Emi

たくさん考えて、たくさん書こう。

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  • 本番日記

    本番であったこと感じたことを短く作文します。

  • 私の100個の物語

    わたしにまつわる100個の物語です。

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あいさつ

こんにちは、磯野恵美です。 音楽したり、文章書いたり、編み物したり、よくわからない絵を書いたり、まったりしています。時々道化になります。 これまでのお仕事はこちら

    • まどの向こうの赤について

      まどの向こうの竜巻の渦の中に ありとあらゆるものが巻き込まれている。 ものすごい音を立てて、赤い自転車がこちらに 飛んでくる。 だけど、どんなに手を伸ばしても、赤い自転車には手が届かない。 自転車の赤が、こちらに何かを訴えてくる。 赤は色、赤は記号、赤はあとか、赤は赤。 赤ということば自体は意味を持たないはずなのに そうやって頭ですぐ考えようとする。 なんなんだ。 目に入るあの赤はこちらに何を言おうとしている。 そっと、身体で赤を引き受け、赤について考える。

      • 【30】ごっこ遊びの延長で

        ごっこ遊びは楽しいの延長で面白いことはたくさんできる。 場合によっては、本物より面白いのではないかと思うことすらある。 あるはずのない場所に、あたかも当然のように出現させる。 演出ってそうゆうことか。今更だけど。 メイク、小道具、衣装、使えるものはなんでも使う。そのコラージュが いい感じに混じって、ごっこのまとまりが完成される。 ふと、いくつかの断片が集まって、「〇〇」と名前のつく空間になるのであれば、その断片は直接的に作りたい空間に関わる物でなくてもよいものなのではな

        • 【29】窓と地面について

          ここのところ、ずっと暑い日が続いている。灼熱の中移動するのはとても大変だ。大変な中、それでもイベントに足を運んでくださるのは本当にありがたいことだ。本番前に疲れるまいと、できるだけ汗をかかずに移動できる方法を模索しながら会場に向かった。 今回は高層ビルの一室での本番。もちろん会場は涼しい。寒いくらいだ。しかし、廊下は蒸し暑かった。ロビーで待たせるのが申し訳なくなった。景色はよいが窓がない。 本番が人集まって動くと熱気が生まれる。人間は呼吸をしている。 部屋に熱が籠る。それ

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          30本
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          100本

        記事

          【28】関係の可能性

          日々思うことがある。違うということをそのままにしておけないものか。 誰々専用とか、ターゲットを絞ったりするって誰が始めたんだろうか。適切な空間をつくる事前準備としての枠組み、できることできないことの枠組みなど必要なことはある。一周回って、マーケティングとか、実は大人の都合、つまり安全を確保と言いながらも、リスクマネジメンと称して、リスクを避けるなんてことも。当たり前のこととして、そのことを無意識に受け入れていないだろうか。 そうゆう場は、そうゆうことにするとして、もっと可能

          【28】関係の可能性

          【27】音のはやさについて

          今日は本番の後に、アンサンブルを誘う呼吸の話をふと思い出して話した。わたしの中でアンサンブルのことを考えると、まずこだわりの一つに音のスピードがある。これはテンポのことではない。音そのものが発している速さのことだ。 例えば、テンポ(BPM)=60で4拍あるとして、それを一つのセットとして、箱のようにとらえる。その間をどれくらいの速さの車で駆け抜けるかについてこだわりがある。 速さと大きさは比例させないこともできるし、あえて速度不明のどっちつかずな音も出せる。このスピード感

          【27】音のはやさについて

          noteで全文公開している私の100個の物語を製本しました。BASEから購入できます。よろしくお願いします🥺 私の100個の物語 | emistore https://thebase.page.link/dnCg

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          【26】魂おどる瞬間に立ち会う

          ほとんど妄想なんで、適当に聞き流してください。 どうも最近はなんでも分けたがる。わかりやすく分けたがる。 分けた方が楽だから、物事がスムーズに行くから。分けるシステムには 課金制すらある。全部がシステムで、そのシステムに適合するように人は教育される。目に見えないものは、無かったことになって、全部無意味にされる。 目的や意味がないことは全部ないことになって、心というか魂はとても窮屈になってく。身体も心も拘束されて行き場を失ったら悲しい。 でも、解放の道へと連れ出してしまっ

          【26】魂おどる瞬間に立ち会う

          【25】のびのびと

          遠征公演の2日目、山の中の学校。昨日よりは少し暑さはカラッとしていてましだった。移動はありがたいことにタクシー。ほんと、ありがとうだ。これが自分で運転とか、知らない土地の電車移動とか荷物を持ったままだときっともっと疲れていただろうなと思う。 出会った人たちは、とてものびのびとしていた。羨ましいくらいのびのびとしていた。身体の動きも、声も、誰かに制限されることなく、そのままでいいのよ、と普段からきっと言われているのだろうと思う。素直な反応が嬉しかった。楽しみを享受するには、や

