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宵闇の中で描けるだけの絵空事を

世間一般の『女性の憧れ』は、私に無縁なものだと思っていた。

高価なブランド品にも価値を見出せなかったし、冷めるのも構わず、"映える"ご飯の写真を撮る友だちにも辟易していた。
結婚だってできると思っていなかった。
勿論、結婚式も婚約指輪も自分には必要ないと思っていた。
「自分には似合わない、勿体ない」
「高いものなんて見栄を張るための手段でしかない。くだらない。」
なんて卑屈になっていた。

でも、彼にプロポーズされて婚約指輪を見に行くことになった。
「ブランドものなんて私らしくないし、安いのでいいから…」
と可愛げのないことを言う私に、
彼は、
「とりあえず見に行こう」
と5大ジュエラーのお店に連れて行ってくれた。

お勧めされた指輪を前にすると、清廉な煌めきに目が奪われた。
ブランド品なんてネームバリューにお金を払っているだけだと思っていたが、実際に指輪をはめてみると、長らく地位を確立している理由や荘厳さを感じた。
これが自分のものになったらどんなに嬉しいだろう…とうっとりした。

しかし、値段が可愛くない。
『こんな高いものを買ってもらうのは申し訳ない。』
と泣く泣く外す私の様子を見て、
「これでいいんだよ」
と彼が言ってくれた。
結局、これまで嫌煙して生きてきたブランドの指輪を買ってもらった。

私は、ちゃんと"女の子"だったんだなと思った。
一丁前に憧れも夢も持っていた。
欲しかったのに、自分に自信が無かったから「私は別に要らない」と強がって遠ざけていただけ。


親戚や家族の仲も最悪なので、結婚式だって『お金の無駄。挙げるものか』と思っていたが、本当は挙げてみたいのかもしれない。
どうしようかな。
最近は夜になると、「🔍結婚式 メリット デメリット」で調べている。
あれこれ絵空事を描いては、少し胸が弾む。
迷うなら結婚式を挙げた方がいいのかな。
皆様のご意見を伺いたく存じます。

ブランドのアクセサリーが素敵。
結婚式を挙げたい。
貴方の行きたい所に行きたい。
そんなつまらない私でいさせてくれてありがとう。

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