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伝承医薬学

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#28 THE HERBALIST YASOは越後薬草のカルチャーの象徴

#28 THE HERBALIST YASOは越後薬草のカルチャーの象徴

 ここ数年、国内のクラフトジンやスピリッツをバーや酒屋、ボトルショップで見る機会も多くなった。実際、都内に限っても数カ所の蒸留所があるし、最近では蒸留設備を持つ焼酎蔵がこれらを蒸留するケースも少なくない。

 自分自身も勉強を兼ねて様々なジンやスピリッツを飲む機会が多いが、その中でも越後薬草のTHE HERBALIST YASOの味わいは、他のお酒と大きく異なる。ボタニカルの豊かな香りはもちろんの

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韓国伝統茶#04.トゥングレ茶(アマドコロ茶)~香ばしくて飲みやすいです~

韓国伝統茶#04.トゥングレ茶(アマドコロ茶)~香ばしくて飲みやすいです~

 今回は、韓国でよく飲まれているトゥングレ茶(둥글레차)をご紹介したいと思います。

トゥングレ(둥글레)

<トゥングレ>(Wikipediaより)

 トゥングレ(둥글레)は50㎝程度のユリ科の植物で、和名をアマドコロといいます。ヨーロッパから東アジアまで分布し、日当たりのよい山野に生息しています。

 トゥングレは萎ずいや玉竹という名称で生薬としても使用されているほか、乾燥させてお茶としても

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韓国伝統茶#05.雙和茶(サンファチャ)~さすがに卵の黄身はいれたくない~

韓国伝統茶#05.雙和茶(サンファチャ)~さすがに卵の黄身はいれたくない~

 韓国の伝統茶を扱うカフェに行くと必ずおいてあるのが雙和茶(쌍화차)です。

 今回は、伝統茶の代表格といっても過言ではないほど広く親しまれている雙和茶について、ご紹介したいと思います。

雙和茶(쌍화차) 雙和茶とは白芍薬、熟地黄(地黄の根を酒で9回蒸したもの)、当帰、川芎、桂皮、甘草、生姜、ナツメなどの韓方(※)を煎じて作った伝統茶です。お好みで、胡桃や松の実を入れることがあります。

※韓方

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メルマガ『東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─』第137号「陰陽倶虚用藥」(「雙和湯」他)─「虚労」章の通し読み ─

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 ◇ 東医宝鑑(東醫寶鑑)とういほうかん─古典から東洋医学を学ぶ─ ◆

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  第137号

    ○ 「陰陽倶虚用藥」(「雙和湯」他)
      ─「虚労」章の通し読み ─

◆ 原文
      ◆ 断句

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【愛知・名古屋】伊藤圭介とシーボルトの東西植物譚

【愛知・名古屋】伊藤圭介とシーボルトの東西植物譚

時は江戸時代。
尾張藩の医師であり博物学者の伊藤圭介は、高なる胸を押さえるように、この日のために準備をした植物画を携えて、熱田神宮へと向かった。
幼少期から圭介の師であった、本草学者・水谷豊文と一緒にだ。
なんと、舶来のドイツ人医師が日本の文化や植物に興味があり、江戸へ参る道中でも各地を調査していて、この尾張をも訪れていると言うではないか。
こんな機会は、一生に一度、あるかないか。

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オニバスとアズキの水分代謝系薬草茶@中国

オニバスとアズキの水分代謝系薬草茶@中国

世界の薬草茶を色々飲んでみようシリーズ!
これは、千葉大の生薬学の先生に授業の後に毎回話しかけに行ったら仲良くなってもらったお茶の一つです🌟

赤いパッケージが、かわいい。

▶名前
芡实苡仁紅豆茶

食品表示には「代用茶」と、書かれていました。
日本でもチャノキ(緑茶や紅茶などの原料となる植物)以外のお茶は「茶外の茶」とされていますが、中国でもそういったチャノキ以外のハーブや生薬、雑穀のお茶を

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疲労回復にハーブティー

疲労回復にハーブティー

職場や学校、家事や育児の疲れを、ハーブティーで軽減しませんか?
ハーブティーには、疲労回復をサポートするものもたくさんあります。
今回は、疲労回復をサポートするハーブティーを紹介します。

