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エッセイ

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自分のこと (機能不全家族、依存、仕事、恋愛、心療内科、発達障害)
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#家族

まだ間に合うだろうか

まだ間に合うだろうか

最近、人権学習に関する報告会に参加した。
"気になる子"へのアプローチの仕方。その子自身が背負わされている差別や偏見に対して、声を上げるサポートをした経緯。そして、学級へとその子の思いを広げ、差別をしない学級集団づくりを行っていくという内容のレポート発表だった。

その研修の中で、
「出会い 向き合い 語り合わねば 誰かと繋がることはできない」
という言葉に蒙が啓かれた。
得体の知れないものは怖い

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人間関係が終わる最大の要因は

人間関係が終わる最大の要因は

"話し合わないこと"だと思う。

身近な夫婦を例にとって説明する。
様々なことに見通しを立てて行動する母。
頭の中で、あれもしなきゃこれもしなきゃと、やらねばならないタスクを書き出す。
自分がやった方が速いし、思いついたのも自分だから、一人でやろう。
しかし、そんなにキャパが大きい訳では無い。こなしきれないタスクの多さに、精神的余裕がなくなる。
そして、父が一緒にやってくれないことに腹を立てる。

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それでも、家族は続く

それでも、家族は続く

『それでも、家族は続く』信田 さよ子 著
読了。
カウンセラーというご立場から、家族のことを様々な切り口で考えている興味深い本だった。
教師としても使えそうなカウンセリングのスキルが書いてあったし、個人的にも考えるところが多かった。
学んだことをつらつら書いていく。



「母がいつも機嫌が悪いのは自分たちのせいだ」
「母の機嫌をとってあげないと」
「母の期待するような自分にならないと」
そんな

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結婚って家族のしがらみが付き纏う

結婚って家族のしがらみが付き纏う

先日、彼が私の家に挨拶に来てくれた。
母親だけだったらどうしよう…と思っていたが父親の姿が見えてほっとした。

でも、通されたダイニングテーブルに座ったのは父だけ。
母は台所にいて、こちらに来ようともしなかった。台所に椅子を置いて、黙ったままこちらを見ている。
私と彼にはお茶を出して、父には何も出さない。
茶菓子すらない。
父と彼が話す間、私の心は怒りで煮え繰り返っていた。
何故、こんな日ぐらい取

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1と1が交差するとき

1と1が交差するとき

先日、彼のご実家へご挨拶に伺った。
よく手入れされ、花が咲き誇る庭先。
細やかで丁寧な"営み"を感じた。

『こんな私が伺って大丈夫かな?』『うまく話せるかな?』と胸をどぎまぎさせながら玄関の中に入る。
彼のご両親は、「いらっしゃい」と笑顔で迎えてくださった。
その表情に少し安堵する。

ご両親は朗らかに話しかけてくださった。
さすが彼のご両親だ。言葉の節々に優しさが滲み出る。
彼がこんなに立派に

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宵闇の中で描けるだけの絵空事を

宵闇の中で描けるだけの絵空事を

世間一般の『女性の憧れ』は、私に無縁なものだと思っていた。

高価なブランド品にも価値を見出せなかったし、冷めるのも構わず、"映える"ご飯の写真を撮る友だちにも辟易していた。
結婚だってできると思っていなかった。
勿論、結婚式も婚約指輪も自分には必要ないと思っていた。
「自分には似合わない、勿体ない」
「高いものなんて見栄を張るための手段でしかない。くだらない。」
なんて卑屈になっていた。

でも

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君たちは呆れるほどよく似てる

君たちは呆れるほどよく似てる

その昔、パチンコで数百万の借金をこさえた父。
それでも、誰も行かないようなオンボロの"パチンコ◎◎"に通っていた。
「儲かっているパチンコ×××に行けばいいのに。儲かっているパチンコ屋じゃないと当たりが出らんよ。」
と訴える母に、
(母も、「パチンコに行かないで」ではなく、「儲かっているパチンコ屋に行って」と頼んでいるのが面白い 。)