          【25】のびのびと

          【24】灼熱の体育館

          夏場の体育館のワークショップはなかなか大変だ。 冷房なしで、扇風機だけ回して、全力で動く。もはやサウナ状態。 3回公演、後ろに行けば行くほど、意識が遠のいてきて、参加してくれている人たちにもだんだん申し訳なくなってくる。温暖化のせいだ、人間のせいだ。と怒りたくなるところだけど、そこはめぐりズムのスースーするローションを首の後ろに塗って、清涼感でごまかしながら、全力で踊る。 楽器も湿気でおかしくなりそうだ。 恐ろしいほどに、暑いと意識がもってかれて本番中のこと、何も覚えてい

          【24】灼熱の体育館

          【23】しなやかな想像力を

          オープンスペースでの演奏。事前申し込みが一応必要なようだった。 事前に聴衆がいることは誰にとっての安心か。よく考えて、場所はオープンスペース。絶対に人がとおることがわかっている。 ストリートパフォーマンスを想像して欲しい、街の中に、パフォーマンスする人が現れて、そこにどんどん人が引き込まれていき、いつのまにか輪が出来上がる。そしてひとしきり盛り上がると、その輪は解散してまた元の街に戻る。その繰り返し。出入りも自由。 一方で、コンサートを想像すると、演奏する舞台があり、そこ

          【23】しなやかな想像力を

          【22】画面の向こうか、こちらのリアルか

          コロナを経て、今は舞台は前と元通りに何不自由なくできるようになった。しかし、やはりどこか戻っていない、変わってしまったと思うようなことが多々ある。一人の演者として、そのことをずっと考えているし、もう知らないとも、思っている。 コロナを経て大きなところでは、オンラインで参加、対面で参加が選べるようになった。選択肢が増えたことは聴衆にとって好ましいことだろう。しかし、その体験の質はどうだろうか、本当に同等なのだろうかといつも疑問に思う。 オンラインと対面のハイブリットの公演が

          【22】画面の向こうか、こちらのリアルか

          【21】地面から

          あっているとか、あっていないとか、どうでもよかった。あの広い空間に、あれだけの人が集まって 全て予定調和で、まるでベルトコンベアのようになんて進むわけがない。統制することに喜びは感じない。安心できる瞬間はもちろん必要だが、ほれ、やってみようで、わ〜合っちゃったみたいなのが理想。これはそうゆうものだからといわれたら、もともこうもないが、そうゆう予想外な瞬間をわたしは美しいと思うし、感情を動かされるのだと思う。麻薬的に好き。目の向こうに見える表情、楽器に触れる手つき、子どもたちの

          【21】地面から

          100 リコーダーを吹く道化 

          アウトリーチで、小学校三年生の授業にお邪魔した。音楽創作の三回連続プロジェクトで、私は最終回でゲストとして参加した。名前の紹介をされて挨拶をする、フルートを子どもたちの近くに持っていき、じっくりと見てもらう。「みんなが見たことのあるフルートは銀色だと思うけれど」これは金色だよね、さあこのフルートはなんの素材でできているでしょうか。子どもたちの素直な反応に私は、意地悪をしたくなる。子どもたちの期待を煽って3秒待ち正解は・・・金でした。会場が驚きの反応を示す。え、いくら?誰が買っ

          100 リコーダーを吹く道化 

          99 道化のように

          おはようございます。元気よく挨拶をする。みんなにエネルギーをふりまく私。誰かのスピーチを聞く。その人が話しやすいように率先してリアクションを取り、周りにリアクションを促す。コミュニケーションはクイックに、スマートに、情熱的に伝える。内容より、情熱の方がなぜか、評価される。タイムマネジメントは分単位で、正確に、キラキラしながら元気よくプレゼンテーションをする。みんなはそれを見て、えみちゃんはいつも元気でいいねという。そのバイタリティはどこからきているの。と聞かれるが、特に何もし

          99 道化のように

          98 素で喋るのは苦手 

          ゴフマンを読んでいると、ますます自分が、役割演技の幕に頼り切って、成り立っているんじゃないかと思いはじめていた。どうしたものか、舞台や仕事ではあんなに滑舌良く、アドリブも余裕なのに、素になると急に喋れなくなる。何かの権威に頼らなければ、自分のことを語れないのがとても嫌だった。だから、音楽家の権威の仮面を使いそれでなんとかしようとしてきた。 役割は生きている限り、何かしら纏ってしまうものだが、音楽家の仮面を外した私は、いつもどこかで置いてきぼりになって、ぞんざいに扱ってしまっ

          98 素で喋るのは苦手