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君に私の孤独はあげない
ご家族と仲良しな彼。
「毎年、お祭の日に母方の親戚の家に集まるんだよね。」
「今度、実家の手伝いに召集された。その後、大叔父さんも来て皆で呑むらしい。」
当たり前のように家族との予定がポンポン入る。
親戚で集まることも、家族皆でご飯を食べることも私の家では有り得ない。
最後に親戚に会ったのは…5年前か。
最後に、食卓で家族全員でご飯を食べたのは…覚えていないぐらい昔だ。
「〇〇ちゃんの家はどうなの?」
無邪気に聞いてくる彼。
なんて言えばいいのだろう。
頭の中で、嘘を書いたり消したりする。
知られたくない。
両親が不仲なこと。親戚付き合いもほとんど無いこと。弟が引きこもっていること。私が家族から離れたいと思っていること。
貴方にはきっと理解できないでしょう。
受け止めきれないでしょう。
家族であるのに歪な関係。
家族を率直に愛せない悲しさ。
息を潜めるように実家で過ごす辛さ。
貴方が愛する自慢の家族に、私なんかを紹介できないよね。
付き合って2ヶ月にもなるのにまだご両親に私のこと話してもいないみたいだし。
私も、貴方に自分の家族を紹介できない。
君にはまだ私の孤独はあげられない。
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