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《音楽家》から〈音楽家〉へ、音楽を行為としてとらえたい、わたしのふるまいの方針

《音楽家》から〈音楽家〉へ、音楽を行為としてとらえたい、わたしのふるまいの方針

 音楽を行為としてとらえたい私のふるまいの方針を紹介します。
ここまでどうやってたどりついたか、プロジェクトのプロセスは⇩から。

 縦軸には、伝統と自由、(建前と本音と読み替えてもよいかもしれません)横軸には、境界線の強弱がうかびあがり、伝統に決別するのではなく、伝統とその外側を柔軟に行き来し、人々との関係の中で音楽をしようとするふるまいが現れています。

それでは!象限ごとに解説していきます。

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あなたは自分の音、演奏が好きですか?

あなたは自分の音、演奏が好きですか?

大学3年生の頃。
大学の練習室で個人練習をしていたら同期が部屋に入ってきた。

「練習中ごめんね。
もうすぐ授業なんだけど時間が微妙だからちょっとだけここにいさせて!」

練習室にいるとたまにこうやって誰かが入ってくることもあるし、逆に私が同期の部屋に行くこともある。

ごくごく普通の日常のことなんだけど、その時やってきた同期はあまり話したことのない子だった。
その子も楽器はフルート専攻なんだけど

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巡り巡って

巡り巡って

ラッキーにも現在、指揮活動ができている夫は、振り返ってみると普通には考えつかないようなことをたくさんやってきて、もちろん失敗や辛いこともあったけど、
たくさんの素晴らしい人たちに恵まれて、お陰さまでここまでやってこれた。

高校3年生で指揮者になりたいと両親に告白し、何の準備もなく無謀にも桐朋学園の入試を受け、面接で、かの斎藤秀雄先生に指揮者になるためには何をどう勉強したら良いのか必死の思いで尋ね

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毒親と贅沢で罰当たりな子供。子育て中。

毒親と贅沢で罰当たりな子供。子育て中。

いま子育て真っ只中。我が家は妻が優秀なので、親が「こうなってほしい」ではなく、純粋に子供たちに自己実現してもらおうと考えて、習い事や経験をさせるという考えで進んでいる。

それは当たり前では?と思うかもしれないが、当たり前と思うのは幸せな証拠であって、少なくとも自分はそうではなかった。妻もそうではなかったことを付け加えておく。

☆☆☆

私の家庭では、父が全ての権限を握っていた。その父は自分の考

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こんな母です。

こんな母です。

はじめまして。

まさか自分でnoteを書くようになるとは。

3人の子供がいて、仕事もあって、主人は早朝出勤し、夜遅くに帰宅。
平日はほぼワンオペなので、とにかく毎日忙しい。

心を亡くすと書いて「忙しい」。
本当に忙しいと、まさにこれ。自分の心は無に等しくなる。

そんな時、私の心に色をつけてくれるのが、子供たち3人だ。
うちの子供たちは、とにかくよく笑う。
親の私がみても、よく笑うな、感情豊

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この気持ちを忘れないために

この気持ちを忘れないために

先日、小学校で息子の「10歳を祝う会」があった。4年生最後の大きなイベントだ。

会場は教室より広い多目的室で、子どもたちと保護者が向き合う形でイスが並べられていた。

はじめにリコーダーと合奏、次に一人ずつ前に出てスピーチ、最後に歌を披露してくれた。

息子のスピーチは一番最初だった。 

息子が生まれて、もう10年たったのかと思う時もあるし、まだ10年しか一緒にいないのか、と思う時もある。

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高卒が勝ち組?高学歴が仇となる地方文系女子

高卒が勝ち組?高学歴が仇となる地方文系女子

今回の記事は地方女子大生が地元で就職することを前提に書いています。
都会の進学・就活事情とはかけ離れた地方の価値観が含まれることをご了承下さい。(熟成・加筆するうちにかなり長文になってしまいました。)

