台湾薬膳スープの世界 #1
小飛
第1回:「麻油雞」
~ゴマ油香る、生姜たっぷり鶏スープ~
こんにちは!台湾人の小飛です。
秋が深まり、ますます寒くなるこの時期には、あたたかい食べ物が恋しくなりませんか?
私の出身地・台湾では「冷えは万病の元」と信じられています。
そのため、冬が近づくと、体を温めるとされる食材を使った「薬膳スープ」をよく食べます。
そこで、今シリーズでは薬膳コーディネーターの私がオススメする、台湾でよく食べられている「薬膳スープ」を紹介していきます。
レシピも紹介するので、ぜひご自身で作って、召し上がってみて下さいね!
薬膳とは?
薬膳スープ紹介の前に、「そもそも‟薬膳”ってなに?」という方のために簡単に説明しておきますね。
薬膳とは生薬と食材を使って作られた食事のことです。
(※生薬:身体に良いと考えられている植物や動物、鉱物、海産物など)
料理に使われる食材のもつ効能によって、病気の予防や治療、健康の増進をするという、中国伝統医薬学の考えのもとに作られています。
生薬と聞くと、「苦い!」とか「美味しくなさそう!」と思うかもしれませんね。
ですがそんなことはなく、台湾では家庭料理として当たり前のように美味しく食べられているんですよ。
秋が深まる11月には、身体は乾燥し、冷えを感じるようになります。
こんな時期には水分を補い、体を温めることができる薬膳スープはピッタリですよ。
今回の薬膳スープ「麻油雞」
今回は「麻油雞(マァヨゥジー)」のレシピを紹介します。
これは鶏肉をたっぷりの生姜とともに煮込んだ、ゴマ油の香りが漂う台湾の薬膳スープです。
生姜をたっぷり使うため、体がぽかぽかと温まり、寒くなってきた時期にはうってつけ。
しかも味付けはシンプルに塩だけなので手軽に作れるのも嬉しいポイントですよ!
材料(4人分)
手羽元 ……… 600~800g
生姜 ………… 2個
クコの実 …… 20g
キャベツ …… 1/4玉
えのき ……… 1株
ゴマ油 ……… 大さじ4
料理酒 ……… 600ml
塩 …………… 適量
お好みで茹でたそうめん
作り方
(1)鶏肉に塩(適量)をふって揉み、下味をつける。
(2)クコの実をよく洗い、料理酒(分量外)に浸す。
(3)生姜を1つは薄切りにし、もう1つは粗めに砕く。
(4)キャベツは好みの大きさに切る。えのきの石づきを切り落とし、株を分ける。
(5)フライパンにゴマ油(半量)を熱して、中火で鶏肉に焼き色がつくまで焼く。
(6)生姜を加えて、鶏肉と一緒に炒める。
(7)生姜の香りが出たら、鶏肉と一緒に土鍋に移し、料理酒、お湯(分量外、600mL)を注いで沸騰させる。
(8)クコの実、キャベツ、えのきを鍋に入れ、蓋をする。(そうめんも添える場合はこの時に別の鍋で茹でておく)
(9)全体に火が通ったら、適宜、塩で味を整え、残りのゴマ油を回し入れる。
(10)お好みでそうめんと共に器に盛り付ければ完成!
鶏肉の骨から出た旨味をたっぷりと含んだスープは、味付けが塩だけとは思えないほどの美味しさ!
ゴマ油の香ばしさと生姜のピリッとした辛さは食欲を誘い、体をどんどん温めてくれます。(実際、食べた後は2,3時間ほど体がぽかぽかして少し汗ばむくらい!)
そして、たまに感じられるクコの実の優しい甘みにほっこり癒されますよ。
ぜひご家庭で作って、召し上がってみてくださいね!
本場・台湾の有名店!
ついに台湾旅行が解禁されましたね!
本場の味もあじわってみたいという方のために、最後に台湾・台北の「麻油雞」の有名店を紹介します。
・阿圖麻油雞 總店
場所:台北市中山區林森北路552之2號
かなり本格派の味で現地の人でにぎわうお店。
・阿男麻油雞
場所:台北市中正區中華路二段311巷34號(南機場夜市)
夜市にあるミシュラン常連の有名店。
・順園美食
場所:台北市木柵路三段1號
メディアでたびたび紹介される人気店。
台湾に訪れる際はぜひ足を運んでみてくださいね。
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