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続ちょこっとひとこと

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故郷・神戸に戻り、今を綴るもまだまだヨチヨチのエッセイ集。
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2021年6月の記事一覧

今日からまた一歩ずつ歩んでいく

今日からまた一歩ずつ歩んでいく

ミニトマトの花が咲いた。
この日をどれだけ待ちわびたことだろう。

白い花が咲くと勝手に思っていたから、ちょっと驚いた。
精一杯に咲いたという言葉がぴったりな、小さく可憐な花。

どれくらい待ちわびたかと辿ってみると…
5/30のこの記事で定植したことを書いているから、ちょうど1か月。

もっと鈴なりを夢見ていたから、たったこれだけ?と思わないでもない。
でもなかなか花房をつけず、ひとつでいいから

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今日僕は500日目を迎える

今日僕は500日目を迎える

おそらくそうなのだ。
今日僕は500日目を迎える。
昨日たしか499日と出ていたから。

書きはじめから一日も休んでいないので、連続500日目でもある。
ずっとエッセイを投稿してきたが、500日ともなるとこれはもう日記だ。

***

大学を出て最初の就職は、東京の出版社だった。
希望どおり日本史の書籍編集部に配属になり、上司に誘われるまま、月一回日曜日に開かれる勉強会に顔を出すようになった。

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自分の原点を巡る旅~エピローグ~

自分の原点を巡る旅~エピローグ~

昨日、10歳まで過ごした明石に久々に行った話をあげた。
住んでいた家に40年ぶりに再会できた話。

これは自分の中で相当に大きかった。
その重みに耐えかねて、その場を離れたほど。
どうも10年間の自分の営みというものを軽くみていたようだ。
頭の中に当時の息づかいがリフレインして止まらない。

今日もまたその話を書くつもりなんてなかったが、思い出をしっかり昇華させる必要があると感じた。

***

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うまい玉子焼で旅をそっとしめくくった

うまい玉子焼で旅をそっとしめくくった

10歳までを過ごした明石の家に、40年ぶりに行ってみた。
当時すでにボロボロの家だったし、消えてなくなっていることも覚悟して。
近づくにつれ、緊張が増す。
もうすぐ見えるであろう位置でいったん足を止め深呼吸、そして…

あった! まだあった!
周りはすっかり変わっているのに、このボロ家だけポツンと残っていた!
ぐっとこみあげてくるものがあり、みるみるうちに涙があふれた。

3軒長屋のアパートで、こ

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見守る側にはそれしかできない

見守る側にはそれしかできない

ベランダの緑が元気だ。

お、もしかしてミニトマトに花芽?

ついについに!
これがいわゆる第一花房というやつか。

野菜は植物、そして生き物。
あまりに栄養を与えすぎると、株が安心しきって自己満足に陥り、種を残そうとしなくなるのだとか。
やや飢えた状態になると花をつけてタネを生み出そうとするらしく、ここ数日は水さえも控えめにしてきた。
肥料は有機なので、化学肥料みたいに与えたらすぐ効果が出るとい

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日常を知るためにも、やっぱり標準を知りたい

日常を知るためにも、やっぱり標準を知りたい

春頃から、マトリッツォだかマリトッツォだかがはやっている。
ブリオッシュにクリームが、まるで恐竜の化石の復元で足りないところを石膏で補ったかのように入っているアレだ。

イタリア・ローマのスイーツだ、というところまではどこかで聞いた。
何がきっかけかは知らないが、急にパン屋に並びだした。
ティラミスやナタデココの時みたいに、え? 前からありましたよ? と言わんばかりにスッと忍び寄ってきた。
今では

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完全復活とはほど遠い再開

完全復活とはほど遠い再開

兵庫県の緊急事態宣言が解除され、飲食店での酒類提供が解禁された。
とはいえお酒は19時まで、店の営業も20時まで。
さらに大阪府や京都府と足並み揃えると言っていたはずなのに、なぜか兵庫県だけ土日の酒類提供禁止は継続。
完全復活とはほど遠い再開だ。