地元国立大4年生の姪が、就活で苦戦している。

姪は目ぼしい地元企業を数社受けるも、最終面接まで辿りつくことなく全て撃沈。
7月に入り半ばやけくそで応募した1社から内定を貰ったものの、聞けば高校生

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【漫画】あした死のうと思ってたのに

【漫画】あした死のうと思ってたのに

あした死のうと思ってたのに

あした死のうと思ってたのに②

子育てを振り返って

子育てを振り返って

長女が結婚して、子育てを振り返ってみました。気持ちを整理するために少し文章にしようと思います。
娘はかなり育てにくい子供でした。
出産後、家に帰ってから、小学校に上がる前まで毎日夜泣きをしていました。
感受性が豊かなのよ~とママ友には慰められましたが、私は毎夜抱っこしてベランダや社宅の庭に出て落ち着かせるのが辛かったです。
赤ちゃんの時は寝るか泣くかのどちらかで、常に抱っこしていました。
幼稚園も

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終わった恋の、正しい始末のつけ方

終わった恋の、正しい始末のつけ方

「本当の愛」というものを知らないくせに、大きな口を叩きますがね。

大人になると、時々、常軌を逸した失恋を経験してしまうことがあるじゃないですか。

あれ、なんとかならないもんですかね。

「あの経験をして良かった」

そんな風に思えるのは少なくとも数年先で、あいつに似た姿を街中で見かけるだけで、普通にパニックになりますからね。

「可愛い私を見ろバカ後悔しろ死ね」という思いから、SNSをアヒル口

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鬼か魔女か…

鬼か魔女か…

今が良いから良いのだけど…

私が子どもの頃。

母はいつも怒っていた。

私たち(私と妹)が自分の言いなりにならないと鬼の形相で、1メートルの竹の物差しを手当たり次第そこら辺を叩いて私たちを脅した。
実際、追いかけてきて叩かれもした。

「子どもは、親の手となり足となるのが当たり前」
と、いつも言っていた。

母が仕事から帰って、私たちが家事(洗濯物を取り込んだり、ご飯を炊いたり)ができていない

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子供に「私みたいになってほしくない」と思っていた話

子供に「私みたいになってほしくない」と思っていた話

私は子供の時、ぜんぜん泳ぐことができなかった。

「え?息継ぎ?どういうこと?」
「こんなにがんばっているのに5メートルしか進まないんですけれど?」みたいな状態だった。だから、子供の頃の水泳の授業に、あんまりいい思い出がない。

水泳教室に通っていた子はみんな泳ぎが上手で「そういう人はいいよね」と思っていた。しかもその感情が「嫉妬」であることに気づかず、私には関係のない話だと思っていた。



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不登校児が登校した日に考えた-待ちたくなんかない。無になりたい。

不登校児が登校した日に考えた-待ちたくなんかない。無になりたい。

我が家の不登校児。
小学五年生、(今のところ)女子、11歳。

「保健室の先生にディズニーのおみやげ渡したいから、月曜、学校行く~」とのことで。
本日2週間ぶり?の登校となった。

ちなみに二学期になっての登校は3回目。

ずっと「終わらない夏休み」を満喫していたのだけれど、ある日私が「一緒に学校にプリントをもらいに行こうか?」とさらっと誘ったら「行こうかな~」と抵抗なく、ついてきた。そのとき担任

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「甘えていいよ」と、娘に言った夜

「甘えていいよ」と、娘に言った夜

赤ちゃんの泣き声を聞くと、なんだか温かい、しあわせな気持ちになる。母に甘える子、子に応える母、その光景はとてつもなく尊いと思うのだ。

1ヶ月程前、お隣さんちに赤ちゃんが生まれた。生命力に満ちあふれた泣き声が聞こえてくるたびに、心がほっこりする。娘もあんなふうによく泣いてたなぁと思い返しては、自然と笑みがこぼれる今日この頃だ。

わたしたち夫婦は、特別養子縁組で娘を迎えた。生後2日目に出会った娘は

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