「俺はパチンコ◎◎の方が落ち着くから。」
の一点張り。
痛い

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泥梨の花よ

泥梨の花よ

母からの突然の電話。
開口一番、
「弟の就職が決まったよ」

「やったーーーー!!!!!」
思わず大きな声が出てしまう私。
大学卒業してニートをすること3年目…ようやく春が訪れた…!嬉しい。本当に。

しかし、母は電話の向こうで泣きじゃくっている。嬉し泣きでは無さそう。
話を聞いてみると案の定、
「〇〇大学まで出てこんな年収の会社…」
「貧乏暮らしするのが可哀想」
「もっといい会社行けるのに勿体な

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不器用な人

不器用な人

私の母は不器用な人だ。
自分の思いを言葉にするのが苦手。
弟や父と喧嘩すると、物に当たり、あらゆる罵詈雑言を吐き散らかす。
喧嘩した後はひたすら無視。
父とは今、3年以上まともに話していない。
そして、家事を放棄する。長い時で数ヶ月。
子どもの時から、そんな母の地雷源を踏まぬように細心の注意を払って生活してきた。



ある日、弟と母が喧嘩した。
弟が悪い部分もあるが、そこまで?と思わされる剣幕

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私と彼氏と弟と

私と彼氏と弟と

引きこもりニート歴2年。まもなく3年目を迎えようとしている弟がいる。
「彼氏とご飯行くんだけど一緒に行かない?」
「ん、いいよ。」
「…え、いいの!??」
ダメ元で誘ったのに。
奇跡が起きました。

本日、私、彼氏、弟の3人でお昼ご飯に。
弟たっての希望で近所の王将へ。
久しぶりに日の下で弟を見た気がする。
万年、半袖半ズボンボーイなのに、今日は長袖長ズボンを着用していた。
弟なりに格好に気を遣っ

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手の温度

手の温度

母の手はいつも冷たかった。

幼い頃、一緒に寝ていた温かい布団の中、月明かりに照らされた砂漠のように冷たいままの手。
何故か不安で、熱くじっとりとした私の手で、温めようと必死に握りしめていた。
でも、かさかさでひんやりとした母の手。

当時の私は知らななかった。
フルタイムで働くことの辛さ。
水仕事でこんなにも手が荒れること。
グレーゾーンの2児の子らをほぼワンオペで育てることの地獄。
手の冷たさ

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生きて欲しい

生きて欲しい

貴方に伝えたいことがあります。
それは「生きて欲しい」ということ。
どういうこと?って思うかもしれませんね。
少し言い換えると、自分の人生を生きて欲しいのです。
貴方は自分の人生を生きているように見えません。どこか投げやりになっているような、自分に見切りをつけているような感じがします。

口うるさく貴方の人生にレールを敷いてきた母も、
「好きにしなさい。」と尊重するような言葉を言って放っておく父も

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泡沫の日々

泡沫の日々

何となく、10年後に生きている気がしない。

別に不幸で死にたいとかではない。
むしろ今が多分、一番幸せ。
家族と離れて暮らし、現状に目を瞑ることができる。
大好きな人と両想いで、週末には会うことができる。

それに、理想の未来予想図もある。
まず、貴方と一緒になる。
次に子どもが産まれる。
仕事は大変だけれど、母に手伝ってもらう。
孫ができて幸せそうな母。
そして弟は仕事が決まり、家を出ている。

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君に私の孤独はあげない

君に私の孤独はあげない

ご家族と仲良しな彼。
「毎年、お祭の日に母方の親戚の家に集まるんだよね。」
「今度、実家の手伝いに召集された。その後、大叔父さんも来て皆で呑むらしい。」
当たり前のように家族との予定がポンポン入る。

親戚で集まることも、家族皆でご飯を食べることも私の家では有り得ない。
最後に親戚に会ったのは…5年前か。
最後に、食卓で家族全員でご飯を食べたのは…覚えていないぐらい昔だ。

「〇〇ちゃんの家はどう

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