1,疲労回復にはたらくハーブの成分

疲労回復にはたらくハーブの成分は、ビタミンやミネラルなどの栄養成分。また、血流やリンパの流れを促したり、代謝を高めるはたらき、高ぶった神経を鎮ほどよいめてリラックスするはた

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麦芽酵素を使って米飴を手作り

麦芽酵素を使って米飴を手作り

米を材料としてつくる米飴の歴史は古く、江戸時代から貴重な甘みとして重宝されていたそう。今回は米飴を手作りしてみました。秘密はモルトパウダーという材料。(富澤商店で100g162円でしたが、カルディコーヒーファームなどでも取り扱っているようです。価格は同程度)

もち米を使っています。うるち米でもできますが、違った仕上がり(甘さ控えめ)になるそうです。

水が少なめの仕上がりになるようにおかゆを炊い

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台湾の夏!ーひんやりスイーツと旅ー #2

台湾の夏!ーひんやりスイーツと旅ー #2

小飛

 こんにちは♪ 台湾人の小飛です。
今回も夏にぴったりのひんやり台湾スイーツの紹介です。

 夏の暑さを乗り越えるため、台湾人がよく食べる夏の定番スイーツ「愛玉 (アィユー) 」! 日本では「オーギョーチー」や「愛玉ゼリー」と呼ばれていますね。

●愛玉とは? 愛玉(アィユー)は「愛玉子」という台湾にしか自生しないイチジク属の植物から作られます。なので、愛玉は台湾の特産です。

 愛玉の作

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台湾薬膳スープの世界 #4

台湾薬膳スープの世界 #4

小飛

第4回:銀耳蓮子湯 ~カラダ潤う、美容女子の薬膳デザートスープ~こんにちは!台湾人の小飛です。

今回紹介する薬膳スープはほどよい甘みの薬膳スイーツ「銀耳蓮子湯(インアァリェンズゥタン)」です。

「えっ?薬膳料理なのに甘いの!?」とビックリするかもしれないですが、薬膳スープにはしょっぱいものだけでなく、甘いものもありますよ。

「銀耳蓮子湯」に使われる生薬

今回紹介する「銀耳蓮子湯」に

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台湾薬膳スープの世界 #3

台湾薬膳スープの世界 #3

小飛

第3回:「四神湯」〜胃腸の調子を整える薬膳スープ〜こんにちは!台湾人の小飛です。

今回は「四神湯(スゥセンタン)」という台湾薬膳スープの紹介です。
このスープは豚のモツと「四神」という生薬を使って作った、体に優しいスープです。

四神とは

「四神」とは中国伝統医薬学では4つの生薬を組み合わせた漢方のことをいいます。

4つの生薬が入っているなんてなんとも体によさそうですよね!
日本でも

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台湾薬膳スープの世界 #1

台湾薬膳スープの世界 #1

小飛

第1回:「麻油雞」
~ゴマ油香る、生姜たっぷり鶏スープ~こんにちは!台湾人の小飛です。
秋が深まり、ますます寒くなるこの時期には、あたたかい食べ物が恋しくなりませんか?
私の出身地・台湾では「冷えは万病の元」と信じられています。
そのため、冬が近づくと、体を温めるとされる食材を使った「薬膳スープ」をよく食べます。

そこで、今シリーズでは薬膳コーディネーターの私がオススメする、台湾でよく食

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台湾薬膳スープの世界 #2

台湾薬膳スープの世界 #2

小飛

第2回:「蒜頭雞湯」〜スタミナ満点!にんにく鶏スープ〜こんにちは!台湾人の小飛です。
突然ですが、最近こんな事に悩んでいませんか?
・体の冷えを感じる
・風邪が心配
・疲れやすい
今回紹介する台湾薬膳スープはそんな方におすすめのスープですよ!

今回の薬膳スープ「蒜頭雞湯」

シリーズ第2回目の今回は「蒜頭雞湯(スァントウジータン)」のレシピを紹介します。
「蒜頭雞湯」なんて聞いたことがな

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