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文化・芸術

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民芸、音楽、絵画、彫刻、本、映画、アートなど、ジャンルを問わず建築と絡めながら記録。
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2022年3月の記事一覧

近代建築の解体、保存について

近代建築の解体、保存について

昨今、近代建築といわれる建物がその文化的価値を考慮せずに、老朽化や経済的に非合理のため、壊されていく事例をよく見かけます。最近のニュースで私が本当に悲しんでいるのは、「東京海上日動ビル」が解体されてしまうというニュース。

設計したのは東京文化会館や東京都美術館など全国各地で数多くの美術館や博物館を設計した前川國男。私が前川國男をはじめて知ったのは実はこの東京海上日動ビル。18歳の時に東京駅に降り

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イタリアの巨匠「Angelo Mangiarotti(アンジェロ・マンジャロッティ)」

イタリアの巨匠「Angelo Mangiarotti(アンジェロ・マンジャロッティ)」

イタリアの巨匠
「Angelo Mangiarotti(アンジェロ・マンジャロッティ)」


時計や食器などのプロダクトデザインから家具、建築、都市計画まで、マンジャロッティ自身のコンセプトをブレる事なくデザインに昇華していったイタリアの巨匠。
日本との交流も深く、彼のミラノの事務所には、日本人デザイナーや建築家が所員として常に在籍している状態だったとか。



『アンジェロ・マンジャロッテ

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モザンビークの民芸品

モザンビークの民芸品

皆さん、お疲れ様です。

仕事から家に帰り、もうすぐ2歳になる息子が、↓こちらの木工品で遊んでいました。

学生時代にモザンビークの留学生がお土産にくれた木工品です。特に有名な作家の作品というのでもなく、ほんとうに素朴な民芸品です。湿気によってフタが閉まらないことも多々あり、精度は低いです。

しかし、この木工品に精度の低さは問題ではありません。精度が気にならないほど、このサイズ感とフォルム、色合

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20年使用しても壊れない傘「前原光榮商店のトンボ洋傘」

20年使用しても壊れない傘「前原光榮商店のトンボ洋傘」

私の愛用する傘は↓こちらの前原光榮商店の洋傘です。

すでに10年以上使っていますが、全く壊れていません。不具合もゼロです。こちらの傘を買って以降、ビニール傘や他の傘も一切買わなくなりました。壊れたとしても前原光榮商店で修理をしてくれるので、一生使える傘だと私は思います。

購入したきっかけは、大量消費社会に疑問を感じながら、何も自分の力ではできないもどかしさを抱いていた事でした。そんな中、1つず

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魅惑の雑誌「KINFOLK」

魅惑の雑誌「KINFOLK」

私の好きな雑誌のひとつ。「KINFOLK」

概要は↓の記事に任せるとします。

たまたま読んでいたKinfolkVol.34 (発売日2021年09月30日)に、先日紹介した今年のプリツカー賞受賞者「ディエベド・フランシス・ケレ」氏が掲載されていました。

紙の質感や写真のクオリティも高く、インテリアとしても飾ることができます。見かけた時はぜひお手にとってみてください。

陶器「益子焼」

陶器「益子焼」

栃木県益子町周辺を産地とする「益子焼」

ぽってりとした形と素朴な風合いが特徴。
モダンな作品を益子焼の作家が創作しているため、若者にも人気が出ている陶器。

益子焼の中でも、特に「粉引」という製法でできた白くマットな風合いのものが、昨今人気の北欧インテリアともよく合い人気が出ています。

私も実際に益子町に訪れて、粉引の益子焼カップを購入しました。

陶器の魅力

私は陶器が好きで、実際に全国の

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「豊楽寺薬師堂」

「豊楽寺薬師堂」

私の中の四天王建築のひとつ。
 

豊楽寺薬師堂

訪れた時には、「美しい」とか「温かい」とかそういう感覚ではなく、「畏敬」や「この世のものでない」のような圧倒的なオーラに感嘆しました。

しとしと雨が降る中、ひとり立ちすくんでいた覚えがありますが、そのためか、写真もスケッチも残していませんでした。

何も言うことはありません。
ぜひ、訪れてみてください。

今年のプリツカー賞受賞者は??

今年のプリツカー賞受賞者は??

今年のプリツカー賞が、米ハイアット財団から発表されました。
プリツカー賞とは建築界のノーベル賞と言われているもっとも権威ある賞のひとつです。

世界中の建築家から毎年1人か1組が選ばれます。
日本人建築家も数多く受賞しており、なんと、アメリカに次いで2番目に多く受賞しています。

同じ日本人として誇りに思うとともに、そういった建築家を輩出できる環境や文化の中で、私自身建築を生業にできることに恵まれ

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日本最古の神社建築「宇治上神社」

日本最古の神社建築「宇治上神社」

日本最古の神社建築は宇治にあります。

「宇治上神社」本殿、拝殿とも「国宝」です。
宇治上神社の他にも国宝に指定された建造物を幾つか見に行ったことがありますが、もう現代建築では到底かないません。

デザインも上、材料の質の高さも上、醸し出す雰囲気も上。

最高の音色が聴こえてきます。

さて、宇治神社本殿は現存する神社と比べるとあまり見ない形式です。
ちょっと専門的になりますが、神社建築の構造形式

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小説「羊と鋼の森」

小説「羊と鋼の森」

目指すところがあるとしたら、ひとつの場所ではなく、ひとつの状態なのだろう。

「明るく静かに澄んで懐かしい建築、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている建築、夢のように美しいが現実のようにたしかな建築」

そんな建築を創造し、残していきたい。

…実はこの文章。
"建築"の部分を"文体"に変換すると、
宮下奈都の小説「羊と鋼の森」に出てくる言葉です。

私の創りたい建築の思い

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「ベルギーの建築家」

「ベルギーの建築家」

古今東西、日本の伝統建築から現代建築、欧米の他にも、アジアの街並みやアフリカの遺跡まで、とにかく垣根を越えて建築が好きな私ですが、最近注目している建築というか個人的な流行りがあります。

今の流行りは「ベルギーの建築家」です。

その土地の素材である煉瓦や漆喰、木材などを謙虚に使用し、主張性の無い建物を造っている印象です。主張しなくとも醸し出す空気は味わい深く調和がとれている感じです。

ベルギー

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チェリスト 「宮田大」

チェリスト 「宮田大」

世界で活躍するチェリスト宮田大さんに私は惹かれています。まだ35歳という若さで、これからの人生経験や音楽の積重ねでどのような音楽を創り出していくのか、非常に楽しみにしています。

私が宮田大さんを知るきっかけになったのは、YouTubeです。エルガーのチェロ協奏曲で、演奏する音が生命のようの生きており、音楽が語りかけてくるようなイメージがありました。

そして、宮田大さんのついて調べてみると、彼は

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