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自分の原点を巡る旅~エピローグ~
昨日、10歳まで過ごした明石に久々に行った話をあげた。
住んでいた家に40年ぶりに再会できた話。
これは自分の中で相当に大きかった。
その重みに耐えかねて、その場を離れたほど。
どうも10年間の自分の営みというものを軽くみていたようだ。
頭の中に当時の息づかいがリフレインして止まらない。
今日もまたその話を書くつもりなんてなかったが、思い出をしっかり昇華させる必要があると感じた。
***
40年前、その家の前でよく兄と野球をした。
空振りしたり見送ったりするとボールは玄関にガシャンと当たるので、よく父にうるさい!と怒られたものだ。
当時ホームベースに見立てたコンクリの盛り上がりが玄関先にまだあった。
ここでバットを構えていたなと懐かしんでいると、子供の声が聞こえた。
周りには誰もいないから、きっと自分の記憶の中の声だ。
そんな夏の日を絵に描いた。
目を閉じ、ゆっくり思い出しながら。
一昨日撮った写真と比べてみる。
家の並びにあった鉄工所がなくなっている。
玄関の横にあったビワの木も伐採されていた。
兄が種から植えてグングン伸び、毎年甘い実をつけて楽しませてくれた木。
色もつけてみた。
汗だくになりながら、晩ごはんの声がかかるまで兄と遊んだあの日。
子供の頃の絵日記にも描いたことのなかった明石の家。
これで、きっと思い出として大切に胸の奥にしまっておける。
(2021/6/28記)
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