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創作物(小説)

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2024年7月の記事一覧

【小説】模様

 2017年に書いた、特殊なスタイルの短編小説。
 「模様」という概念を主人公とした小説(あるいは詩)です。
 我ながら、傑作!
 ただし、私がこれまでに書いた小説の中で、おそらく最も読みづらいであろう作品です。私の作品を初めて読まれる方には、他の短編小説をおすすめします。

他の短編小説:

これまでに投稿した小説一覧

 以下、本文。

 し文字聴く音目、高かるかま、見、みそこらうく星もうら。

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【小説】スイスイ殺虫剤

 2022年に書いた掌編小説。

 蛆虫たちは、皮膚にまとわりつくことで、私の知覚を鈍らせて、まさか自分のいる場所が「王座」だなどと、私が気づかないよう仕向けていたわけである。皮膚のあらゆる場所で粘度のある蛆虫がうごめくのは、さながら舌で舐められるかのようで、そこにいる最中は、とても「王座」らしさなど感じられなかった。しかし考えてもみれば、自分の快さのために、舌で全身を舐めさせるだなんていかにも「

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【小説】喪

 2020年に書いた掌編小説。

 刻まれる時に合わせて歌えよ踊れよ、俺達は皿に盛られている。ごちそうを眺めるときの目つきで、ジロジロ眺められるのが俺達に与えられた仕事なのだと、俺達の骨身に染み付いた考えは、時が刻まれれば刻まれるほど、真実のように思われる機会を増やしていくのである。俺は逃げようと皿の縁へとにじり寄ったことが何度かある。そのたびに、縁へ縁へと動いていても、いつの間にか目の前に、皿の

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【小説】選挙

 2017年に書いた短編「小説」。
 いわゆる普通の意味での「小説」とはスタイルの異なる作品です。

 弱くてみじめったらしい存在たちをそばに置いて眠りにつくのは心地の良い体験であるから、私は、気が向いた時にはいつも、こうした体験を楽しむために、存在たちをとっかえひっかえしている。このため私の住む大きい家には、弱くてみじめったらしい存在たちが、あちこちに存在している。
 さらわれて私の大きい家に来

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【小説】老犬

 2021年に書いた短編小説。

 あらすじ:
 車道に飛び出してきた猫を避けようとして、誤って少女を轢き殺してしまった男が、猫の街に招待され、虫でもてなされる。

 うんざりするような寝苦しい夜にはいつもそうしているように、俺はその夜も、それまで走ったことのない道を時速42キロで飛ばしていた。
 突然、道の右から黒いものが飛び出してきたので、俺は慌ててハンドルを右に切った。猫らしい。都合の悪いこ

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【小説】道幅

 2020年に書いた短編小説。

 蓋を閉める時にこぼれ落ちた掃除用の薬品は、地面に叩きつけられるや、くるくる回転しながら、自分がただこぼれ落ちたに過ぎないのだとは夢にも思わず、何かをきれいにする気まんまんで、一歩ずつ前に進みだした。水滴のようにも見えるが粘度は高く、一度絡め取った汚れは自らのうちで溶かすまでけして離そうとしない執念深さを持ち、目に見えない汚れを根こそぎ奪っていく便利な機能を与えら

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【小説】心の裏側を見透かされた話

 2022年に書いた掌編小説。

 妙な音を発しながら、道に転がる石が、分もわきまえず、俺に睨みをきかせてきた。俺は腹が立った。たかが道端で幼児に蹴られるくらいしか役に立ちそうもない鉱石のかけらごときが、この俺に、チンピラか何かを眺めるような侮蔑的な目つきをぶつけてこようとは……「夢にも思わないこと」は数あれど、こいつは少し度が過ぎている。数ある「夢にも思わないこと」の中で、起こったのがたまたまそ

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