そんななか、会社の同僚と半年以上ぶりに飲みに行った。
全国の酒蔵からこれはと思ったお酒をチョイスし、好みや気分を伝えればオススメを出してくれる、頼れる

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30年前の自由な日々が思い出された

30年前の自由な日々が思い出された

なんか全然おもんないやん。
自分史上いちばんしっくりきてへんのちゃうの。
短い一度きりの人生、こんなんでえぇとは思えへんのやけど。

とか考えてたら、京都に住んだ30年前の自由な日々が思い出された。
その頃のスケッチブックを引っ張り出したら、クーラーもないうだるような暑い夏を送った下宿の一角が描かれていた。

半開きになった押入、脱ぎ捨てられたブルージーンズ。
壁に掛けられた茶色の帽子。

裏を見

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蚊が多いのはうちだけではないことを確信する

蚊が多いのはうちだけではないことを確信する

ベランダ菜園を始めたから、虫が増えた。
土と水と植物があれば虫が増えるのは当然だが、とくに今回は有機なので堆肥などに小バエが寄ってきたりしているようだ。

だからというわけではないのだろうけど、蚊もやたら多い気がする。
今年はまだ全然暑さを感じないのに、だ。
ベランダで野菜たちの世話をして、部屋に戻ると一匹連れて帰ってきたりしてホトホト困る。
生まれながらにして蚊に好かれ、生き血を抜かれやすい体質

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ありがとうと言ってくれて、ありがとう

ありがとうと言ってくれて、ありがとう

鯛焼きリベンジを果たした。
今回はちょっといいかも。

羽根つきだ。

それにしても前回がひどすぎた。

その時生まれた鯛焼きを自分で「松ぼっくり」と呼んだが、それと今回作ったのを並べてみた。

お! 今回は鯛焼き! というか前回はやっぱり松ぼっくり!
松ぼっくりには胸びれもなければ顔もなく、同じ型で作ったとは思えない。
鯛焼きはやはり、松ぼっくり以上においしかった。

***

昼は、30年ほど

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もしかしてエンドレス? と自問自答の一人宴会

もしかしてエンドレス? と自問自答の一人宴会

限りある人生、どうせならちゃんとしたものを食べたい。
外食だって店を選べるならきちんと選びたい。
でもいつもそんなことを言っていては財布は軽くなる一方だ。

***

王将に行くことがある。
餃子の王将、いわゆる京都王将と呼ばれるアレだ。

店に入ると、一人なのでカウンター席に通される。
各席にはグランドメニューが置いてあるが、一人客はたいてい定食を選ぶのか、一枚ものの定食メニューを手渡される。

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まじめに作っているものなら、なんだって応援したい

まじめに作っているものなら、なんだって応援したい

断トツ日本一の酒どころ・兵庫。
灘の酒といえば多くの人がその名を聞いたことがあるはずだ。
神戸から西宮にかけてを灘という。

(©灘五郷酒造組合)

銘水と銘米が揃う灘では酒造りが盛んとなり、江戸後期には実に江戸で飲まれる酒の8割が灘の酒で、〈下り酒〉として愛飲された。
当時は上り下りが今とは逆で、江戸に向かうものを下りものと呼んだのだ。
ちなみに江戸の酒は下りようがないため〈下らない酒〉と呼ばれ

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カルテがつなぐ、新旧の担当美容師

カルテがつなぐ、新旧の担当美容師

カルテ【Karte[ドイツ]】
患者の診療記録、つまり病歴記録のことで、医師法では〈診療録〉という。一人一人の患者について別々に作成されており、医師は、診察のたびに症状や身体所見、検査成績、診断と処置、投薬などを記載する。(後略)
(平凡社『世界大百科事典』第2版)

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今日、2か月ぶりに髪を切りに行くつもりだ。
髪が伸びるのは早いほうなので、いつも1か月ほどの間隔で通っていた。
今回も早

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noteで診察とか受けられたらいいのにな

noteで診察とか受けられたらいいのにな

アゴが痛い。
ここ1か月ほどずっと。
しかもよくなるどころか、少しずつ悪化している気配さえある。

正確に言えば、左のアゴ関節が痛い。
だから左の耳の前あたり。
口を開けようとするとグギギギ…と痛む。

夜ずっと動かさないからだろうか、朝起きた時がいちばん痛い。
朝ごはんなど、口が開ききれなくて悲惨なことになる。
半開きの口にごはんを押し込もうとするのでボロボロ落ちる。
納豆は唇に当たり、ニオイだ

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