとえば日立システムズのSRPARTNERより得られる「独自PDF公報」などは、それぞれ異なったものであり、「真正な公報」とは見なすことができないと考えます。
INPITのJ-PlatPatよりダウンロードして得られる「PDF公報」は、あくまでも「独自PDF公報」であって、「真正な公報」とは言えないものと考えます。
ましてや、民間業者が作成する「独自PDF公報」も、これまた「真正な公報」と、言えません。
ここで問題があります。
裁判所において、例えば、原告から提示された場合の「PDF特許公報」は、あくまでも特定業者が作成したと思われる「独自PDF公報」です。
したがって、この「独自PDF公報」に基づいての議論は、全く無意味です。
原告は、「真正な特許公報」として、「XML形式」のものを提出しなければなりません。
そして、被告は、この「XLM形式」の「真正な特許公報」に基づいて、反論などをしなければなりません。
更には、裁判所は、この「XLM形式」の「真正な特許公報」に基づいて、判断をする必要があります。
現状では、どのようになっているのでしょうか。
そして、この「XML形式の真正な公報」は、改ざんされる危険性はないのでしょうか。
もしも、改ざんされた「XML形式の真正な公報」が「真正な公報」として裁判に登場してきたら、どのような対策が施されるのでしょうか。
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